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レッズ対ジュビロ 〜土曜日はこうでなくちゃ!〜

2006/03/16(木)

サッカーが日本のスポーツシーンそして社会生活にどれほど浸透しているのかを、実感するときがある。
土曜日が、その一例だった。
埼玉スタジアム2002でのレッズ対ジュビロ戦。日本サッカー界で日の出の勢いにあるチームと、落日のチームの戦い。どうしても見逃せない一戦だ。
陽光きらめき、春の息吹が感じられる一日。グラウンドに向かう、大勢の浦和ファンに春もつられてやって来たようだった。
電車のなかはまさにカオス。ただし、楽しいカオス。いたるところに赤色があり、電車や駅の階段はあらゆる世代のファンでいっぱい。ワクワクした雰囲気があちこちにある。

大宮駅から浦和美園駅までには乗換えが2回あり、すんなりいったためしがないのだが、この日はさらにファンの進むペースが遅いため、より長い道のりとなった。
浦和美園駅で外気に触れ、離陸前のきらきら光る宇宙船のようなスタジアムの銀の輪郭が遠くで招いているのを見ると、ようやく速足で歩けるようになる。さまざまなレプリカ・ユニフォームを売っているキオスクを過ぎると、露店では試合前に食べる色々なスナックが売られている。
英国人としては、ドネルケバブ(大きな肉の塊を回転させながら焼く、トルコ料理)を見ると懐かしい気分になるが、列があまりにも長く、しかも料理の給仕が遅すぎるため、列に加わり、これ以上時間を延ばそうという気にはならない。

スタジアムに到着すると、広場は太陽の下でピクニックをする家族でぎっしり。三菱自動車が新しいモデルのプロモーションを行なっており、遠くにある公園と草の生い茂った土手はサッカーをする子供たちに占領されている。
そう、まさにサッカーの世界――しかも、ライバル関係にある2チームの対戦なのに、騒乱の兆しもない(日本人の読者の方々は、私がなぜこんなことを指摘するのか不思議に思われるかもしれない。しかし、私が育ってきたのは70年代のイングランドであることを忘れないで欲しい。あのころは、どの試合でも、電車の駅やバス・ステーションの1歩外に出た瞬間から試合後に家の近くの駅に帰り着くまで、バイオレンスな雰囲気が満ち満ちていたのである!遠くで聞こえる警察のサイレン、犬の咆哮、叫び声、あちこちを走り回って他の人々をパニックに陥れる連中…彼らが走り回っていたのはトラブルを起こすためだったのか、それともトラブルを回避するためだったのか? それは今もわからない)。
だから、何年経っても日本の雰囲気は私にとって新鮮で、そして特別だ。明るくさわやかで楽しい。

報道受付けのデスクに向かってスタジアム内を歩き回っていると、アウェー用のコーナーで、ジュビロファンが「ヨシカツ・コール」を始めていた。おそらく、川口と仲間のキーパーたちが試合前の練習に現れたのだろう。レッズファンがブーイングやヤジで応戦する…素晴らしい!
キックオフが近づくと、スタジアムが壮大な舞台となった。陽射しのなか、ジュビロの熱烈な信者がかざすスカイブルーのライン以外は、客席全体が赤で覆われ、5万6000人以上の人々が試合開始を待っている。
そう、土曜日の午後はこうでなくちゃ。

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