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ジェフの選手の招集は当然の評価

2006/08/17(木)

イビチャ・オシムがイエメン戦の日本代表メンバーにジェフの選手を4人選んだことを“サプライズ”とする人はいないだろう。
また、選ばれたジェフの選手たちは代表チームに値しないと言う人もいないだろう。
4人のうちの2人、巻と阿部は、A3チャンピオンズカップ後の招集が確実視されていた。巻は2006年ワールドカップ(W杯)でもプレーした――ただし個人的な意見を言えば、もう少しプレーさせて欲しかった。巻はオーストラリア戦の60分過ぎに投入すべきだった。そのときには高原と柳沢は明らかに疲れきっていたし、まだ試合をモノにすることができる状況だった。そう、つまり、日本が勝っていたということだ。

阿部はW杯前の数ヶ月間、オシムの求める全てをこなしていた。オシムは、自らのチームの若きリーダーのメンバー落ちを知らされたとき、苦い思いをしたことだろう。
したがって、巻と阿部の招集は十分に予想できた。しかし、羽生と佐藤勇人についてはそうではなかった。
もっとも、羽生と勇人はジェフの「駅伝スタイル」そしてスピリットの象徴的な存在。この2人は味方に引継ぐまで走り続け、決してあきらめず、その粘り強さと積極性でしばしば相手をも驚かす。
相手チームが自陣深くでボールをキープしているとき、羽生と勇人がプレッシャーをかけに行く姿を見てみると良い。2人は交代でミッドフィールドからダッシュし、まるでビックリ箱のように、あるいは自然ドキュメンタリーで観るハエトリグサのように相手に襲いかかるのである。観察、急襲、撤退――まばたきをする間にその一連の動きがなされる。

羽生の招集をとりわけ喜ぶだろうと思われるコーチに、アストン・ビラやセルティックを率いたこともあるジョゼフ・ベングロシュ氏がいる。「ドクター・ジョー」はジェフの監督を務めていた当時、夢中で羽生のことを話していたものだ。筑波大学を出た22歳の羽生ではなく、16歳の頃から指導できていたら、というのが、彼の叶わぬ望みだった。

勇人も、双子の弟の寿人と同じようにゴールがどこにあるかを知っている小柄な素晴らしい選手である。オシムのチームがイエメン戦でどんな試合をするのかはわからないが、巻とそのサポート役である達也(田中)と羽生で構成された3トップは、非常に魅力的だ。大胆な展開とすばやい動きが発揮されれば、イエメンのDF陣は今日が何曜日なのかも、あるいは自分たちがいるのが新潟なのかナイジェリアなのかネパールなのかもわからなくなってしまうかもしれない。
したがって、アウェーのイエメンはゲームをできるだけゆっくりと進めようとするだろう。日本を苦しめるのにはその方法しかないわけで、ホームの日本にとってはフラストレーションのたまる夜になり、スピードとともに忍耐も必要になるかもしれない。

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