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埼玉で見た「2つのハーフがある試合」

2006/03/09(木)

英語では、「2つのハーフがある試合」という言い方をよくする。
もちろん、どの試合も各45分のハーフで構成されているし、ノックアウトシステムでは、90分で決着がつかないと、さらに15分ずつのハーフが用意されている。
ここで言う「2つのハーフがある試合」とは、具体的に言うと、それぞれのハーフの内容がまったく異なっている試合ということ。サッカーではこんな試合がよくある。

土曜日の午後、大宮アルディージャがホームの埼玉スタジアム2002にジェフユナイテッドを迎えた試合も、そんな試合だった。
前半のジェフは素晴らしかった。それは、ときおり、自分は1974年のオランダ代表を観ているのではないかと思えるほど。斉藤はまるでクロルのようで、自陣のペナルティエリアで守備をしていたかと思うと、その1分後には相手ゴール前で攻撃に参加していた。阿部はニースケンス。チームを積極的に引っ張っていた。また、モジャモジャのブロンドではなかったけれど、巻はレップのようだった。

それじゃあ、クライフは誰かって?
残念ながら、クライフは唯一無二の存在(ペレとマラドーナのどちらが歴代最高の選手かと議論している、最近のFIFAのナンセンスぶりは一体何なのだろう? 最高はクライフに決まっている。その次はアラン・シアラーだろう…。この部分はもちろん、ニューカッスル・ユナイテッドのファンとしての見解だけどね)。

まあ、私はジェフの素晴らしさを大げさに表現しているのかもしれない。だって、1974年のオランダ代表なら、前半で大宮を完全に叩き潰していただろうし…それに今やっても同じことができるかもしれない(アルディージャファンの皆さん、ごめんなさい…軽いジョークですよ)。
ジェフは斉藤がファーサイドにカーブする素晴らしいゴールを決め先制したが、その直後、まずいディフェンスのせいで、コーナーキックから冨田にヘディングで同点弾を決められてしまった。

それから、巻がゴールを決めてジェフが再びリード…この時点で、試合が始まってまだ15分しか経過していなかった。
ジェフのショーは続き、古典的なオシムスタイルの、聡明で創造的で動き回るサッカーを披露していた。レッズ、マリノス、アントラーズ、ガンバ、それからジュビロの存在をとりあえず無視するとすれば、今シーズンの順位表のトップに立つのは、このチームしかないのではないか!しかし、それは前半のお話――覚えてらっしゃるだろうか? この試合は「2つのハーフがある試合」なのだ。

1時間を経過したあたりで、坂本のオウンゴール(ゼロックス・スーパーカップのガンバ戦で見せた、長谷部―坪井の連係弾ほど見事ではなかったが、大画面で繰り返し観る価値のあるものだった)で大宮が追いつく。それから、ジェフの崩壊が始まった。
佐藤勇人が小さなファウルを短い間に2回繰り返して――痛そうな素振りを見せた大宮の選手も情けないが――レッドカードをもらうと、その直後に小林大悟が若き日のカズのような俊敏さでヘディングシュートを決め3−2とし、大宮がこの試合で初めてリードを奪う。
悪いことは重なるもので、坂本のオウンゴール、勇人のレッドカードがあったが、大悟のヘディングが決まったのも、ハースがハムストリング(太もも裏)をさすりながらピッチの外に出た直後だった。

「彼も痛かったけれど、チームも痛かったのでは?」。私は試合後、オシムにたずねた。
「そうでしょうかね?」オシムは、微笑みながら、完全に意味ありげな様子で答えた。
ジェフの悲惨な午後を締めくくるように、トニーニョが大宮の4点目となるヘディングシュートを決め、オレンジ軍団(1974年のオランダではなく、2006年のアルディージャ)が試合を完全に掌握した。

さて、トータル・フットボールの話はこれくらいにしておこう!
J1で勝つには、ジェフは文字通りどの試合でも最大の力を発揮する必要がある。しかし、すでに勇人が出場停止、ハースは故障。
大宮から土屋をレンタル移籍で獲得したほうが良いかもしれない。もっとも、土屋はまだハーフ1回分しか出ていないわけだけれど…。

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