A3杯に意義はある、しかしタイミングが問題
火曜日の夜に東京で行なわれたA3チャンピオンズカップのジェフユナイテッド対ガンバ戦は、まさに優勝のかかった試合と感じさせる内容だった。
展開が速くて激しい試合で、両チームに意外な出来事や疑問に思うプレーがあった。
ご存知のとおり、最終的にはガンバが2−0で勝ったが、トロフィーと優勝賞金の40万米ドルを手にしたのは、ガンバでも、ジェフでもなかった。優勝は蔚山現代(韓国)。イ・チョンスの活躍が印象的だった。
A3は終わっても、私には複雑な感情が残った。この大会は開催する価値があるものなのか? それとも、お金は稼げるが、1年のスケジュールを台無しにし、Jリーグのシーズンを中断させるだけの、よくある大会なのか?
総合的に見れば、毎年開催するだけの価値はあるが、シーズン半ばに行なうべきではない。たとえば、3月上旬のプレーシーズンマッチにしたほうが、参加する3ヶ国にとって意味があるし、参加チームにとっても来るべき国内シーズンに備えてメンバーの微調整を行なう機会となるだろう。
今年、2006年大会の時期はまったく意味が無いもので、調整期間にしかならないイライラするような中断を再びJ1にもたらしただけでなく、日本代表のオシム新監督が強力な2チームから選手を招集するチャンスをも奪ってしまったのである。
ガンバ対ジェフ戦は、先月フクダ電子アリーナで行なわれたJ1の試合に続き、大阪のクラブが千葉のチームを返り討ちにした。
遠藤は、ガンバのヒーローから憎まれ役へと早変わり。最初はガンバの先制点となる素晴らしいフリーキックをゴールの下隅に決めた。しかしその後、図々しくもPKを得ようとしたある行為で、高価かつ恥ずかしい代償を払わされた(ペナルティ・エリア外でマグノ・アウベスが空中を飛んだあれは、本当にフリーキックをもらうようなものだったのだろうか? 私には、ペナルティ・エリアに進入しようとしたときの左足のドリブルが大きくなりすぎ、仕方ないから夜空に向かって跳び上がったように見えたのだが。リプレーを見れば私が間違っていたということになるのかもしれないが、フリーキックには思えなかった)。
その直後、阿部が元気な明神に接触したプレーで、審判はPKを与えた。遠藤はあまりにもリラックスした様子で、ゆっくりした足取りでボールをキック。まるでバックパッスのようなボールを立石に送り、簡単にセーブされてしまった。
韓国人審判はジェフにお返しをしなければならないとでも思ったのか、坂本がオリンピックの北島康介ばりのダイブを披露すると、ジェフにPKを与えた。それはアテネの北島も真っ青になるくらいのダイブで、金メダル級というか、金メダルを2つとれるくらいの見事な飛び込みっぷり! 審判がペナルティ・スポットを指差したとき、記者席で笑っていたのは私だけではなかった。
もっとも、阿部が蹴ったPKはボールが神宮球場まで届くのではないかという、大ホームランとなった。
試合自体は、ガンバが2−0でリードしていても当然の展開。1−1でもおかしくはなかったのだが、PKの失敗が2つあったため、依然としてガンバが1−0でリードしていた。サッカーとは、なんてすごいゲームなんだろう!
状況打破を任されたのは播戸。目を見張るようなダイビングヘディングシュートがバーの下をくぐりゴールに入った。
播戸は最近のリーグ戦でも「フクアリ」でゴールを挙げている。そのときも、右足で下隅に蹴りこんだ、なかなかのフィニッシュだった。
来週のイエメン戦に備え、オシムがジェフ、ガンバ、アントラーズの選手の招集を考えるのなら、播戸の代表入りもありえないことではないだろう。
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