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柳沢には時間が味方

2006/05/04(木)

「柳沢問題」は、ルーニーの場合のような大話題とはなっていないが、柳沢本人とジーコにとってはやはり重要な問題である。
火曜日にジーコが発表したキリンカップ日本代表には柳沢の名前がなかったが、彼が故障からの回復途上にあることを考えれば、まったく当然のことだ。
なんといっても、ジーコがドイツ行きの「最後の」23人を選ぶ期限、5月15日までにはまだ2週間あるわけだし、そのあとでも選手が故障し、正当な診断書の提出があった場合にはメンバーの入れかえができる。
つまり、時(とき)は柳沢に味方しており、柳沢に限らず誰も今からパニックに陥る必要はない。

もちろん、ルーニーの故障が4年前のベッカムのように大々的なニュースとなっているイングランドとは、事情が異なる。
イングランドのズベン・ゴラン・エリクソン監督は、マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン監督の希望に反し、ルーニーの代表招集を決めたようだ。ワールドカップ本大会のセカンドラウンドに間に合ってくれれば良いというのがエリクソンの考えなのだろう。イングランドは、パラグアイ、トリニダード・トバゴ、スウェーデンと同組のグループリーグは楽に突破できるだけの戦力があるし、ドイツでは、セカンドラウンドは6月24日――ルーニーの負傷から8週間後――にならないと始まらないのだ。

ジーコの場合、柳沢に対してそれほど悠長に構えてはいられない。日本は6月12日のオーストラリア戦の試合開始からトッププレーヤーを揃えて臨まなければならない。
オーストラリア戦は日本にとってきわめて重要な一戦。オーストラリアからはできれば勝点3を、最低でも勝点1をとらなければならないのだ。より厳しい相手であるクロアチアとブラジルがあとに控えているからだ。
ジーコのコメントから判断するに、今後順調に回復し、再び同じ箇所を負傷することがなければ、柳沢がワールドカップ行きの23人の枠に入るのは明らかだ。
ジーコが高原と久保を好んでいるのも周知の事実。ドイツにフォワードを4人しか連れて行かないつもりなら、残りの席は1つだけ。
高原、久保、柳沢と一緒に行く選手は、必然的に彼らとは異なったタイプの選手ということになり、最後の切符は大黒のところに行くのが確実なようだ。ジーコはガンバに所属していたこのストライカーには特別な才能があると認識しており、実際、大黒はワールドカップ予選やコンフェデレーションズカップで日本代表にいくつか貴重なゴールをもたらしている。
だから、つまり…(鈴木)隆行は脱落、玉田、巻も、佐藤も脱落で、大久保(みなさん、まだ彼を覚えていますか?)も脱落ということになる。
私なら、このように選ぶと言っているのではない。なぜなら、もし私が選ぶのであれば、現在の体調と調子を考慮して巻を選ぶ。しかし、現実は前述のようになりつつあるということだ。

いろんな選手の骨折が世界中で問題を巻き起こしているのは確かだが、土曜日の夜、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドのテレビ中継で聞いた、ロビー・アール――元ウィンブルドンのミッドフィールダー――のコメントが面白かった。彼が言うには、選手たちがより軽く、よりソフトなシューズを好むようになったため、足の保護がおざなりになり、その結果、「中足骨(英語では、“metatarsal”)」の骨折が増えるようになった。
少し前までは、ほとんどのサッカーファンが、中足骨とはなんなのか、あるいは体のどの部位にあるのか(ヒジかい、それとも鼻?)を知っているなんてありえないことだったが、今では中足骨は、ポッシュ・スパイスやブルックリン、ロメオとともに、ベッカムの歴史の大きな部分を占めるようになっているのである。

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