2010年も加地は当確
今回のワールドカップの日本代表を見渡してみると、2010年のワールドカップ・南アフリカ大会にも代表メンバー候補となっていると自信を持って言えそうなフィールドプレーヤーは、そう多くない。
(それに、日本が地区予選を勝ち抜いたら、という前提がつく。次回の地区予選では、実績あるアジアの強国となるオーストラリアが厄介なライバルとなるだろう。)
最も可能性がありそうな選手の1人は、攻撃でも守備でも、右サイドで精力的な働きを見せる、日本のカフーこと加地亮だ。
ニュルンベルクのクロアチア戦での加地は、日本代表でも指折りのパフォーマンスを発揮した。
クロアチアの左サイド、身体能力に優れたバビッチの攻め上がりに対処しながら、加地は隙を見つけては前線に駆け上がって相手ゴール前であわやというシーンを何回か演出した。
かつてFC東京に在籍し、現在はガンバ大阪でプレーしているこの選手は、4バックのライトバックでも、中盤5人の右サイドでも同じようにプレーすることができ、ここ2年ほどはジーコにとって不可欠な存在となっている。
徳永(FC東京)と中村(福岡)、ともに才能豊かな若手選手が右サイドバックいることも、ポジョションを奪われかねないというプレッシャーを常に加地に与えることになりそう。これも良いことだ。一方、オーストラリア戦で彼の代役を務めた万能選手の駒野は、左サイドに移り、三都主のポジションを狙うようアドバイスを受けるかもしれない。
クロアチア戦の加地の動きは興味深いものだった。4−4−2のフォーメーションで、ジーコは鹿島で名良橋と相馬に求めたようなサイド攻撃を加地と三都主に求めた。
両サイドを攻め上がり、深い位置からゴール前にクロスを供給するのは多彩な中盤の選手ではなく、加地と三都主の仕事。そのためにはチーム全体が上手く機能し、2人が適切なタイミングで、適切な位置にいるようにしなければならない。日本が時間をかけてボールをキープし、さらに冒険的なパスやまずいボールコントロールで不用意にボールを手放さなければ、2人が攻め上がるチャンスが多く生まれ、さらに相手DFを本来の位置から引きずりだせる。
日本代表はワールドカップ後に大きく作り変える必要があると感じているが、加地はそのままの位置で残るだろう。
もっとも、クロアチア戦での日本のMVPは、FIFAの公式の受賞者は中田英寿となったが、間違いなく川口だった。
オーストラリア戦で崩壊したあと、日本代表はうなだれてしまったが、川口がムードを変えた。スルナの強烈なPKに対して左に低く飛んだセーブはお見事。ペナルティの判定は妥当なもので、プルショに裏をとられたツネ(宮本)が慌ててボールを奪いに行った代償を払わされたのだ。
ヨシ(川口)は大一番に強いことをあらためてアピールし、ヒーローと賞賛されるに値するだけの働きをしたのである。
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