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ベンゲルの考え違い

2006/04/27(木)

東京発(4月26日):アーセナル(イングランド)を欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝に導いた、アーセン・ベンゲル監督にお祝いを申し上げたい。
言うまでもなく、ベンゲルは今でも日本とりわけ名古屋で愛情を込めて思い出される存在であり、JFA(日本サッカー協会)が日本代表監督の候補に挙げているのも至極当然だ。
ベンゲルとはこれまで2度ほど話す機会があり、彼によると、日本代表監督の仕事は気に入るだろうけれど――時期尚早ということだった。日本代表監督の職はパートタイムの仕事。半ば引退した状態で受けるには良いが、まだクラブサッカーから身を引くつもりはないとベンゲルは言った。

アーセナルが初の欧州CL決勝進出を果たそうとしており、さらに由緒ある――しかし小さい――ハイバリーからGKのキックが届きそうな距離にある新スタジアムへの移転を間近に控えているなか、それは仕方のないことだと思う。それにベンゲルはレアル・マドリード(スペイン)の監督候補にも挙がっているらしく、日本で仕事をしている彼の親友によれば(分かった、分かった、スチュアート・バクスターのことだよ!)、今シーズン終了後にもレアルに行くかもしれないそうだ。
つまり、日本はベンゲルに指揮をとってもらうまでもう少し待たなければならないのである。おそらく、2010年の南アフリカワールドカップがJFAにとってより現実的な見通しなのだろう。

ベンゲルの力量は認めるが、ノースロンドン・ダービーで起きた出来事を巡る議論では、私は残念ながらベンゲルの側には立てない。アーセナルがハイバリーでスパーズ(トットナム・ホットスパーズ)と戦った、土曜午後のノースロンドン・ダービーは、その晩に日本でも生中継で観ることができた。
(状況を)簡単に説明すると、アーセナルの2人の選手がスパーズの選手と競り合おうとして衝突してしまったのである。この2人の選手、エブエとジウベルトはぶつかり合い、芝の上に倒れ込んでいたが、明らかに、頭と頭がぶつかるような深刻な事態ではなかったことは指摘しておかなければならない。
スパーズはプレーを続け、ゴールを決めた。ベンゲルは怒り狂った。スパーズがボールをピッチ外に蹴り出し、倒れているアーセナルの選手が処置受けられるようにするだろうと考えていたからだ。

個人的には、スパーズがゲームを続けたのは当然で、ベンゲルが相手側のマルティン・ヨル監督を批判したのは間違いだったと思う。
今回は、戦っている両チームの選手が強くぶつかり合い、そのいずれかが負傷したわけではない。事情はまったく違うのである。
しかしいずれにしろ、ボールをピッチ外に蹴り出し、選手が負傷しているか否かにかかわらず処置を受けさせようとするチームが、最近多すぎる気がする。
よくある光景だ…。あるチームがリードしていると、リードしている側のチームの選手が芝生に倒れ、時間稼ぎをする。それから、その選手のチームのGKまたはチームメイトがボールをピッチ外に蹴り出し、試合を止める。医療スタッフがやってくる。すると、なんとまあ、彼はまったくケガなんてしていないのである。これは現代サッカーに侵食している新しい形態の時間稼ぎの方法。反則すれすれのプレーだ。

試合を止めるのはレフェリーの仕事で、選手の仕事ではない。また私は、日本のレフェリーはもっと強い態度をとるべきだと思う。レフェリーはゲームを続行させ、「負傷した」選手に立ち上がるように告げるべきだ。あるいは、ボールをわざと外に蹴り出し、レフェリーの許可なしにゲームを止めた選手にはイエローカードを提示するべきである。
その後、リスタートのときにボールを相手チームに蹴り返してやるチームもあるが、それは親切の度が過ぎると思う。自分たちは負けていて、ゲームを遅らせた相手チームは隊形を完全に組みなおしているのだ。
最近は、一体誰がレフェリーなのだろう?

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