セレッソの注目は小林采配
今年のJリーグで最も予想が難しいものの1つは、シーズン最優秀監督賞の行方である。
優勝チームの監督はもちろんだが、それ以外にも何人か候補がいる。
その1人に必ず入ってくるのが、セレッソ大阪の小林伸二監督だ。
小林監督はチームに奇跡をもたらし、残り4試合となった時点でも、セレッソ大阪にはリーグ優勝の可能性が残っている。
土曜日の午後、私は味の素スタジアムでセレッソがヴェルディに1−0で勝利した試合を観戦した。セレッソのパフォーマンスは、これといって特別なところはなかったが、それでも勝点3をとってしまった。これは、良いチームの証である。
もちろん、ヴェルディには少なくても1点、ひょっとすればそれ以上の得点を挙げるチャンスがあった。試合後、ヴェルディのバドン監督が指摘したように、ヴェルディには8回から10回のチャンスがあった。しかし、いずれも実を結ばなかったのだ。もう少しシュートを多く打っていれば何とかなったかもしれないが、自信を失いかけているチームによくあるように、選手は自分自身を信頼できず、ボールと、それから責任をチームメイトに引き受けさせようとしていた。
途中出場の平本は調子が良さそうで、やる気もみなぎっているようだったが、枠内にシュートが飛んでいかなかった。元気のいい玉乃も自力で素晴らしいチャンスを作ったが、やはり枠内に飛ばない。
しかし、こんな場面はほんの一例に過ぎず、全体的にはセレッソにとって苦しい試合だった。チャンスはほとんどなく、後半44分、古橋が見事なフリーキックを蹴り、ようやくこの試合唯一のゴールを高木が守るゴールマウスのニアポスト下隅に決めた。
セレッソが勝点3を獲得するには、この1点で十分なはず。ブルーノ・クアドロスが終了間際に負傷したふりをして、チームを同点の危機に導こうとしていたのは余計だった。ロスタイム、ブルーノ・クアドロスが自陣ペナルティーエリア内で倒れたときには、彼には何も起こっていなかった。私は、彼がすぐにピッチに戻ろうとするのを許さなかった奥谷レフェリーに拍手を贈った。
実際、チームメイトと一緒にリードを守るためにプレーしていなければならないときに、ブルーノ・クアドロスがタッチライン沿いに立ってピッチに入る許可を待っている間、ヴェルディが同点に追いつき、このウソつきなセレッソ選手を懲らしめてやればよかったのにとも思った。
現在、セレッソは勝点53。首位ガンバとの4ポイント差は変わっていないが、直前の勝ち試合は、ゼ・カルロス、久藤、西沢といったレギュラークラスを数人欠いた状態でのものだった。
中盤の中央でプレーしている布部と下村は純粋な意味での繋ぎ役。バックの前田は見るたびに上手くなり、古橋は知性があり、よく動き回るフォワードだ。
小林監督は素晴らしい仕事をしている。しかし、最優秀監督賞の行方は予断を許さない状態だ。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント