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2006年に甲府市に行く、新しい理由

2005/12/15(木)

来シーズン、レイソルとヴァンフォーレがそろってJ1でプレーできないのというのは、もったいない気分だ。
こんなことを言う理由は主に両チームのファンにある。プレーオフの2試合の雰囲気は、どちらも、まさに「ファン・タスティック」だった。
小瀬陸上競技場では、レイソルがレイナウドの見事なヘディングシュートで先制すると、覚えているだろうか、アウェーのファンはジーンズの上半身を裸にして忠誠心を示したのだ(シャツを脱ぎ捨てたのは男性ファンだけだったのは指摘しておきたい。ただし、記者席からは離れた場所だったし、とくに照明が消えている間ははっきりとは見えなかったけれど)。

なんにしろ、冷え込みのきつい山梨県で、レイソル信奉者の心意気を示した素晴らしいショーだった。ホームチームのファンは良く心得ていて、「Curva Kofu」の周囲にしっかりと密集していた。
プレーオフの「前半」が終了したにすぎないにしても、甲府のファンも結局、2−1の勝利のあとは狂喜した。
そのシーンと雰囲気は、昔の日々を鮮やかに思い出させてくれた。イングランド・FAカップの1回戦、ノンプロのリーグのクラブがプロの下部リーグに所属しているクラブを破ったときは、こんな感じだった。
ノンプロのリーグのチームには肉屋やパン屋、あるいはロウソク立てを作る職人もいたかもしれないが(ここで言うノンプロのリーグとは、フットボール・リーグの傘下にないリーグのことだ。プレミアシップができる前には、4つのディビジョンのリーグが共通の全国的なプロリーグの傘下にあった)、彼らが、良い給料、良い待遇を受けているライバルを相手に大番狂わせをやってのけることがあった。

第2戦では、千葉県の冬の太陽の下、甲府のファンは元気いっぱいゴール裏に集まり、青と赤の色彩はまるでFC東京のサポーターのようだった。
第1戦では、かつて大宮アルディージャでプレーしていた大柄のセンターフォワードのバレーが動きの遅いレイソルのディフェンス陣を大いに混乱させていたが、今回の彼は手が付けられない状態だった。
バレーはなんと6ゴールを決めたのだが、レイソルのディフェンスの間を駆け抜ける姿は、10点だって取れそうなくらいであった。素晴らしいフィニッシュもいくつかあり、とくにゴール前で上手くボールをコントロールし、南の前で絶妙なチップ・シュートを決めた1点目、それから全力のシュートをゴールの上部に決めた3点目は目を見張るものだった。2点目のゴールは、本当のところ、PKを与えるべきではないと思ったが、それもバレーには関係のないことだ。

私は、「No Reysol No Life」のあとに「Without Reysol Where We Go?」と書かれた、レイソルの横断幕が大好きだ。
英語教師のようなことは言いたくないが、「Without Reysol Where We Go?」のところは、誰かが”do”を入れるのを忘れたのだろう。「Without Reysol Where Do We Go?」のほうがよろしいが、レイソルのファンや出資企業の日立にとっては、いまさらどうでもいいことなのだろう。
我々みんなが知っているように、レイソルはJ2に降格し、甲府がJ1に昇格する。
2006年には、城跡や武田神社以外にも、甲府市を訪れる、素晴らしい理由ができるのである。

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