“ルーニー狂騒曲”に終焉を
ボン発(6月16日):イングランド代表のスベン・ゴラン・エリクソン監督は、トリニダード・トバゴに2−0で勝利した後、“ウェイン・ルーニー狂騒曲”の終結を歓迎すると多くの人々に話していた。
7週間前のマンチェスターユナイテッド対チェルシー戦でルーニーが右足を負傷して以来、イングランドの新聞のスポーツページには連日、ルーニーの中足骨についての記事で溢れていた。
しかし木曜日、ニュールンベルグでルーニーは途中出場ながら33分間プレーした。ワールドカップに初出場したのだ。
「ようやく騒ぎが収まってホッとしたよ」。
試合後の記者会見でエリクソン監督はそう言った。
「毎日毎日同じ話ばかりで我々もうんざりしていたんだ。でもそれも終わりだ」。
エリクソン監督は“騒ぎは終わった”と思っているらしい。
さて、次の質問。
「この24時間について話してもらえませんか?」
一人の記者が、医者の話や検査についての詳細を尋ねた。
サッカーの話題より医学の話ばかりで、まるで、ドラマ『ER』や『シカゴホープ』を見ているような錯覚を私は覚えた。
質問はさらに続く。
「ルーニーは次のスウェーデン戦に出れますか?」
エリクソン監督は苛立ちを抑えながら、トリニダード・トバゴ戦後のルーニーのコンディションについては1、2日待たねばわからないと答えた。
そしてピーター・クラウチへの質問。
「ルーニーが加わることでチームはどのように盛り上がりましたか?」
明らかに、クラウチもうんざりしていた。
「チームを盛り上げたのはウェインだけじゃない。レノンやダウニングもだ。攻撃陣は疲れていたからね」クラウチはそう答えた。
エリクソン監督は心底望んでいるようだが、これを見て皆さんにもおわかりのように、残念ながら“ルーニー狂騒曲”は完全には終わっていないようだ。
ルーニーの名前は、記者たちが陳腐なヘッドラインを書くのに最適なのだ。
例えばこんな感じ。
パラグアイ戦でルーニーがプレーしなかった時の見出しは「ウィッシュ・ルー・アー・ヒヤー(Wish you are here)」だったし、イングランドが2試合で勝点6を挙げ決勝ラウンド進出を決めた時は「ウィ・アー・スルー(We are through)」やアメリカ流に「ウェイン・トゥー・ゴー(Way to go)」などの見出しが紙面を躍った。
一人の選手がこれほど長い間スポーツニュースの話題を独占することはない。これはどれだけルーニーが特別な選手なのかという証拠。
しかし、最近のイングランドの記者会見に出席するのは苦痛だ。
次の質問が何なのか聞かなくてもわかる。
そう、ウェイン・ルーニーだ。
そこで私なりにこの“ルーニー狂騒曲”に便乗してみた。
「ディス・イズ・オール・ウェイン・ザ・トップ(This is all way over the top!)」
「ライト・アバウト・ザ・サッカルーズ・インステッド(Write about the Socceroos instead!)」
「ファーギー・シンクス・スヴェン・イズ・ア・ルーナティック・フォア・ブリンギング・ウェイン・バック・ソー・クィックリー(Fergie thinks Sven is a lunatic for bringing Wayne back so quickly!)」
読者の皆さんには本当(トゥルーリー)に申し訳ない。
しかしこれでこの馬鹿げた騒動は終わりにします。
じゃないと皆さんに怒られて(アンルーリー)しまいそうだ。
“ルーニー協騒曲”は、もう終わりにしよう。
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