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森本には、失うものなどないのだ

2006/07/27(木)

若き森本に幸あれ!
東京ヴェルディ1969からカターニャに1年間レンタル移籍する、このティーンエイジャーに、失うものなどあるのだろうか?
私は全く何もないと思うし、今回の経験はためになりこそすれ、無駄になることはないと感じている。
彼はまだ代表チームがどうこうという立場でもないし、海外移籍が彼の招集の足かせになるとも思えない。
森本は、まだとても若く、選手生活が始まったばかり。つまり、どう考えても海外移籍がマイナスになるとは思えないのだ。

カターニャで活躍し、ビッグクラブの関心を買うようなら、選手として「一人前」になるかもしれないし、日本の2部リーグ(J2)でプレーしている現状では選手として「ブレーク」するかどうか定かでない。近い将来に年齢限定の日本代表になるのが当面の目標だろうが、そのためだけに日本に残ってプレーするのというのでは、もったいない。

森本を観るための旅行を計画しているメディアやファンが、うらやましい!
私がカターニャを訪れたのは、1990年代の初頭。そのときはサッカー観戦ではなく、スコットランドで開催される7人制ラグビー世界大会の予選「シシリー・セブン」に出場していたラグビーの香港チームの取材だった。
イタリアのほとんどの街と同じように、カターニャは素敵なところで、観光名所もいっぱい。しかも観光の間に立ち寄るレストランもとてもたくさんあった!

森本は、サッカー選手としても、世界に旅立ったばかりの若者としても、カターニャで素晴らしい時間を過ごすことだろう。
今回のチャンスをものにできるかどうかについては、何とも言えない。
セリエBから上がってきた多くのクラブと同様、カターニャもセリエA残留のために苦労するのは確実。森本も、長く、苦しい日曜日の午後を経験することがあるだろう。
しかし、森本は選手としてはまだ原石の状態。伸びしろがある。彼はスピードがあり、強く、ボールを持ったときも積極的にプレーする選手。ゴールの決め方も知っている。

かつてヴェルディで監督を務めたオジー・アルディレスから聞いた話だが、ユース大会で森本のプレーを観たアレックス・ファーガソンが森本の大ファンになったそうだ。アルディレスによれば、マンチェスター・ユナイテッドが森本の成長ぶりを観察していたそうだ。しかしマンチェスター・ユナイテッドからの動きはない…いまのところは。
セリエAのカターニャでシーズンを過ごすようになれば、J2のヴェルディにいるときよりも注目を集めるようになるだろうが、森本にはプレッシャーは全くないだろう。
森本は、ピッチ外ではリラックスし、一生懸命練習し、一生懸命プレーし、イタリアでの生活を楽しめばよい。総じて言えば、才能ある若きフォワードにとって、そしておそらく日本サッカーの遠い将来にとって、今回の移籍は歓迎すべきものである。

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