アビスパファン、まだまだこれからだ!
東京発(3月24日):トップリーグ昇格後、4試合まったく勝てないアビスパ福岡(皆さんがこのコラムを読む頃は5試合になっているかもしれない)だが、先週末の千葉戦では、彼らは非常にハングリーで生き生きとしていた。
事実、ジェフにとっては前半を1−1の同点で終えたのはとてもラッキーだったし、さらに言えば、試合を2−2の引き分けで終えたことはもっとラッキーだった。
アビスパはジェフのホームスタジアムであるフクダ電子アリーナ、略して“フクアリ”で勇敢に、そして自信満々に戦った。
90分を通してハイテンポで走り、パスを繰り出し続けたのだ。アビスパがフレッシュで、スピーディ、さらに大胆だった一方、その日のジェフは珍しくバラバラで無気力。リズムやモチベーションも欠けて見えた。
実際、ハーフタイムに入った時、“I said hey! What’s going on?”(ヘイ!一体どうしたんだ?)というコーラスの入ったキャッチーなポップミュージックが流れた。
彼らは心ここにあらずといった感じで、その時の私は「ヘイ!一体何をやっているんだ?ジェフユナイテッド!」という心境だった。
そう、ハーフタイムに、大胆な5−4−0のフォーメーションに整列した千葉のチアリーダーたちの方がよっぽどスムーズに動いていた。旗を持っていたにもかかわらず、だ。
しかし、ここはアビスパを褒めよう。彼らがこういうプレーを続けられれば、今シーズンのJ1で生き残ることができるはずだ。
「Jリーグのトップクラスのチームにあと一歩で勝てたのは、満足な結果だったのではないですか?」
試合後、私は答えを分かっていたがアビスパの松田浩監督に尋ねてみた。
彼は「そんなハズないでしょう。だって2回もリードしていたんですよ」と答えた。
松田監督は、両ハーフの終盤のミスは単純なものだったと言った。
「原因は、若くて経験の少ない選手が多いことですね」。彼はそう付け加えた。
「ロスタイムに入ってからは、いかに集中力を保つかがカギです」。
福岡を前夜9時に出発し、キックオフの2時間前の午後2時にグラウンドに到着したファンも少なくない。アビスパはファンからも多大なサポートを受けていると言って間違いない。
「私たちは3年かけてチームを作ってきました。私はチーム、戦術、4−4−2のシステム、そして攻守ともに自信を持っています」。
そう語る監督の言葉は、そんな熱狂的アビスパファンにとってとても心強いことだろう。
「このチームと戦術はJ1で十分通用すると思っています。ただ、選手個人の質は浦和レッズやガンバ大阪のように優れているわけではありません。ここまで3試合勝てていないのは、ただそれだけの理由です」。
松田監督はシーズン開幕からの3試合の引き分けについてそう話したが、アビスパはその後、ホームでグランパスにも0−1で敗れた。
アビスパにとってJ1残留に十分な明るい材料が千葉戦で見えたとはいえ、その自信を失わないためにも早く1勝が欲しいところだ。
ただ、皆さんがこのコラムを読む頃には、もう既に1勝しているかもしれませんね。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント