やっぱり久保に期待
数ヶ月前の久保竜彦は、ワールドカップの日本代表を目指す競争から脱落したかのように見えていた。
しかし、新しい年がやってくるとともに、ジーコにその存在感を改めて見せつけるチャンスがやってきた。
今週、サンフランシスコで米国と親善試合を戦う日本代表には、ヨーロッパ組のストライカーが含まれていない。そのため、久保には自身の復調とチームにとっての価値をアピールする舞台が与えられたのである。
体調が万全なら、久保には何か特別なもの、何か違うものが、確かにある。
あらゆる日本人フォワードのなかでも、久保は空中戦で抜群の強さを誇っており、高いジャンプを持つ彼はつねに相手マーカーの脅威となっている。
また、フィジカルも強く、しかもペナルティエリア内を遠慮なく動き回るため、そのふてぶてしいプレースタイルはディフェンダーにとっては悩みの種である。
地上戦での久保は、予測不可能だ。次に何をするつもりなのか全く読めないのである。こんなありえないような位置から、強烈な左足でシュートを打つつもりなのか? あるいはパス? それともドリブルか?
久保の復帰により、ジーコは強固な相手ディフェンスの鍵を開く人物を手に入れることになる。また、今でも私は、2002年ワールドカップの代表選考で西澤ではなく久保を選ばなかったのはトルシエのミスだったと感じている。
日本のストライカーのリストを一覧すれば、ドイツ行きの席はまだ十分に余裕がある。鈴木、柳沢、高原、そして久保は、いずれも3−4−2−1の1トップとしてプレーできるが、もし久保の体調が良いことがわかり、しかも何点かゴールを決めたなら、久保の代表入りの可能性は大きくなるだろう。
これまで、私は久保を代表候補としては考えていなかった。その理由は、久保は故障のカタログのような状態で、2004年の9月以来、代表でプレーしていなかったからというだけに過ぎない。
久保がクラブそして代表で普通にプレーできるというなら話は別だ。そうなれば、久保には確実に代表の座が与えられなければならない。
当面は、センターフォワードとして先発する2人は(鈴木)隆之と柳沢、控えは大黒と大久保という考えを変えないつもりだが、サッカーでは、あらゆることが一瞬にして変わってしまうこともある。
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