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2006年3月

スタッブスの対抗措置

2006/03/30(木)

典型的な古いタイプのセンターハーフについて思いを馳せると、アラン・スタッブスのような選手が脳裏に浮かぶ。
このエバートンのベテランDFは常に誠心誠意のプレーする、生真面目な選手だが、最近、プレミアリーグの外国人選手について興味深いコメントをしたと報じられた。
要約すると、反則すれすれのずる賢いプレーが顕著に増えているのは外国からやって来た選手たちに責任がある。スタッブスはそう感じているようだ――それに、そうした傾向を食い止めるために、運営当局は迅速な対応をとるべきだとも考えているようだ。
スタッブスが語っているのは、私たちが毎週Jリーグで見ている類のもの、つまり、ダイビングしてFKやPKを勝ちとろうとする選手、負傷したふりをして時間稼ぎをする選手(土曜日のジュビロ対フロンターレ戦の終盤をチェックしてみると良い)、相手選手にイエローカードを与えるようレフェリーに要求する選手たちのことである。

「最近、我が国のサッカーには外国的なものが染み付いている」。リバプールとのマージーサイドダービーのあと、スタッブスはそう語った。
「外国人選手がプレミアシップに及ぼしている影響は、良いものがたくさんあるし、その逆もある」。

個人的には、スタッブスのような経験豊かで、正直なプロフェッショナルがはっきりと意見を述べてくれたのを嬉しく思う。そうでなくては、彼は将来、ばかげた振る舞いが見られる現在ではなく、古き良き時代――しかも、そんなに昔のことではない――を思い出すようになるだろう。
もっとも、スタッブスは外国人選手を槍玉に挙げているが、英国の選手だってダイブはしている。リー・ボウヤー(我が愛するニューカッスル・ユナイテッド所属)やチェルシーのショーン・ライト=フィリップスだって、そうした振る舞いをしているし、2002年のワールドカップでは、札幌のイングランド対アルゼンチン戦でアシュリー・コールが一目でわかるようなダイビングをするのを見て、いやな思いをしたものだ。
だから、このような現象は今に始まったことではないし、状況はさらに悪化しているのである。
選手自身もこのような振る舞いをやめさせるために行動を起こす必要があり、たとえば、痛くもないのになぜ寝転がっているのかと相手選手に尋ねてはどうかとスタッブスは言っている。
私も、ペナルティを得ようとダイブしたFWにDFが真情を吐露するのを見たい。

実は先日、このような例がセルティックでプレーする中村俊輔がダイブしたときにあったのだ。相手はハイバーニアンだったと思うが、俊輔がペナルティエリア周辺でダイブしたとき、2人の大柄なDFが俊輔をどやしつけたのである。
相手が欺瞞を働いているとわかったときには、日本人選手も同じような態度をとるべきだと私は思っている。インチキをするやつは叱り飛ばしてやれ! 恥をかかせてやれ! レフェリーを欺こうとしている行為をグラウンドの全員に知らしめてやれ!

レフェリーも厳しい態度で応対し、ピッチの半分の長さを走って負傷したふりをしている選手に駆け寄るのではなく、試合を進めるべきである。
相手選手にイエローカードを出させるために、カードをかざすジェスチャーをレフェリーに示す選手にも、スポーツマンらしくない振る舞いに対するイエローカードを出すべきである、とスタッブスは感じているようだ――私もまったく同感だ。
選手が正直に振る舞うようになれば、レフェリーという仕事がどれほど楽しいものになるか、想像してみて欲しい。
残念ながら、最近ではこのようなことは儚き望みとなっている。イングランドにおいても…。

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アビスパファン、まだまだこれからだ!

2006/03/27(月)

東京発(3月24日):トップリーグ昇格後、4試合まったく勝てないアビスパ福岡(皆さんがこのコラムを読む頃は5試合になっているかもしれない)だが、先週末の千葉戦では、彼らは非常にハングリーで生き生きとしていた。
事実、ジェフにとっては前半を1−1の同点で終えたのはとてもラッキーだったし、さらに言えば、試合を2−2の引き分けで終えたことはもっとラッキーだった。

アビスパはジェフのホームスタジアムであるフクダ電子アリーナ、略して“フクアリ”で勇敢に、そして自信満々に戦った。
90分を通してハイテンポで走り、パスを繰り出し続けたのだ。アビスパがフレッシュで、スピーディ、さらに大胆だった一方、その日のジェフは珍しくバラバラで無気力。リズムやモチベーションも欠けて見えた。
実際、ハーフタイムに入った時、“I said hey! What’s going on?”(ヘイ!一体どうしたんだ?)というコーラスの入ったキャッチーなポップミュージックが流れた。
彼らは心ここにあらずといった感じで、その時の私は「ヘイ!一体何をやっているんだ?ジェフユナイテッド!」という心境だった。
そう、ハーフタイムに、大胆な5−4−0のフォーメーションに整列した千葉のチアリーダーたちの方がよっぽどスムーズに動いていた。旗を持っていたにもかかわらず、だ。

しかし、ここはアビスパを褒めよう。彼らがこういうプレーを続けられれば、今シーズンのJ1で生き残ることができるはずだ。
「Jリーグのトップクラスのチームにあと一歩で勝てたのは、満足な結果だったのではないですか?」
試合後、私は答えを分かっていたがアビスパの松田浩監督に尋ねてみた。
彼は「そんなハズないでしょう。だって2回もリードしていたんですよ」と答えた。
松田監督は、両ハーフの終盤のミスは単純なものだったと言った。
「原因は、若くて経験の少ない選手が多いことですね」。彼はそう付け加えた。
「ロスタイムに入ってからは、いかに集中力を保つかがカギです」。

福岡を前夜9時に出発し、キックオフの2時間前の午後2時にグラウンドに到着したファンも少なくない。アビスパはファンからも多大なサポートを受けていると言って間違いない。
「私たちは3年かけてチームを作ってきました。私はチーム、戦術、4−4−2のシステム、そして攻守ともに自信を持っています」。
そう語る監督の言葉は、そんな熱狂的アビスパファンにとってとても心強いことだろう。
「このチームと戦術はJ1で十分通用すると思っています。ただ、選手個人の質は浦和レッズやガンバ大阪のように優れているわけではありません。ここまで3試合勝てていないのは、ただそれだけの理由です」。
松田監督はシーズン開幕からの3試合の引き分けについてそう話したが、アビスパはその後、ホームでグランパスにも0−1で敗れた。

アビスパにとってJ1残留に十分な明るい材料が千葉戦で見えたとはいえ、その自信を失わないためにも早く1勝が欲しいところだ。
ただ、皆さんがこのコラムを読む頃には、もう既に1勝しているかもしれませんね。

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発展途上の監督・ガーロが得た教訓

2006/03/23(木)

万全を期したと監督が思ったそのときに、何もかもがガラガラと崩れてしまうことがある!
火曜日の午後、等々力陸上競技場で行なわれた川崎フロンターレ対FC東京戦で、その実例が見られた。試合自体は、とても見ごたえがあったが、結果は2−2のドローに終わった。
引き分けという結果は妥当なものだったが、就任1年目のアレッシャンドレ・ガーロ監督の見事な選手起用により後半に息を吹き返したFC東京が、勝利をほぼ手中にしていたように見えた試合でもあった。
前半は1−0でフロンターレがリード。そこで、ガーロは動かなければならないと判断した。

ガーロは、危険なジュニーニョをマンマークするために、魅力的な若手MF伊野波を起用。その結果、バックには茂庭とジャーンの2人だけが残ることになった。
さらにガーロは2人のフルバックを前に押し上げ、右サイドの徳永と左サイドの鈴木にはさらに前に上がり攻撃をするよう指示、2人はある程度攻撃的にプレーした。
そして、私の大好きな選手の1人で、ドイツワールドカップの日本代表に選ばれないのが残念というか、個人的には不思議に思える今野は少し引き気味になり、ディフェンスを支援した。

ジャーンが飛び込みながら頭で合わせ、同点シュートを決めたあと、右サイドで徳永(なんて良い選手なのだろう!)が価値ある仕事をし、ジュビロからやって来た侵略者・川口が巧妙なゴールを決め、東京が2−1と逆転。
この時点では、ガーロの戦術的な選手交代は文句なしの満点。後半、ゴール裏で飛び跳ねる大勢のファンに向かって攻め上がるFC東京が勝点3をほぼ手中に収めているように見えた。

しかしその後、残念なことに、ガーロはすべてを台無しにしてしまった。ガーロは疲れの見えたMF宮沢に代えDF増嶋を起用、伊野波を中盤の中央の位置に下げた。この時点で、残りはわずか5分程度。試合の残り時間は増嶋がジュニーニョの面倒を見ればよいとガーロが考えていたのは明らかだ。
このとき、FC東京がばらばらになった。伊野波はジュニーニョのマークという仕事を見事にこなし、茂庭とジャーンの負担を軽減していたが、終盤に交代で入って来た選手が試合の流れについて行くのは簡単ではない。相手がジュニューニョとなれば、それはさらに厄介だ! 俊敏なブラジル人選手はチャンスを見つけると、MF中村と二度にわたってパスを交換し、これまた見事な中村の同点ゴールを演出した。

振り返ってみれば、ガーロに他の選択肢があったのは間違いない。おそらく、増嶋にはむしろ中盤で今野と並んでプレーするよう指示し、伊野波に引き続きジュニーニョのマークをさせれば良かったのだろう。
全体的には、すでにとても戦術的な戦いとなっており、ジュニーニョが試合の終盤にわずかではあるが、彼には十分といえるスペースを利用し、その能力を見せつけたのである。

38歳のガーロは監督としてはまだ若く、今はまだ自分のチームの選手のことを学んでいる段階である。
ガーロにとって、等々力での経験は今後の教訓となるだろう。最後の交代までは、とてもうまくいっていたのだから。

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京都の紫の悪夢

2006/03/20(月)

3月17日発:新シーズンがスタートしてまだ2試合。しかし、京都パープルサンガにとって、物事は良い方向に進んでないようだ。
2戦2敗、しかも惨敗。また、最初のホームゲームだというのに観衆は8000人にも満たなかった。
もちろん、軌道修正する時間はまだ十分ある。しかしJ2から昇格したチームの誰もが恐れ、避けたい状況がまさにこれだ。

シーズンが始まる前から、京都は選手層が薄く、経験も浅いようには見えていた。 2005年にJ2優勝を果たした選手達との約束を守った、柱谷幸一監督がオフの間に行なった補強はわずかに二人。ジェフのストライカー林、そしてガンバのDF児玉だ。
開幕試合をアウェーで、横浜F・マリノスと戦うということは簡単なことではない。岡田武史監督率いるマリノスは京都のキーパーのまずさも手伝い4−1で快勝した。
そして次はホームでの川崎フロンターレ戦。両者がJ2で戦ったのはそんなに昔ではない。しかし今回はJ1で、西京極で対戦し、フロンターレが7−2で大勝した。
フロンターレが2試合で挙げたゴールは13。一方、京都は得失点差マイナス8の11失点。言うまでもなく、この体たらくではJ1最下位も当然。京都は18位と最下位で他のチームから大きく水をあけられている。

私は京都の2試合をいずれも観戦していないが、テレビのスポーツニュースでハイライトは見た。
ディフェンスは悲惨な状態で、特にフロンターレとのホームゲームでは、川崎のフォワード陣は何の抵抗もなくまるでシュートコンテストのように易々と攻撃を展開していた。
こんなシーンを以前から見せられている京都ファンは、まことに気の毒だとしか言いようがない。
フロンターレ戦に来たサポーターはわずか7921人だったとはいえ、京都ファンのすべてがスタジアムにすぐに戻ってくることを期待するのは難しい。

土曜日にジュビロとアウェーで戦った後、京都は春分の日の夜にサンフレッチェ広島と対戦する。
サンフレッチェは小野剛監督のもと着々と力をつけてきた。この一戦は京都にとってJ1定着を確実にするための厳しいテストとなるだろう。
京都は少しでも早くJ1に適応し、自信を得る努力をすべきだろう。長いシーズンでこんなに早く、大きく出遅れている余裕はない。

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レッズ対ジュビロ 〜土曜日はこうでなくちゃ!〜

2006/03/16(木)

サッカーが日本のスポーツシーンそして社会生活にどれほど浸透しているのかを、実感するときがある。
土曜日が、その一例だった。
埼玉スタジアム2002でのレッズ対ジュビロ戦。日本サッカー界で日の出の勢いにあるチームと、落日のチームの戦い。どうしても見逃せない一戦だ。
陽光きらめき、春の息吹が感じられる一日。グラウンドに向かう、大勢の浦和ファンに春もつられてやって来たようだった。
電車のなかはまさにカオス。ただし、楽しいカオス。いたるところに赤色があり、電車や駅の階段はあらゆる世代のファンでいっぱい。ワクワクした雰囲気があちこちにある。

大宮駅から浦和美園駅までには乗換えが2回あり、すんなりいったためしがないのだが、この日はさらにファンの進むペースが遅いため、より長い道のりとなった。
浦和美園駅で外気に触れ、離陸前のきらきら光る宇宙船のようなスタジアムの銀の輪郭が遠くで招いているのを見ると、ようやく速足で歩けるようになる。さまざまなレプリカ・ユニフォームを売っているキオスクを過ぎると、露店では試合前に食べる色々なスナックが売られている。
英国人としては、ドネルケバブ(大きな肉の塊を回転させながら焼く、トルコ料理)を見ると懐かしい気分になるが、列があまりにも長く、しかも料理の給仕が遅すぎるため、列に加わり、これ以上時間を延ばそうという気にはならない。

スタジアムに到着すると、広場は太陽の下でピクニックをする家族でぎっしり。三菱自動車が新しいモデルのプロモーションを行なっており、遠くにある公園と草の生い茂った土手はサッカーをする子供たちに占領されている。
そう、まさにサッカーの世界――しかも、ライバル関係にある2チームの対戦なのに、騒乱の兆しもない(日本人の読者の方々は、私がなぜこんなことを指摘するのか不思議に思われるかもしれない。しかし、私が育ってきたのは70年代のイングランドであることを忘れないで欲しい。あのころは、どの試合でも、電車の駅やバス・ステーションの1歩外に出た瞬間から試合後に家の近くの駅に帰り着くまで、バイオレンスな雰囲気が満ち満ちていたのである!遠くで聞こえる警察のサイレン、犬の咆哮、叫び声、あちこちを走り回って他の人々をパニックに陥れる連中…彼らが走り回っていたのはトラブルを起こすためだったのか、それともトラブルを回避するためだったのか? それは今もわからない)。
だから、何年経っても日本の雰囲気は私にとって新鮮で、そして特別だ。明るくさわやかで楽しい。

報道受付けのデスクに向かってスタジアム内を歩き回っていると、アウェー用のコーナーで、ジュビロファンが「ヨシカツ・コール」を始めていた。おそらく、川口と仲間のキーパーたちが試合前の練習に現れたのだろう。レッズファンがブーイングやヤジで応戦する…素晴らしい!
キックオフが近づくと、スタジアムが壮大な舞台となった。陽射しのなか、ジュビロの熱烈な信者がかざすスカイブルーのライン以外は、客席全体が赤で覆われ、5万6000人以上の人々が試合開始を待っている。
そう、土曜日の午後はこうでなくちゃ。

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チャンピオンズリーグ・アジアスタイル

2006/03/13(月)

3月10日発:先日のアジアチャンピオンズリーグ(CL)、蔚山戦でのヴェルディファンの揺ぎない応援は素晴らしかった。
敗戦が確実になっても90分間眠ることなく、歌い続けたその応援は実に感動的。しかし、あまりにも観衆が気の毒だったのではないだろうか?

アジアCLは、欧州チャンピオンズリーグのアジア版であるはずだ。しかし、そうなるのはまだまだ先の話だろう。
ヴェルディ対蔚山戦の当日、私は珍しく早朝に目が覚めた。
目覚ましのアラームが鳴るかなり前に私を起こしたのは、国立競技場で行なわれる“世紀の一戦”への興奮や緊張感であるはずがなかった。何か、他に虫の知らせでもあったに違いない。
無意識にテレビをつけた私の目に飛び込んできたのは、チェルシー戦でのロナウジーニョの素晴らしいゴールシーンだった。
何と言う色彩、スペクタクル、そして環境なのだろう…アジアCLにも、こんなものが叶う日は来るのだろうか?

現実を見よう。(ヴェルディ対蔚山戦のような)こうした試合は見るのは不愉快きわまりないと言わざるを得ない。なぜ、わざわざこんな試合を見に来なくてはならないのか?家で皿を洗ったり、もっと有意義に時間を使えるのではないかと思ってしまうのだ。
他国のクラブと対戦するということは、果たしてこの言葉が正しいのかはともかくとして、私を“おびき寄せる”はずのものではないだろうか。
しかしこうした試合、少なくとも日本で行なわれる試合については、ホームチームが強すぎる。もしくはアウェーチームが日本チームを何とか止めようと思いつく限りのトリックを使ってくる。
いずれにしても、ほとんどの試合はまるで茶番。時間稼ぎやチーティングなど程度の低いプレーに満ちた、見るに耐えないものになる。

例えば水曜日の試合では、韓国の選手達はことあるごとにグラウンドに倒れ、しかもたいがい大げさな叫び声を出していた。できればもう一度テレビのリプレーでこれらの疑わしいファウルの数々を見たいものだ。少なからずそれらのファウルについてはボディーコンタクトがまったくなかったか、最少だったように見えた。
そしてアウェーチームがリードするや否や、これらの猿芝居はますます酷くなっていった。

この世界の悪い部分である。しかし西アジアにいくと更に悪くなる。最も多く目にするのはゴールキーパーが怪我したフリをすることだ。コーナーキック、フリーキック、競り合いの度に倒れこむ。ゴールキーパーがピッチで転がるなか、他の選手達はレフェリーや対戦相手に試合を止めるようプレッシャーをかける。そしてこれらの見え透いた茶番が試合終了まで続くのだ。
韓国のプサンで行なわれた2002年のアジア大会で、パレスチナが日本に対してこうした手を使った。できるだけ長く0−0のまま試合を引っ張ろうとしたのだ。後半に入り日本がリードを奪うと、さすがのパレスチナもようやくサッカーを始めた。同点に追いつくためにはゴールが必要だからだ。もちろん彼らは練習でもそんな事はやったことがなかったはずだ。

ヴェルディ0−2蔚山、観衆4436人。これは韓国での観衆を考えると悪くない数字だ。
さて、ラモス監督と選手は別として、5月3日に行なわれる第2戦を見に蔚山へ行こうっていう人はいますか?
私はおそらく、日本に残って皿洗いをしているでしょうね。

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埼玉で見た「2つのハーフがある試合」

2006/03/09(木)

英語では、「2つのハーフがある試合」という言い方をよくする。
もちろん、どの試合も各45分のハーフで構成されているし、ノックアウトシステムでは、90分で決着がつかないと、さらに15分ずつのハーフが用意されている。
ここで言う「2つのハーフがある試合」とは、具体的に言うと、それぞれのハーフの内容がまったく異なっている試合ということ。サッカーではこんな試合がよくある。

土曜日の午後、大宮アルディージャがホームの埼玉スタジアム2002にジェフユナイテッドを迎えた試合も、そんな試合だった。
前半のジェフは素晴らしかった。それは、ときおり、自分は1974年のオランダ代表を観ているのではないかと思えるほど。斉藤はまるでクロルのようで、自陣のペナルティエリアで守備をしていたかと思うと、その1分後には相手ゴール前で攻撃に参加していた。阿部はニースケンス。チームを積極的に引っ張っていた。また、モジャモジャのブロンドではなかったけれど、巻はレップのようだった。

それじゃあ、クライフは誰かって?
残念ながら、クライフは唯一無二の存在(ペレとマラドーナのどちらが歴代最高の選手かと議論している、最近のFIFAのナンセンスぶりは一体何なのだろう? 最高はクライフに決まっている。その次はアラン・シアラーだろう…。この部分はもちろん、ニューカッスル・ユナイテッドのファンとしての見解だけどね)。

まあ、私はジェフの素晴らしさを大げさに表現しているのかもしれない。だって、1974年のオランダ代表なら、前半で大宮を完全に叩き潰していただろうし…それに今やっても同じことができるかもしれない(アルディージャファンの皆さん、ごめんなさい…軽いジョークですよ)。
ジェフは斉藤がファーサイドにカーブする素晴らしいゴールを決め先制したが、その直後、まずいディフェンスのせいで、コーナーキックから冨田にヘディングで同点弾を決められてしまった。

それから、巻がゴールを決めてジェフが再びリード…この時点で、試合が始まってまだ15分しか経過していなかった。
ジェフのショーは続き、古典的なオシムスタイルの、聡明で創造的で動き回るサッカーを披露していた。レッズ、マリノス、アントラーズ、ガンバ、それからジュビロの存在をとりあえず無視するとすれば、今シーズンの順位表のトップに立つのは、このチームしかないのではないか!しかし、それは前半のお話――覚えてらっしゃるだろうか? この試合は「2つのハーフがある試合」なのだ。

1時間を経過したあたりで、坂本のオウンゴール(ゼロックス・スーパーカップのガンバ戦で見せた、長谷部―坪井の連係弾ほど見事ではなかったが、大画面で繰り返し観る価値のあるものだった)で大宮が追いつく。それから、ジェフの崩壊が始まった。
佐藤勇人が小さなファウルを短い間に2回繰り返して――痛そうな素振りを見せた大宮の選手も情けないが――レッドカードをもらうと、その直後に小林大悟が若き日のカズのような俊敏さでヘディングシュートを決め3−2とし、大宮がこの試合で初めてリードを奪う。
悪いことは重なるもので、坂本のオウンゴール、勇人のレッドカードがあったが、大悟のヘディングが決まったのも、ハースがハムストリング(太もも裏)をさすりながらピッチの外に出た直後だった。

「彼も痛かったけれど、チームも痛かったのでは?」。私は試合後、オシムにたずねた。
「そうでしょうかね?」オシムは、微笑みながら、完全に意味ありげな様子で答えた。
ジェフの悲惨な午後を締めくくるように、トニーニョが大宮の4点目となるヘディングシュートを決め、オレンジ軍団(1974年のオランダではなく、2006年のアルディージャ)が試合を完全に掌握した。

さて、トータル・フットボールの話はこれくらいにしておこう!
J1で勝つには、ジェフは文字通りどの試合でも最大の力を発揮する必要がある。しかし、すでに勇人が出場停止、ハースは故障。
大宮から土屋をレンタル移籍で獲得したほうが良いかもしれない。もっとも、土屋はまだハーフ1回分しか出ていないわけだけれど…。

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J2、J1、開幕週のお楽しみ

2006/03/06(月)

今週末はJリーグにとって特別な週末だ。
単に、新たなシーズンの開幕日だからではない。今シーズンから、J2は土曜日に、そしてJ1は日曜日に試合を行なうことになる。
ただし、土曜に吹田市で激突するガンバ対レッズ戦は別である。

まるでJ1を土曜日に、そしてJ2を日曜日に開催していた古き良き日が帰ってきたようだ。当時、ファンたちは週末に2ゲームを観戦できたものだった。
土曜日に行なわれる関東での試合を1試合選び、そして翌日にJ2に目を向ける。こんな感じで私は楽しんでいた。

個人的にJリーグはそういう形式に戻した方が良いと思う。
もちろん、J1の数試合は日曜日に開催すれば良いだろう。特に関東ではチーム数が多いからだ。ただし、基本的に週末の2日目はJ2の試合日とする。
こうすることによってJ2もメディアの注目を集めやすいし、より多くの観客を呼べる。特定のチームのファンではない人たちは間違いなく、J2よりJ1の試合へ行くだろう。
もし毎週日曜日にJ2の6試合が行なわれ、J1は1〜2試合しかないとしたら、サッカーファンがJ2の試合に足を運んでくれる可能性は高くなるのではないだろうか。

となると、今週末の関東エリアのサッカーファンたちはどこへでかけるだろう?吹田まで行くのはお金もかかるのでガンバ対レッズ戦は問題外だ(貧乏なフリーのサッカーライターのための寄付は喜んでお受けしたい)。
他にはと言うと、愛媛か鳥栖か。
いやいや、どちらも沖縄や台北からの方が近かったりするのかな?
となると、レイソルかヴェルディだな。

柏ゴール裏の“イエローモンキー”はいつ見ても楽しい(いやレイソルのサッカーだってそうだ)。そして彼らの土曜日の対戦相手、湘南ベルマーレはJリーグの中でも最も美しいストライプ、ロイヤルブルーとライムグリーンを身にまとう(安藤美姫も次に滑る時はベルマーレストライプの衣装を着てみてはどうだろう。もちろんブーツとスネ当てとまではいかないだろうけれど・・・)。

一方、国立でヴォルティスと対戦するかつての強豪ヴェルディの試合は、これまた見ものだ。
ラモス、柱谷、都並、そして菊池が揃った(しかもベンチに!)ヴェルディは以前のような王者に見える。
彼らはコーチングスタッフ獲得にかなりの額を費やしたことだろう。しかし埼玉県に移った両小林を含む昨シーズンのほとんどの選手がチームを離れた今、チームに選手は残っているのだろうか?
読者の皆さん、どの試合を見るかはともかくとして、どうぞ週末を楽しんでください。そして是非私への寄付もお忘れなく(コインでなく、できれば5000円札以上でね!)。

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グランパス新監督が望む、玉田の復活

2006/03/02(木)

1993年のJリーグ発足をイングランドで最も有名な選手(ゲリー・リネカー)とともに迎え、その後、モダンサッカーの偉大な監督の1人(アーセン・ベンゲル)が指揮を執ったクラブだというのに、名古屋グランパスエイトは、J1で忘れ去られたチームとなってしまった。
トヨタから寛大な支援を受けているにもかかわらず、グランパスは自分たちよりはるかに小さい財務リソース、選手層そしてファンベースしか持たないクラブにも遅れをとるようになってしまった。
総括すれば、グランパスは非常に寂しい状態で2005年を終えた。順位は屈辱的な14位。優勝請負人のブラジル人監督、ネルシーニョが去ったのはずいぶん前のこと。今度はオランダ人のセフ・フェルホーセン氏が監督に就任し、グランパスの建て直しを担うことになった。

先週末に東京で行なわれたJリーグの毎年恒例の記者向け懇談会で、立派過ぎると言えなくもない口ひげを生やしたセフ・フェルホーセンと楽しく話す機会があった。
当然かもしれないが、フェルホーセンは新シーズンを間近にして気分が高揚しており、選手たちはとてもやる気に満ちていると語った。実際には、あまりにもやる気がありすぎ、シーズン前に故障者が何人か出てしまっていた。
負傷者リストには、歴戦の兵(つわもの)秋田豊、いつも若々しい藤田俊哉、それからベルギーのクラブ・ブルージュから移籍してきたスロバキア人のマレク・スピラールが名を連ねているが、フェルホーセンは、医療スタッフに全幅の信頼を寄せていると話していた。どうやら、すでにみんなが回復していることを知っているようだ。

それから話題はころっと変わり、「玉田圭司! 玉田圭司! 玉田圭司、ウォーーー!」というふうになった(読者には申し訳ないが、そのときは自分が日立柏サッカー場にいるのかと思った)。もちろん、玉田は降格したレイソルから、およそ3億円の移籍金――ええと、これは、私がこの移籍契約の関係者から聞いた額――でグランパスに入団した。
私はここ2、3年ほど玉田の大ファンだったが、最近は見解が変わってきた。私の、そしておそらくジーコの見解では、玉田は名古屋で再び実力を証明しなければならない。そのときというのはもちろん、彼が完全に復調したときである。

私は、パスコースに駆け出し、ディフェンダーと対峙し、あの素敵な左足でゴールを決める、ハングリーでエネルギーに満ちた玉田が見たいのだ。彼の不調と自信の欠如がレイソル全体に波及したように思えるが、玉田――それに柏――は、それぞれに異なった場所で再スタートをきることができるようになった。
「彼のことは大事に扱わなければならない」とフェルホーセンは言う。「カギを握る選手だし、彼が普通のレベルに戻るための時間を与えなければならない。」
「昨シーズンは、玉田にとって最高のシーズンというわけでもなかったようだが、もともと高い資質を持ったとても素晴らしいストライカーだったのだから、すぐに素晴らしい状態に戻るだろう」。

グランパスはJリーグ創設時の10チームの1つで、Jリーグにとって重要なクラブ。Jリーグは『強いグランパス』を求めているのだ。だからフェルホーセンには、斬新な手法と楽観主義でチームを一変させてもらいたい。
それに、グランパスファンは柏で作られた「玉田圭司」応援歌を口ずさむのをずっと楽しみにしているかもしれない。なんたって、あれはJリーグでも屈指の素晴らしい歌なんだから!!

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