FIFAは恐れずビデオ判定を導入すべき
7月15日発:ジダンとマテラッツィのいざこざは、醜い挑発とそれに対する暴力行為でサッカー界に大きな波紋を投げかけた。
しかしこの醜態が、最終的には良い結果を生むことだって可能かもしれない。
例えば、FIFA(国際サッカー連盟)がビデオを審判の補助として導入し、試合中の誤審を訂正するようになるとか…。
個人的には、FIFAは数年前にビデオを導入すべきだったと考えている。ビデオ導入をためらったことが、サッカー界の進歩を遅らせたのではないかとも思うのだ。
ジダンの退場直後、ビデオリプレイは繰り返し何度も放映された。しかし、それはジダンの行為を糾弾するために使われたのだ。
主審はこの行為を見ていない。試合はピッチの反対側で展開されており、1組の目しか持たない主審に罪はない。しかし、ピッチサイドの両チームのベンチの間でビデオモニターでリプレイを見ていた第4の審判員がこれを見ていた。
FIFAは即座にこれを否定した。第4の審判はジダンの頭突きを自身の目で目撃し、主審に伝えたと。さらに、彼らはビデオは一切使っていないと強調した。
ここで大きな疑問が残る。このような事態が起こった時に、テレビモニターでリプレイを見て確認することの一体何がいけないのだろうか?
FIFAのゼップ・プラッター会長はそうした変更を歓迎するどころか、ビデオの導入は審判の権威を失墜させると言う。
しかし、ビデオの導入は主審、副審が正しい判定を下すのに大いに役立つに違いない。
ブラッター会長は、レフリーだって人間、誰にだって間違いはあると言うが、これだけ技術が進歩し、かつ近代サッカーにこれだけ巨額のお金が絡んできている現在、それだけではあまりにも説得力がない。
1998年ワールドカップの準決勝のフランス対クロアチア戦で、ビリッチがケガをしたふりをしてフランスのブランが退場させられた一件をよく思い出す。ブランは2試合の出場停止となり、自国でのワールドカップ決勝に出場できなかった。
テレビのリプレイで世界中の人々がビリッチが審判をまんまと騙した様子を見たにもかかわらず、FIFAは判定を覆すことを拒否した。
不正行為をした者が勝ち、正直な選手が負けたのだ。
この時、状況が違っていて、ビデオ判定が導入されていたとしたらどうなっていたか考えてみると良い。
試合後、審判がビデオでビリッチの芝居を目にし、2試合の出場停止を取り消す。これについて誰が文句を言うだろうか? 今でも、ブランが決勝に出場できなかったのは当然だと心から言えるのだろうか?
FIFAは即刻、ビデオの導入を決めるべきだ。
試合の流れを止めるなどとは言えないはずだ。
特に今回のワールドカップでは、そうした卑劣なファウルでどれだけのホイッスルが吹かれたことか…。
もう、試合に流れなんてものはないじゃないか。
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