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今でも鈴木には資質が十分ある

2006/01/16(月)

鈴木隆行が、再びヨーロッパのスポットライトを浴びている。レッドスター・ベオグラードが獲得を狙っているというのだ。
先年と同じレベルではないと言っても、このような有名なヨーロッパのチームから望まれるということは、一部の日本のサッカー通を驚かせるものかもしれない。しかしこれは、彼の資質を証明しているとも言える。
“隆行ファン”の私は、ジーコが彼を2006年ワールドカップ(W杯)の日本代表に選んでくれるであろうことを熱望している。
彼は素晴らしいチームプレーヤーだ。疲れ知らずでラインをリードし、ノンストップで走りディフェンダーを疲労させ、チームメートのためにスペースを作る。また、FKを獲得する術をよく知っている。こうした戦術は、私はどうしても好きになれないのだが、現代サッカーに必要不可欠となっている。

今日では、多くの試合がこうしたセットプレーによって決している。隆行がFKを獲得し、俊輔が蹴る。ドイツでは何が起こるかわからない。
批評家たちは、55試合で11ゴールという日本代表でのゴール率を指摘する。ストライカーとしての合格ライン“3試合に1ゴール”に程遠いと言うが、ゴールを挙げることは彼の主の役割ではないのだ。
私にとって、鈴木のゴールは“ボーナス”に近い。そして2つの素晴らしいゴールが脳裏にすぐ浮かぶ。
最初のゴールは2002年W杯の日本代表が挙げた最初のゴールだ。ベルギーの1点リードから1−1の同点に追いついた、あのゴールだ。
2つめは2004年、オマーンでのゴール。俊輔の左クロスをヘッドで押し込んだ、その試合唯一のゴールとなった決勝点だ。予選の決勝ラウンド進出を決定付けた、極めて重要なゴールと言っても良い。

彼はベルギーで活躍できなかった。それは事実だ。しかし、肉体的にも精神的にも、ヨーロッパでやっていけるだけのものは持っているし、フォワードラインに大きな影響を与えられると思う。
W杯まで数ヶ月となったいまの時点で日本を離れることは、彼の代表選出のチャンスに影響があるだろうか?
ジーコは彼のことを熟知しているし、代表の青い(アウェー用はアイボリー)ユニフォームを身に付けた彼が頼れる存在であることも知っている。個人的には、影響はないと思っている。
鈴木が再びヨーロッパを目指すことは、誰も責められない。彼は29歳。おそらく今回が、このレベルで自身を試す最後のチャンスとなるかもしれないのだから。

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