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オシムの的外れな批判

2006/02/13(月)

ジェフユナイテッドのイビチャ・オシム監督のコメントは、いつも傾聴に値する。ただし、今週、中田英寿と中村俊輔を批判したのは少しやりすぎではないかと思う。
クロアチアの新聞のインタビューは、日本のメディアおよび日本の英字紙でもとりあげられたが、そのなかでオシムは、中田と中村はあまり働いていない、と発言したのである。
「ジーコは、中田と中村のせいで苦しむだろう。2人はクラニチャルのようには走らず、ボールを持つだけ」という、オシムの発言が引用されていた。彼は、クロアチアのゲームメーカーで、ズラトコ・クラニチャル代表監督の息子ニコ・クラニチャルと日本のコンビを比較していた。

ところで、私は先日、香港でクラニチャルを2度見た。彼は、毎年行なわれるカールスバーグカップで、メンバー落ちのクロアチアチームに入ってプレーしていた。
まさしく、クラニチャルは完成されたテクニシャンで、エレガントなボールさばきを見せ、攻撃を加速させるようなショートパスを数多く送っていた。
しかし、ボールを奪われることも何回かあった。原因は主に不正確なパス。動きが緩慢に見えることもあった。香港まで随行してきたクロアチアの記者たちと彼について話し合ってみたが、息子の方のクラニチャルはまだこれからの選手、というのが結論だった。

私の意見にみんなが賛成してくれたのは嬉しかったが、もちろん、ドイツでベストメンバーのクロアチアチームに入れば、クラニチャルははるかに良く見えるだろう。
中田、中村との比較では、中田のほうがクラニチャルよりはるかに力感があり、プレーのテンポも速い。スタミナも中田の資質の1つなので、私には、オシム――私が大いに評価しているコーチ――がなぜ、中田はあまり走らないと考えたのか、不思議でならない。

俊輔については、存在感があるのは認めるが、中田のような持続力がない。スコットランドでも後半にしばしば交代させられるが、理由はそのあたりにあるのだ。
中村の才能はあらゆるところで垣間見られる。その技術、その視野、そのパス、そしてなによりそのワールドクラスのフリーキック。とくに、現在のサッカーではフリーキックを過小評価してはならない。最高レベルの試合では、1つのセットプレーで勝敗が決まる場合が多くあるからだ。

クロアチアの新聞のインタビューで、オシムはいくつか面白い発言もしていた。
たとえば、ジーコは新しい選手を使おうとせず、クラブで結果を出していない選手にこだわり、攻撃を重視するあまりディフェンスのバランスにあまり配慮しないと述べていたし、個人に責任を委ねるというジーコのポリシーは日本人の気質には合っていない、とも言っていた。
ただし、中田と中村があまり走らないというのは、的外れである。

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