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1ステージ制が大成功した年 〜 2005年回顧 〜

2005/12/29(木)

日本のサッカー関係者は、素晴らしい成功を収めた2005年のピッチ内外の出来事を誇りを持って振り返ればよい。
国内では、1ステージ制のJリーグが大成功を収め、将来に向けての礎となった。
海外では、2006年ワールドカップ本大会への出場を楽々と決め、来年6月のドイツおよび国内での盛り上がりが大いに楽しみな状況だ。

次に、全体を見ると、日本ではサッカーの人気がとても健全な状態にあり、Jリーグの観客数も、J1は堅実な数字を維持、J2でも増加の傾向にある。また、代表チームは、ホームでならどのようなチームと試合をしても(たとえば、チャドやマカオが相手でも)、スタジアムを満員にできる人気を保っており、青のユニフォームを愛するファンの気持ちは、今や国のシンボルとして世界中で認知されるようになった。

昨年の今頃は、J1での1ステージ制導入が予定されるなか、悲観的な見方があったのも確かだ。ファンは、2回の短距離競争ではなく、1回の長距離競争を見たいのだろうか? 応援するチームが優勝戦線から脱落してもチームを応援し続けてくれるのだろうか?
こうした懸念は十分理解できるものだった。1996年の1ステージ制は、観客数という点からは成功とは言えず、次の年に取りやめとなってしまったからだ。

しかし、2005年には、Jリーグのファンも試合内容と同じように成長しており、PK戦や延長戦、ゴールデンゴールやホーム&アウェーのプレーオフといったわざとらしい仕掛けのない、正統的なリーグ戦に対応できるようになっていることが立証されたのだ。
言い換えれば、シーズン最後の日に、33試合も戦ったあとで(!)、5つのチームにまだ優勝の可能性があるという状況が生まれたのは、変革を行なおうとしたJリーグの勇気が報われた証だ。
これは信じられないようなシナリオだった。幸運なことに、私は、あの「スーパー・サタデー」の等々力において、ガンバが感動的かつ劇的な状況で優勝を勝ち取ったのを見た。
また、バンコクでは、スタジアムへの入場を許された少数の人間の1人として、日本が北朝鮮を破り、ドイツ行きの切符を掴むのも見ることができた。後半の最後に大黒が2点目のゴールを決め、「野人スタイル」で歓喜し、走り回った、あの瞬間をどう表現すればいいのだろう!

Jリーグ・アウォーズについては、アラウージョのMVP受賞は文句のつけようのないものである。33試合出場で33ゴールという活躍は、不安定なディフェンスという欠点を補って余りあるもの。アラウージョがブラジルに戻り、大黒がフランスでプレーするため、来シーズンのガンバは一から出直さなければならない。

2006年のJリーグが、2005年ほどの大成功を収められるかどうかは難しいところだが、ワールドカップが今よりさらに多くの関心を集め、より多くのヒーローを生み出すため、国内の試合内容もさらに進化を続け、Jリーグが日本のスポーツ・シーンを支える重要な要素となる、と私は信じている。

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