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2005年10月

もっと女子サッカーをサポートしよう

2005/10/31(月)

オリンピックでの女子サッカーの参加国を10ヶ国から12ヶ国へと増やす。国際オリンピック委員会(IOC)のこの決定に、国際サッカー連盟(FIFA)は当然のごとく歓声を上げた。
これは女子競技の価値を正等に評価したもので、人気が上がっていることの表れでもある。
例えば昨年、男子サッカーと同じように感動的でドラマチックだった2つのスポーツシーンがある。
1つ目はアテネオリンピック予選、国立競技場で行なわれた北朝鮮戦の快勝。そしてもう1つは、アテネオリンピックで強豪スウェーデンに劇的な勝利を収めたこと(1−0)だ。
いや、正確に言うと、試合はアテネではなくギリシャ北部の都市で行なわれたんだけれどね。

16個もの金メダルを取った日本だが、この試合はオリンピックのハイライトとして記憶に残るものだ。奪った得点はわずか1点だったが、あと2点は取れていた(澤穂希はあまりにもアンラッキーだった)。決意と魂のこもったプレーを見せ、試合終了のホイッスルがなった時には、日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンに感激の涙を流させた。
その後は連敗したが、女子代表は国民に誇りをもたらし、Lリーグに新たな息吹を生む環境を作り上げ得たのだ。

女子の試合は、男性から批判を受けることが多い。これは私も長年同じように感じていた。パワフルでない、展開が遅い、テクニックにばかり注目が集まる、などである。
しかし、女子サッカーはフェアプレー精神にあふれており、ダイビングや、怪我を装った時間稼ぎはほとんど見られない。例えばスウェーデン戦。日本は試合終了間際にさまざまな作戦をとることもできた。しかし彼女達はオープンに、そして笑みさえ浮かべながらプレーし続けた。それは近代サッカーに見る爽やかな変化であったと言える。

10チームというのは良くない。12チームでも完璧とは言えない。ただし、北京ではおそらく4チームずつ3グループに分かれてリーグ戦を戦い、8チームが準々決勝に駒を進めることになるだろう。すなわち、各組の上位2チームと3位のうち上位2チームが進出する。
個人的には、この方式には大きな不満がある。8チームが準々決勝に進むのなら、10チームや12チームでなく16チームが望ましい。
しかしFIFAは現状を踏まえて動かなければならない。そう、北京では12チーム(に増える)ということなのだ。
今回の、参加チーム数増加の決定は、至極当然のことだと思う。そして、女子サッカーは世界中のサポートを受けて然るべき競技なのだ。

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ツネが最優先すべきはW杯

2005/10/27(木)

宮本恒靖は、必ずしも幸運に恵まれた選手というわけではない。
2002年のワールドカップでは、骨折した鼻を保護するためにバットマンのようなマスクをつけ、その名を馳せた。
現在、リーグとカップの2冠——ひょっとすると天皇杯も奪取して3冠になるかもれないが——に向けまい進しているガンバにあって、宮本は右ヒザの故障により約1ヶ月間の欠場を強いられている。
負傷したのは土曜日。調子を上げきている大分トリニータにホームで敗れた(1−2)試合の終了間際で、ガンバは数分の間に二重のショックを受けた。

11月5日に行なわれるジェフとのナビスコカップ決勝を欠場するのは確実なようで——もっとも、最近では本当の回復期間はなかなか予想しにくいのだが、ガンバに忠誠を尽くしてきた宮本にとってはなんとも残念なこととなった。
しかしナビスコカップの決勝が控えていようと、シーズンの残り試合が控えていようと、宮本本人は無理に復帰を急いではならないと自覚しているだろう。
理由は簡単。2006年のワールドカップが最優先事項だからだ。
じん帯が完治しないまま早期に復帰し、ケガが再発すれば、宮本はずっと厄介な問題を抱えることになってしまう。
数週間の欠場が数ヶ月になればワールドカップに向けた日本代表の強化スケジュールに頭から参加するのは不可能になるだろうし、大方の人々と同じく宮本も、代表で実績を築いてきた選手を信頼し続けるというジーコのやり方は理解しているだろう。

今後数週間は、宮本がワールドカップで活躍するために重要な意味を持っている。宮本は根気強くなり、日本代表の一員であることを自覚してガンバへの愛着を自制しなければならない。
もちろん、宮本がいるといないとではナビスコカップの決勝は違ったものになるだろうが、故障が予想以上に長引かなければ、リーグ戦の終盤には復帰の準備が整うだろう。
右足が完治し、その上でリーグ・チャンピオンとしてJ1のシーズンを終えることができれば、ついに宮本が幸運を感じるときが来るのかもしれない。

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中国人スター選手はクラブ経営にとってプラス?

2005/10/24(月)

「彼らが日本人選手と契約すれば、それはクラブ経営にとっても有益であり、日本企業のスポンサーを獲得できるかもしれない」
こんな文章を読むのには、私同様みなさんもうんざりしているはずだ。
え、意味がわからないって?
では、こんな風に変えてみよう。
「日本のクラブがこの選手と契約すれば、クラブの経営にとって有益であり、彼の母国での成功に多くの利益が付随してくる」

ここでいう“国”は中国だ。では、選手というのは…?
申し訳ない。いまここで彼の名前をみなさんに明かすわけにはいかないのです。彼はまだ中国でプレーしている。正体をバラせば、所属しているチームと揉めごとが起きかねない。

しかし彼は良い選手だし、国際経験も豊富。そして何より、日本でプレーすることを望んでいる。Jリーグ入りを打診している彼の代理人の手助けをしているので、よく分かっている。
現時点では具体的に移籍の話を進めているわけではなく、そのための相談をしている段階。私もまだ10%のコミッションを要求しているわけではない(笑)。
冗談はさておき、実現すればいいなぁと思っている。

まず、先にも述べたように彼は良い選手だ。中国の国内リーグは現在メチャクチャな状態。彼はもっと良い環境でプレーすべきだと思う。
第二に、Jリーグに外国人プレーヤー獲得の場をさらに広げてもらいたいし、もっと創意工夫のある選手獲得をしてもらいたい。
フロントはブラジル人に洗脳されているのではないかとさえ思う。海千山千の代理人によって、世間知らずの日本のクラブが三流選手を一流の年俸で売りつけられているのを折にふれて目にする。

多くのトップクラス韓国人選手がJリーグでプレーするなか、中国人選手はというと、ヨーロッパでは孫継海(マンチェスター・シティ)、李鉄(エバートン)、范志毅(クリスタルパレス)らがプレーしているものの、Jリーグには非常に少ない。
もちろん、代理人はその選手がどれだけクラブ経営に役立つかを力説するのだが、中国人選手は非常にリーズナブルだ。
日本のチームがトップクラスの中国人選手と契約すれば、彼の母国のファンだけでなく、日本に進出している中国企業からのサポートも期待できる。また一方ではチームの親企業(例えば三菱、日産、トヨタなど)は中国市場でのビジネス拡大を狙うことだってできるのだ。
その選手が3人の外国人枠に入れるほど良い選手であれば、お互いにとってメリットのある話で、私は、彼がその条件を十分に満たしていると自信を持って言える。近いうちに、みなさんもこの件について耳にすることになるだろう。
もし実現したら、私も10%のコミッションを要求することにしよう。
いや、20%もらおうかな(笑)。

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妥協を拒んだJFAのマッチメーク

2005/10/20(木)

11月16日に東京で行なわれる親善試合の相手をコートジボワールからトーゴに変えた、JFA(日本サッカー協会)の断固たる姿勢を評価したい。
当初はコートジボワールが来日する予定だったが、ディディエ・ドログバをはじめとするベストメンバーが揃わないことが明らかになり、日本は代わりにトーゴを招くことを決めた。
この決定に、チェルシーは大喜びしているにちがいない。大金を払って獲得した選手がシーズン半ばに日本まで往復し、国際親善試合で負傷するというリスクを負うのは、チェルシーにとって最も好ましくない事態だからだ。

その一方で、コートジボワール・サッカー協会にとっては大金を手にする機会がフイになった。おそらくJFAは相当な額を支払う用意があったと予想される。
JFAは、数年前のナイジェリア戦での失敗を教訓にしたのだと思う。
その試合は日本が3−0で勝ったが、ほとんど冗談のようなもの。代表戦でのゴール奪取率を大幅にアップさせた高原以外の関係者にとっては、まったくの時間の無駄であった。

私事で申し訳ないが、もうすぐ私の誕生日で、この時期になるとあの試合を思い出すのだ! ナイジェリアは5人の交代枠を埋めるだけの選手もいなかった。ベンチにいたのは確かキーパーの交代要員を含めた4人だけ。まさに日本への侮辱そのものだった。
その夜で記憶に残しておくべきことといえば、国家を歌った男性が着けていたナイジェリアの伝統的な被りものだけで、ひょっとすると、その男性が被りものを脱ぎ、背番号16のユニフォームを着てナイジェリアベンチに座るのではないかと思っていた。

今回は、JFAは毅然とした態度をとり、コートジボワールとの交渉を打ち切りトーゴを新たな交渉相手とした。
トーゴは楽しみな相手である。コートジボワールと同様、トーゴもワールドカップ初出場の国だ。今予選、アフリカでは革命とも呼ぶべき動きがあり、セネガルやカメルーン、ナイジェリアといった国々が予選で脱落した。
トーゴはベストメンバーを派遣すると約束したが、さて、ベストメンバーでなかった場合に、それに気づく人間がいるのだろうか? 重要なのは、トーゴが今回の試合を真剣に受け止め、そこで得られる経験や人々の注目、そしてもちろん現金に見合うだけのプレーをするかどうかである。
国立競技場での茶番劇のような試合は、もうごめんこうむりたい。

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いま大阪に注目が集まる!

2005/10/17(月)

今週末は大阪に要注目だ。
ガンバかって?
いやいやセレッソのことだ。

ここで、J1の順位表とスケジュールを見てみよう。ひょっとすると、日曜の午後には状況が一変してしまっているかもしれない。
これまでにJ1で何が起こってきたかを忘れてしまったという方のために、一度整理してみよう。26試合を終了し、ガンバが勝点51で首位に立っている。2位は同48でアントラーズ、そして同43でセレッソが3位につけている。
現時点でまだ8試合、勝点にして24ポイントが残っている。そう、まだ何が起こるかわからない。
もしかすると、今週末にその“何か”が起こるかもしれない。

ガンバは土曜夜にヴィッセルとアウェーで対戦する。紙上の予想では、ガンバが勝点3を手にすることはほぼ間違いない。
しかし関西同士の対戦。ヴィッセルは何としてもヴェルディと5差の最下位から脱出したい。もちろん、最下位のチームが首位のチームを破るのは大きな驚きだが、仮に31ポイントの差がついていたとしても、同じ地域のチーム同士の戦いでは何が起こるかわからないものだ。

日曜日には、アントラーズが静岡スタジアムでジュビロと戦う。こちらは同地域のチームではないが、これは伝統ある(あくまでJリーグでの話だが)チーム同士の、まさに日本の“エル・クラシコ”(伝統の一戦)である。
勝点42で4位につけているジュビロも、まだタイトル争いから脱落したわけではなく、勝機は十分にある。
セレッソはというと、好調だった開幕当初から一転し、現在はJ2降格ゾーンに低迷中の大宮アルティージャと、土曜日にホームで対戦する。
仮に、ヴィッセルが関西ダービーでガンバ相手に金星を挙げ、ジュビロが“Jクラシコ”でアントラーズを下し、そしてセレッソが長居スタジアムでアルティージャに勝つとしよう。
すると、順位はガンバ(勝点51)、アントラーズ(同48)そしてセレッソ(同46)となり、首位から3位までの間がわずか5ポイントに縮まるのだ。

セレッソにプレッシャーはない。ガンバ、アントラーズ、レッズ、そしてマリノスが注目を受けながらしのぎを削ってきたその間に、静かに順位を上げてきた。大宮戦も、リラックスして試合に臨めるだろう。
ガンバとアントラーズがまるでボクサーのようにがっぷり四つに組み合う横で、セレッソはこれまでどおり、マイペースで戦えば良いのだ。

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FIFA裁定の犠牲となったウズベキスタン

2005/10/13(木)

土曜夜のウズベキスタン対バーレーン戦は、見ていて気の毒な試合だった。
特に、前半早々にバーレーンが先制点を挙げたとき…。
その後すぐに同点に追いついたものの、ホームチームに同情せずにはいられなかった。
あるテレビ解説者が言っていたように、FIFA(国際サッカー連盟)は、ウズベキスタンにペナルティキック(PK)が与えられた前半39分から再開することにした方が、より公正だったと思う。

そのときはウズベキスタンが1−0と1点リードしており、PKが成功すれば2−0になるはずだった。
もちろん、最初の試合の話ではPKは決まった。しかし日本人の吉田主審は当然ながらゴールを認めなかった。キッカーがボールを蹴る前に、ウズベキスタンの選手がペナルティ・エリアに入っていたからだ。
しかし吉田主審は、ウズベキスタンにPKのやり直しを命じる代わりに、バーレーンに間接フリーキックを与えたのだ——近くにいた副審や第4の審判が吉田主審に助言しなかったのも、いまだに信じられない。

再試合となった注目の第2戦を1−1の引き分けで終え、両チームは水曜日にバーレーンのマナマで第2戦を戦う。
第2戦ではバーレーン有利と予想されるが、ウズベキスタンにはピッチ上の誰よりも経験豊かなカシモフや、シャツキフという好調なストライカーがいる。
1994年のアジア大会を観るために広島を訪れたのを、私は今も憶えている。そのときも左利きの将軍カシモフがウズベキスタンの中盤におり、ウズベキスタンはビックアーチでの決勝で中国を4−2で破って金メダルを獲得したのである。
ほかにも、ゴールキーパーのシェイキン、センターバックのティホノフ、左ウイングバックのレベデフ、攻撃的ミッドフィルダーのアブドゥライモフ、決定力のあるフォワードのシュクイリンらが記憶に残っている。

それから11年が経ち、ウズベキスタンはまだワールドカップ予選を勝ち抜いていないが、もしバーレーンで敗れ去るのであれば、不当な裁定の犠牲になったと言わざるをえない。
最初の試合のあと、ウズベキスタンは3−0の勝利とするよう申し立てたが、これはあまりにも欲張りすぎ。FIFAに却下された。
前半39分から試合を再開しても、結果がどうなるかなんて誰にも分かりはしないのに…。ウズベキスタンがPKを外すかもしれない。そうなればゲーム全体の流れが変わり、ひょっとするとバーレーンが4−1で勝つかもしれないのだ。逆にPKが決まったなら、バーレーンが一気に崩れ、ウズベキスタンが5−0で勝つことになるかもしれない。
これがサッカーの面白いところである。何が起こるかなんて、誰にも分からない。そして、物議をかもす元となる事象が発生する可能性があちこちに潜んでいるのも、サッカーなのである。

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アジア年間MVPは誰に?

2005/10/10(月)

2005年アジア年間最優秀選手を選ぶとしたら、あなたは誰を選びますか?
どうしてこんなことを聞くのかと言うと、今年もまたこの時期になったからだ。クリスマスと同じで、年々早くやって来るような気がする。
中田英寿? いや、彼が良かったのは後半の半年間だけだ。
中村俊輔? コンフェデレーションでの活躍、そしてセルティックサポーターも彼を気に入っている。しかし俊輔ファンの皆さん、残念ながら彼でもない。
元PSVで現在はトットナムに所属し、2002年ワールドカップ(W杯)で頭角を現して以来、進化を遂げている李榮杓(イ・ヨンピョ)だろうか? 彼はエキサイティングな左サイドプレーヤーだ。しかし、彼がMVP? いや私はそうは思わない。

なぜ私がこの3名を挙げたかと言うと、金曜日にアジアサッカー連盟(AFC)が発表した10名の候補者リストに彼らが入っているからだ。リストにはサウジアラビアから3名(なぜ?)イラン、日本、そして韓国から各2名、そしてウズベキスタンから1名が名前を連ねている。
投票権を持つのは、AFCの執行委員と加入45ヶ国の代表チームの監督、そしてAFCのパートナーであるワールドスポーツグループである。
投票者は3名の選手を選ぶ。1位の選手には5ポイント、2位の選手には3点、そして3位の選手には1ポイントが与えられ、10選手のうち最もポイントの多い選手がMVPとして11月30日に表彰される。

私なら誰にするかって?
そうだなぁ…単に、所属チーム、いやアジアチャンピオンズリーグだけでなく、母国以外のリーグで活躍している選手であるべきだと思う。
自身の名前、国、そしてアジアを世界に知らしめた、誰か。
以前の中田のように、より高いレベルでプレーできることを証明し、アジアのサッカーを知らしめた、誰か。
そう、まさに朴智星(パク・チソン)のような。

彼は2002年W杯で準決勝に出場し、その後PSVのメンバーとして欧州チャンピオンズリーグ準決勝に出場(2005年)、そして現在はマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)でプレーしている。
京都パープルサンガでプレーしていたこともある彼こそ、2005年の年間MVPにふさわしいのではないだろうか。
彼にはその資格が十分ある。受賞してもらいたいものだ。

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やっぱりカズから目が離せない

2005/10/06(木)

キングは、どうしたってニュースになってしまうようだ。
ほんの数週間のうちに神戸から横浜、そしてシドニーへ。三浦知良の光り輝くスター性が改めて立証された。
今週のはじめ、カズの横浜FCからシドニーFCへの期限付き移籍が決まり、この日本のスポーツ界の代表的存在が、12月に日本で開催されるFIFA(国際サッカー連盟)の新たなイベント、世界クラブ世界選手権に出場できるようになった。

今回の決定は、オーストラリア側にはなかなかの広報効果をもたらした。シドニーFCはイベントを通して熱狂的な日本人ファンの応援を期待できるだろう。
ご存知のとおり、オーストラリアはオセアニア連盟からアジア連盟への移籍についてFIFAの承認を受けている。そしてシドニーの関係者は、今回のカズの移籍が2つの国、2つの大陸を結ぶ架け橋になるものと期待を寄せている。
また、カズが最善を尽くし、仕事のあらゆる場面でプロフェッショナルな態度を貫くことも、関係者は知っている。練習場でも、スポンサーやメディア、同僚、ファンに対しても、カズはプロフェッショナルなのである。
かつてほどの勢いやきらめきはないかもしれないが、ハングリー精神や野心は失っていないし、宣伝効果やファンへの対応といった面で、シドニーの投資に応えるシーンが数多く見られるだろう。

イベント主催側も万々歳だろう。シドニーFCが、応援するクラブのない開催地・日本のサポーターの楽しみになるからだ。
アジアチャンピオンズリーグで横浜F・マリノスとジュビロ磐田はノックアウトステージに進めず、エメルソンを補強したアルサドも最近敗退した(これ以上浦和レッズのファンを刺激したくないので、この件に関するコメントは差し控えたい)。
しかし今、カズがシドニーFCのメンバーとしてプレーするだけでなく、サンパウロとリバプールが南米とヨーロッパの「ビッグ2」となっているので、チケットも順調にさばけることだろう——マリノスとジュビロが早々と脱落してしまった後、この点がFIFA(それから電通)の悩みの種だったに違いない。

カズに関して言えば、たとえ2〜3ヶ月であっても素晴らしい都市に移ることになる。
オーストラリアでは、サッカー(オーストラリア式フットボールという独自のブランドのフットボールがあるためオージーたちもサッカーと呼ぶ)はラグビーリーグ(13人制ラグビー)やラグビー・ユニオン(15人制ラグビー)、クリケット、オーストラリア式フットボールの後塵を拝する存在だが、関係者たちは、1993年の日本でのJリーグ発足時と同じように、新たに創設した「A−リーグ」をアピールするための活動を続けている。
カズにとっては、今回の移籍は英会話が上達するチャンスでもある。英会話の能力は、世界を股にかけた長い選手生活に終止符を打ったあとも、彼のキャリアに大いに役立つはずだ。

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ジーコ最大の悩み

2005/10/03(月)

2006年ドイツワールドカップ代表の選考へ向け、ジーコは最も大変な頭痛を抱えることになる。
東欧遠征2試合のメンバーリストを見て、さらにオールスター戦や諸事情のために代表から外れている顔ぶれを見ると、それがよく分かる。
GK3名と数名のDFは別として、MFとFWのポジション争いはますます熾烈になってきている。
ラトビア戦とウクライナ戦の4人の代表ストライカーは鈴木、柳沢、高原、そして大久保だが、しかし他にも大黒、玉田、田中、巻、さらには久保も控えている。
MFは明らかに日本の強み。したがって23人の代表メンバー(うち3人はGK)を選ぶとき、ジーコがFWを4人以上選ぶとは思えない。

現状では、私なら鈴木、柳沢、大久保、そして大黒を選ぶ。
このメンバーならジーコジャパンに安定性と意外性の両方を等しく与えられる。鈴木もしくは柳沢をトップに置き、大久保がサポートに回る。そして大黒はベンチに控え、相手ディフェンダーが疲れ、オープンスペースが生まれるのを待つのだ。
では高原はどうするのか?
ワールドカップはドイツで開催される。そして高原は現在ドイツのハンブルグでプレーしている。そんなことは重々承知のうえだが、いざとなればジーコは情などを見せないだろう。
ここ最近、高原はコンスタントにプレーしているとは言いがたい。事実、テヘランでのイラン戦(1−2で敗戦)での高原は酷いもの。ボールもコントロールできず、自信さえ失っている状態だった。

鈴木、柳沢、大黒へのジーコの信頼は篤い。さらに玉田はレイソルでの調子がいまひとつとは言えジーコのお気に入りだ。
大久保も同じくジーコのお気に入りなのだが、有り余るほどの素質を持ちながらも大久保は完成品からはまだ程遠い。達也(田中)と巻は、あくまで万が一の時の保険のようなものだ。
では久保は? おそらくジーコは、体調面に不安を残す彼を既に候補から外しているだろう。
この2試合の遠征は、高原にとって自身を証明する重要な機会になるだろう。

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