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オランダで大きく成長した平山

2006/01/30(月)

1月27日発:日本のサッカーファン10人に、好きなストライカーは誰かと尋ねたなら、おそらく10通りの答えが返ってくることだろう。
中澤がいるディフェンス、中田英寿、中村、そして小野がいるミッドフィルダーと違い、日本には、誰もがすぐに思い浮かべるズバ抜けたフォワードがいない。
だからこそ、今なおワールドカップ日本代表FWの座は確定しておらず、平山相太にチャンスを与えようかという動きも出てきているのだ。

平山は現在、オランダ1部リーグのヘラクレスでプレーし、得点を挙げている。
ヨーロッパに移籍して以来、この痩身のストライカーは、アテネオリンピックの頃の未成熟でアンバランスだった頃から大きな進化を遂げている。
今ではバランスも良くキレも増し、空中戦でも地上戦でも得点を挙げている。

オリンピック予選の頃、彼を取り巻く報道は馬鹿げた熱気を帯びていた。ベンチに座っている時でさえ、テレビ各局は彼ばかりを追いかけていた。そんななか、私は彼の能力や可能性について心に留めていた。
正直なところ、プロリーグでの十分な経験もない彼は、オリンピック代表になるには早すぎると感じていた。
ハンドやオフサイドなどもよく犯していたし、時にあまりにも不器用にさえ見えた。だから、彼がプロの道ではなく筑波大学進学を決めた時には、平山の短いキャリアは終焉を迎えたように感じた。
それだけに、平山がヘラクレスと契約したのを知った時は非常に嬉しかった。そして、彼がプロ生活の中でどれだけ成長したかは誰もが認めるところだ。オランダリーグのコーチ陣、そして選手達の中での毎日の練習は、彼のサッカーを大きく成長させたし、今やチームメートやファンからも愛されているようだ。

このコラムを書いているいま現在、彼は7ゴールを挙げている。この調子を維持しつづけられたなら、例えば、2月末に行なわれるボスニア戦でドイツへ行くジーコ監督が、平山に注目する可能性は高い。彼がいるのはドイツからそう離れた場所ではないし、トレーニングキャンプに参加させ、そのプレーをじっくり見る事は、誰に悪影響を与えるわけでもない。
平山が代表に招集された場合の私の唯一の心配は、メディアが再び彼に過剰なスポットライトを当てることだ。
そんな光景は見るに忍びない。

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