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ツネのストッキング、俊輔のレガースくらいは…

2006/04/20(木)

土曜午後の等々力陸上競技場、フロンターレ対アルディージャ戦の観客のなかに、名古屋グランパスエイトのセフ・フォルフォーセン監督がいた。
彼は、次の土曜日に名古屋がホームで対戦するフロンターレの偵察に来ていたのだが、少し言葉を交わしただけで有益な情報をたくさん仕入れていることがわかった。
フォルフォーセンは、日本のサッカー全般、さらには日本人選手についてとても面白いコメントを発した。

彼の言うことはもっともだと思えるもので、正直言って、私も過去に同じような思いを抱いたことがあった。まさに、日本サッカー界の新参者が、まだはっきりと残っているヨーロッパでの記憶と比較して真っ先に気がつく事柄だ。
彼が指摘していたことを記してみよう。
基本的にフォルフォーセンは、選手たちがサポーターへの対応に十分に時間を割いていないと感じている。夜にパーティを開けというのではなく、練習や試合後によくあるような状況での応対をもっと良くしろといっているのだ。

「選手とファンの間に大きな溝があるように思うんだ」とフォルフォーセンは言い、その溝を埋めるのは選手の責任だと付け加えた。
それから、彼は実例をいくつか挙げた。
練習後、選手たちは豪華なSUV車に駆け込む前に少しだけ時間をとり、どんな天気でも数時間も待っているファンにサインをしたり写真撮影をしても良いのではないか。
また試合のあと、ファンがチームのバスから10mしか離れていないところにいても、選手たちが無視することも多々あるという。

フォルフォーセンはヨーロッパでプレーするある日本選手の事例も紹介した。その選手の名前はここでは書かないが、クラブで彼が練習するのを見るためにわざわざやって来た、日本サポーターの小グループを無視して通り過ぎて行ったそうだ。
「すこし傲慢に見えたね」とフォルフォーセン。
私も、このような例を代表チームで、とくにアウェーで見たことがある。2000人ぐらいの「代表ダイハード」な人々(ちょっと待って、このフレーズはマーケティング的な価値があるかもしれない…商標登録しておいたほうが良いかもしれない!)が、多額のお金を払い、長い距離を旅して、ボーイズ・イン・ブルーを応援しに来ているのに、試合後にはあっさり無視されるのである。
選手たちはどうしてサポーターたちのところに駆け寄り、手を振らないのかと不思議に思うことがよくある。おみやげの1つや2つ、投げてやってもいいじゃないか。
ツネのストッキングや俊輔のシンパッド、ヒデの手袋…JFA(日本サッカー協会)なら、彼らの少しの出費を補填してやるなんて簡単なことだ!
もちろん、フォルフォーセンはすべての選手がそうだと言っているのではないし、例外もあるだろう。彼は第一印象を一般化して話しているだけで、良い点をついていると私も認めざるをえない。

Jリーグの試合後、選手たちは結果(勝ち・負け・引き分け)に関わらず、ファンに儀礼的におじぎをするが、もっと感謝の念や感情を表に出しても良いのにと感じる。
「サポーターを尊敬しなければならない」とフォルフォーセンは言う。「サポーターがいなければ、プロサッカーは存続できないのだから」。
さあ、選手たちよ…。次の機会には本当にファンのことを思っていることを示し、ファンにストッキングや手袋を投げてやってくれ――そうすれば、ファンはもう片方のストッキングや手袋をゲットして一揃いにするためにまたやって来るのだ!

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