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スタッブスの対抗措置

2006/03/30(木)

典型的な古いタイプのセンターハーフについて思いを馳せると、アラン・スタッブスのような選手が脳裏に浮かぶ。
このエバートンのベテランDFは常に誠心誠意のプレーする、生真面目な選手だが、最近、プレミアリーグの外国人選手について興味深いコメントをしたと報じられた。
要約すると、反則すれすれのずる賢いプレーが顕著に増えているのは外国からやって来た選手たちに責任がある。スタッブスはそう感じているようだ――それに、そうした傾向を食い止めるために、運営当局は迅速な対応をとるべきだとも考えているようだ。
スタッブスが語っているのは、私たちが毎週Jリーグで見ている類のもの、つまり、ダイビングしてFKやPKを勝ちとろうとする選手、負傷したふりをして時間稼ぎをする選手(土曜日のジュビロ対フロンターレ戦の終盤をチェックしてみると良い)、相手選手にイエローカードを与えるようレフェリーに要求する選手たちのことである。

「最近、我が国のサッカーには外国的なものが染み付いている」。リバプールとのマージーサイドダービーのあと、スタッブスはそう語った。
「外国人選手がプレミアシップに及ぼしている影響は、良いものがたくさんあるし、その逆もある」。

個人的には、スタッブスのような経験豊かで、正直なプロフェッショナルがはっきりと意見を述べてくれたのを嬉しく思う。そうでなくては、彼は将来、ばかげた振る舞いが見られる現在ではなく、古き良き時代――しかも、そんなに昔のことではない――を思い出すようになるだろう。
もっとも、スタッブスは外国人選手を槍玉に挙げているが、英国の選手だってダイブはしている。リー・ボウヤー(我が愛するニューカッスル・ユナイテッド所属)やチェルシーのショーン・ライト=フィリップスだって、そうした振る舞いをしているし、2002年のワールドカップでは、札幌のイングランド対アルゼンチン戦でアシュリー・コールが一目でわかるようなダイビングをするのを見て、いやな思いをしたものだ。
だから、このような現象は今に始まったことではないし、状況はさらに悪化しているのである。
選手自身もこのような振る舞いをやめさせるために行動を起こす必要があり、たとえば、痛くもないのになぜ寝転がっているのかと相手選手に尋ねてはどうかとスタッブスは言っている。
私も、ペナルティを得ようとダイブしたFWにDFが真情を吐露するのを見たい。

実は先日、このような例がセルティックでプレーする中村俊輔がダイブしたときにあったのだ。相手はハイバーニアンだったと思うが、俊輔がペナルティエリア周辺でダイブしたとき、2人の大柄なDFが俊輔をどやしつけたのである。
相手が欺瞞を働いているとわかったときには、日本人選手も同じような態度をとるべきだと私は思っている。インチキをするやつは叱り飛ばしてやれ! 恥をかかせてやれ! レフェリーを欺こうとしている行為をグラウンドの全員に知らしめてやれ!

レフェリーも厳しい態度で応対し、ピッチの半分の長さを走って負傷したふりをしている選手に駆け寄るのではなく、試合を進めるべきである。
相手選手にイエローカードを出させるために、カードをかざすジェスチャーをレフェリーに示す選手にも、スポーツマンらしくない振る舞いに対するイエローカードを出すべきである、とスタッブスは感じているようだ――私もまったく同感だ。
選手が正直に振る舞うようになれば、レフェリーという仕事がどれほど楽しいものになるか、想像してみて欲しい。
残念ながら、最近ではこのようなことは儚き望みとなっている。イングランドにおいても…。

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