中田浩二にチャンス到来
ジーコジャパンの最大の収穫の1つは、加地亮を見出し、育てたこと。
最大のマイナス点の1つは、中田浩二を積極的に起用しなかったこと。
しかし、これからはそうではなくなるかもしれない。というのも、水曜日の夜に行なわれるホンジュラスとの親善試合の先発メンバーに、ジーコが中田浩二の名を挙げているのだ。
4−4−2と3−5−2のどちらのフォーメーションでも守備的ミッドフィルダーは2人必要で、それは浩二の本来のポジションだ。しかしジーコは彼をあまり重用しようとしてこなかった。
トルシエ時代の浩二は、ミッドフィルダーではなく3バックの左サイドではあったが、不動の先発メンバーだった。
だから、ジーコが中田浩二を中盤のエンジンルームに配置し、同じく欧州組の選手で2002年ワールドカップのヒーロー・稲本潤一と並べてプレーさせるのは楽しみだ。
この2人が組めば、稲本が前線に駆け上がったときに中田浩二が守備陣の前で留まるような形になり、攻守のバランスが上手くとれるようになるはずである。
中田浩二は試合をとてもよく読める選手で、チームのテンポとバランスを保てる。また年齢の割に経験も豊富で、マルセイユへの移籍によりその個性はますます際立ったものとなっている。
私は、試合の前後に歴代の鹿島アントラーズの監督たちに何度もインタービューしてきた。そこでいつも出てくるのが、中田浩二だった。
監督たちは前述したような浩二の資質を褒め、“鹿島オーケストラ”の指揮者は中田浩二だと言っていた。
ただし、代表チームのこのポジションは競争が激しい。小野が招集できる状態だったなら、中田浩二は選ばれていなかったかもしれない。
個人的には、守備的ミッドフィルダーの先発は小野と浩二が一番いいと思う。そのときには稲本と福西が控えに回るのだが、この4人はワールドカップの代表選考でも明らかに有利な立場にある。
しかし、ワールドカップはまだ先。選手たちにはドイツのことを考える余裕などまだない。サッカーの常套句を使えば、選手たちは目の前の試合を大切にすべきで、そこで自身の長所をアピールし、そして何より、どんな状況でもコンスタントに高いレベルのプレーができることをみせなければならない。
今回、浩二にチャンスが与えられた。彼ならきっとチャンスをものにするだろうし、日本代表チームはこれからさらに良くなるだろう。
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