小笠原に与えられたチャンス
日本に帰るか、それともイングランドに残るか?その結果に関わらず小笠原満男はウェストハム・ユナイテッドで日本人選手の評価を上げてくることだろう。
アントラーズのプレーメイカーは、ただいま東ロンドンのチームでトライアル中。アラン・パデュー監督を早々に感心させたようだ。
小笠原の渡欧は一時的なものとみられているが、この世界では何が起こるかわからない。
彼はヨーロッパでプレーしたい。そして、ウェストハムには資金がある。
しかし、だからといってすぐに小笠原と契約するという訳ではない。プレミアリーグは世界的にも魅力があり、チームは世界中から選手を選べるのだ。
そして日本人選手は大きな問題を抱えている。そう、彼らは日本で高額の年俸をもらっており、代理人は相当額の契約を要求するということである。チームへの移籍金、契約金、さらに年俸や諸経費を加算していくとかなりの額になってしまう。
小笠原は、プレミアリーグで十分生き残っていけると思う。頭の良い選手だし、自分のことくらいうまくやるだろう。タックルは中田英寿ほどハードではないが荒っぽいプレーにも対応できるし、必要とあらば彼自身も恐れることなくハードなプレーをする。
イングランドでプレーするのに必要とされる能力も、精神的強さや体力的資質も持ち合わせている。
プレミアリーグではJリーグや代表の時ほどボールを持つ時間はなく、彼は多少なりともカルチャーショックを受けることだろう。
ボールを持ちすぎると相手ディフェンダーに潰されるし、イングランドではレフリーも試合の流れを止めることは少ないうえに、ケガをしていない選手にグズグズさせたり試合を止めたりさせることはない。
彼に合うチームにさえ入れれば、小笠原は成功できる。プレミアリーグに慣れるには、ウェストハムはほど良いレベルのチーム。彼は真剣だし、より高いレベルでプレーするチャンスを与えられるべきだ。何とか実現すれば良いなと思う。
今週の小笠原のトレーニングを見た後、ハマーズのパデュー監督は日本人選手の“活力”と“態度”についてコメントした。
小笠原はこれらをしっかり持ち合わせている。しかし彼はピッチでもっとこれらを見せていかなければならない。チームメイトに話しかけ、時には叫びながらコミュニケートしていく必要があるだろう。
言い換えれば、彼は静かすぎるのだ。基本的な英会話を早く学び、自身の考えを伝える自信を持つことが、海外での彼の可能性を実現するためのファーストステップ。
これは彼にとってサッカーをプレーする以外での最大の試練になるだろう。
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