FIFA裁定の犠牲となったウズベキスタン
土曜夜のウズベキスタン対バーレーン戦は、見ていて気の毒な試合だった。
特に、前半早々にバーレーンが先制点を挙げたとき…。
その後すぐに同点に追いついたものの、ホームチームに同情せずにはいられなかった。
あるテレビ解説者が言っていたように、FIFA(国際サッカー連盟)は、ウズベキスタンにペナルティキック(PK)が与えられた前半39分から再開することにした方が、より公正だったと思う。
そのときはウズベキスタンが1−0と1点リードしており、PKが成功すれば2−0になるはずだった。
もちろん、最初の試合の話ではPKは決まった。しかし日本人の吉田主審は当然ながらゴールを認めなかった。キッカーがボールを蹴る前に、ウズベキスタンの選手がペナルティ・エリアに入っていたからだ。
しかし吉田主審は、ウズベキスタンにPKのやり直しを命じる代わりに、バーレーンに間接フリーキックを与えたのだ——近くにいた副審や第4の審判が吉田主審に助言しなかったのも、いまだに信じられない。
再試合となった注目の第2戦を1−1の引き分けで終え、両チームは水曜日にバーレーンのマナマで第2戦を戦う。
第2戦ではバーレーン有利と予想されるが、ウズベキスタンにはピッチ上の誰よりも経験豊かなカシモフや、シャツキフという好調なストライカーがいる。
1994年のアジア大会を観るために広島を訪れたのを、私は今も憶えている。そのときも左利きの将軍カシモフがウズベキスタンの中盤におり、ウズベキスタンはビックアーチでの決勝で中国を4−2で破って金メダルを獲得したのである。
ほかにも、ゴールキーパーのシェイキン、センターバックのティホノフ、左ウイングバックのレベデフ、攻撃的ミッドフィルダーのアブドゥライモフ、決定力のあるフォワードのシュクイリンらが記憶に残っている。
それから11年が経ち、ウズベキスタンはまだワールドカップ予選を勝ち抜いていないが、もしバーレーンで敗れ去るのであれば、不当な裁定の犠牲になったと言わざるをえない。
最初の試合のあと、ウズベキスタンは3−0の勝利とするよう申し立てたが、これはあまりにも欲張りすぎ。FIFAに却下された。
前半39分から試合を再開しても、結果がどうなるかなんて誰にも分かりはしないのに…。ウズベキスタンがPKを外すかもしれない。そうなればゲーム全体の流れが変わり、ひょっとするとバーレーンが4−1で勝つかもしれないのだ。逆にPKが決まったなら、バーレーンが一気に崩れ、ウズベキスタンが5−0で勝つことになるかもしれない。
これがサッカーの面白いところである。何が起こるかなんて、誰にも分からない。そして、物議をかもす元となる事象が発生する可能性があちこちに潜んでいるのも、サッカーなのである。
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