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敗因は手数のかけすぎ

2006/09/07(木)

サウジアラビアとの試合が進むにつれ、ホームチームが点を取りそうな雰囲気が色濃くなり、日本の敗勢が明らかになった。
結果はそのとおり。サウジアラビアが後半の中盤にこの試合唯一のゴールを奪い、日本はイビチャ・オシム新監督就任後3試合目で初の敗戦を喫した。
試合終了のホイッスルが鳴ったとき、私は物足りなさを感じていた。日本は勝てる試合だったし、少なくとも引き分けにはできたはず。負ける試合ではなかったからだ。

まず、改善された点から話そう。(8月16日の)イエメン戦後、オシムは、日本チームの自陣でのパス回しを各駅停車に喩え、日本選手のプレーは遅すぎると批判していたが、サウジ戦では見違えるほどテンポが良くなっていた。バックから前線へのボール供給はずっと速くなり、日本はその速いペースをずっと保とうとしていた。
それにより日本はなかなかのチャンスをいくつか作り出しており、田中達也が前半に最も目立つ存在となっていた。もちろん、ハーフタイム直前のあのチャンスは低いシュートで決めて欲しかったが、遠藤がカーブをかけたシュートを放ったときにも、彼は陰で仕事をしていた。結局、遠藤のシュートはサウジアラビアのゴールキーパーの見事なセーブに阻まれてしまったが。
後半にも、巻と我那覇が揃ってヘッディングシュートを外した。したがって日本は敗北の言い訳はできないのだが、当然、オシムは言い訳しなかった。

ボスニア人監督は、日本選手は子どものようにプレーすることがあると語った。これは私の推測に過ぎないのだが、オシムは、2つの局面で見られた、手をかけすぎたプレーを言っていたのではないかと思う。
こうしたプレーがサウジのゴールに結びついたのである。日本はハーフラインあたりのタッチ沿いで不注意にボールを奪われ、チーム全体が危機に陥った。選手に当たったボールが右に跳ね返った結果、サウジのストライカーの前に転がり、日本は無防備になり、ゴールのはるか前に犯したミスの代償を払わされてしまった。
また、日本はレンジ内にいるのにシュートを打つのが少なすぎるとも思った。日本選手は、自陣からフィールドの3分の2を過ぎるとパス回しが多くなりすぎ、サウジは楽にプレッシャーをかけ、ボールを奪うことができていた。
前半に遠藤がやったように、ペナルティエリアの外からシュートを打って欲しいと思っていたが、羽生が終了間際にシュートを放った。これは悪くないシュートで、もう少しでゴールの上隅に入りそうであった。

ファンの皆さんは、この敗戦にあまり落ち込まないほうが良いだろう。サウジはワールドカップの強豪とまではいかないが、アジアの強豪。特にホームでは強みを発揮するチームだ。水曜日のアウェーのイエメン戦は、まだ成長途上にある日本が犯したミスを即座に修正するチャンスとなるだろう。

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