闘莉王、長谷部、達也…日本の“ライジングレッズ”
8月12日(東京発):水曜日、国立競技場に掲げられた横断幕の一つが全てを物語っていた。
「ライジングレッズ」
オシム・ジャパンはまだスタートしたばかりだが、浦和レッズの3人のプレーヤーは、彼らが新生オシム・ジャパンの中で重要な役割を果しえることを存分に見せ付けた。
ディフェンス陣では闘莉王が、積極果敢で強烈な守備をチームにもたらした。
彼は空中戦に強いだけでなく、ゲームをよく読み、タイミングよくパスをカットしてボールをクリアしていた。
闘莉王の前では、オシム・ジャパンの3人のMFの1人、長谷部がこれ以上の強化は必要ないと思われるほどのレベルの違いを見せつけた。その姿は若かりしロベルト・バッジョを思い起こさせるものだった。
彼はロベルト・バッジョのボールタッチ、技術、そして優雅さを持ち、さらにパワーと存在感も兼ね備えている。
昨年の天皇杯で彼のゴールを見たが、それはまさに1990年ワールドカップのチェコ戦でバッジョが見せたゴールの再現のようだった。
長谷部のパスは、シンプルなパスではない。
ただ単にボールを蹴るのではなく、まるでボールを愛撫する感じ。
前半に見せた右ウィングへの数本のパスは、彼のテクニックの美しい見本のようだった。
まだ22歳の長谷部は、これからもどんどん成長していってくれるだろう。
そして、田中達也。
彼の疲れ知らずの働きはゴールにも値する。
トリニダード・トバゴ戦でも、敵陣の奥深くまでよく走っていた。
フォーメーションについては、常に議論が重ねられ、意見の分かれるところだ。
今回私の見たところでは、4−3−3、いやもっと細かく分けると4−1−2−2−1を採用していた。
鈴木啓太をボランチに置き、我那覇の1トップ。そして山瀬と達也が彼をサポートする。
達也は我那覇と並んで2トップだったと言う人もいたが、私の見たところ、達也はやや下がり気味だったように思う。
だからこそ、時として鋭い走りこみを見せていたし、ボールを深い位置で受けてディフェンダーに挑んでいけたのではないだろうか。
もう一人の“レッズ”坪井は、ジーコ監督指揮下の代表の時よりも、より周囲に指示を出していた。
そして三都主は、駒野が後ろに控えているおかげでより自由に攻撃参加ができていた。
鈴木啓太は普段通り、ミッドフィールドの後方で落ち着いたプレーを見せていたが、彼には、特に後半に助けが必要だった。彼の補佐役は阿部がこなしてくれるだろう。
トリニダード・トバゴ戦はまさに“ライジングレッズ”を見せ付けた試合だったが、同時に紛れもなくこれは“ライジングジャパン”でもあるのだ。
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