もういい加減に終わりにしよう!
7月8日発:ここ最近、ワールドカップでのダイビング、ケガを装う行為、そしてファウルぎりぎりのプレーに関する記事をよく目にする。これは非常に良い傾向だと思う。国際サッカー連盟(FIFA)も、そうした撲滅しなければならない忌むべきことがあるという事実を認めた。
私が“喜ばしい”と書いたのは、常々メディアはこのような穢れた事実を書かず、最近の流行として受け入れているように感じられていたからだ。
この問題について、私はここ数年ずっと書き続けてきた。そして私は今後も、このような卑劣な行為から目を背けるつもりはない。
以前、とある日本人記者に“古いサッカーにしがみついている”と批判されたことがあるのだが、彼が言っていたのはおそらく“正直なサッカー”という意味だったという程度に考えている。
私は、こうした行為について一言モノ申さずにはいられないようだ。そのおかげで、シュツットガルトで行なわれたイングランド対エクアドル戦の記者席では激しい口論まで引き起こしてしまった。
試合開始のホイッスルから、エクアドルは0−0の引き分け、延長戦、そしてPK戦に持ち込むことを明らかに狙っていた。そしてそれは、ただのぶち壊し屋から勇敢なヒーローになれる機会があっても変わらなかった。
一人のエクアドル選手が大したプレーでもないのにピッチに大げさに倒れ、彼のチームメイトがボールを外へ蹴り出した時、私は思わずペンを机の上に投げ捨て「ふざけるな!」と言ってしまった(実際は“F”から始まる汚い言葉を使ってしまったのだが…)。
激情を抑えられなかったことについては、素直に反省せねばなるまい。
私の右隣には4〜5人のスペイン語圏のジャーナリストが座っていた。
彼らは明らかにエクアドルを応援していた。
そう、応援していたのだ。
彼らは私がエクアドルの選手がケガをしたフリをしていると感じていることに気分を害したようで、私が口にした“F”から始まる言葉を何度か繰り返していたその様子はそれはそれで面白かったが…。
「じゃあ“F…”リオ・ファーディナンドはどうなんだ?」。
私の隣の、ペンもノートも持っていないヤツが言った。
「あの“F…”フェアープレーキングだよ」。
そして彼はヒジ打ちのマネを始めた。それはまるで、グループFの初戦、日本対オーストラリア戦で、コーナーフラッグの所でボクシングの仕草でゴールを祝ったオーストラリア代表のティム・ケーヒルのようだった(今でも思い出したくないシーンだったかもしれませんね。読者の皆さん、申し訳ない)。
「女のゲームでなく男のゲームだからね」。私はそうやり返した。
ここまででお分かりのとおり、この件については様々な見方がある。
おかしなことだが、イングランドの“ベッキンガム宮殿”のプリンスが見事なフリーキックで得点を挙げた後は、エクアドルのそうしたプレーはピタッとなくなったのだ。
もちろんその後は珍しいことに、エクアドルも得点を挙げようとしていた。
私の隣にいた連中にも、チームがリードを許すと時間稼ぎが減るという理屈がわかっただろうか?
いや、おそらく無理だろう。
とにかく、ポルトガル、特にクリスティアーノ・ロナウドには感謝している。
今回のワールドカップで、サッカーの醜い部分をすべてさらけ出してくれた。
そして、今年後半に選手、審判、コーチで組織する委員会でこれらの問題について話し合うと語った、“フェアプレーの皇帝”フランツ・ベッケンバウアーにも…。
もちろんその頃にはそんな問題はなくなっているかもしれないけれどね。
選手さえ本気で望めば、フェアプレーを取り戻すことなど簡単なのだ。
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