俊輔の新たな傑作
東京(9月15日)発:先日の欧州チャンピオンズリーグ、マンチェスター・ユナイテッド対セルティックの素晴らしい試合、そして中村俊輔の素晴らしいゴールをご覧になっただろうか?
それは、ゴール前約25mの距離から相手GKエドウィン・ファンデルサールの堅く高い壁を見事に破る、素晴らしいフリーキックだった。
木曜夜にその試合をテレビで確認する前に、私はある記事を読んでいた。
その記事には、俊輔のフリーキックはトップコーナーに決まったと書いてあったので、私の中では映像で見る前にすでにイメージがあった。
しかし実際は、トップコーナーに決まったのではなかった。
だからこそ、スカイTVのコメンテーター、マーティン・タイラー氏とアンディ・グレイ氏がそのゴールに熱狂していたのだ。
俊輔のフリーキックは、壁を越えて高く上がったボールがまるで木の葉が垂直に落下するような――いわゆるミシェル・プラティニの“フォーリングリーフ”スタイル――ものではなく、ボールはマンチェスター・Uの壁をギリギリで越え、そのままゴール中ほどに決まった。
ファンデルサールにはボールがまったく見えなかったようで、ゴールの反対側のサイドにまるでオランダニレが根を下ろしたように立ちつくしていた。
そのフリーキックを見るまで、タイラー氏は俊輔のことを「フリーキックのアーティスト」と呼んでいたが、そのゴールが決まるとすぐさまこう付け加えた。
「最高傑作がまた生まれました!素晴らしい!」
グレイ氏はボールの低い弾道に着目し、そして同時に、バグパイプで「アメージンググレイス」を聞き、ハギスを食べるスコットランド人、そしてラフでタフな典型的なイングランドのセンターフォワードだった彼らしく、ジャンプし、顔でボールを受けてでもフリーキックを止めようとしなかったマンチェスター・Uのストライカー、ルイス・サアを批判した。
マンチェスター・Uが3−2と1点をリードし、セルティックが同点に追いつこうとしていた終盤、タイラー氏は、セルティックがペナルティボックス付近でフリーキックを得ることができれば“中村俊輔の左足の一振り(スゥイッシュ)”で同点においつくとさえ言った。
これは俊輔のキックを、画家が優しく筆を振るうさまに例えた良い表現だ。
この試合は、俊輔の記念すべきゴールとイングランドサッカーをアピールする素晴らしいものだった。
ただしそれは、マンチェスター・UがセルティックのGKボルツによるギッグスへのチャージで得たPKのことではない。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント