宮本と石川の正しい決断
最近、二人の日本人選手がトレビソ(イタリア・セリエA)への移籍を拒否したという記事を頼もしい気持ちで読んだ。
土曜日には宮本恒靖が移籍を正式に断り、ガンバ大阪残留を決めた。
その3日後には石川直宏が、同じくFC東京残留を決めた。
ここ3〜4年、宮本はヨーロッパへの移籍に興味を持っていたが、今回の移籍話はタイミングが悪いと感じたようである。
あまり考える時間はなかったが、家族のこと、そして直近の将来を考えて大阪に残ることにしたという。
宮本は正しい判断をしたと思う。
ワールドカップ(W杯)は目前。彼は日本代表のキャプテンだ。W杯へ向けての準備では、その中心的な役割を担わなければならない。
その確かなものを、不確かなものと交換する必要など全くないのだ。
セリエAで低迷するチームでレギュラーとしてプレーできずに自信を喪失するかもしれず、イライラがつのり、家族やプライベートライフにまで影響を及ぼしかねない。
一方、ガンバ大阪はリーグの首位争いをしている。ナビスコカップやさらには天皇杯も狙えるだろう。
ツネはガンバで仲間と一緒に優勝したいと語った。それはまた、関西のサッカーの起爆剤となるかもしれない。
ツネは次回を待つという。おそらくそれは来年夏のドイツW杯後。小笠原がそうだったように、W杯は全ての選手にとって自身の質と価値を披露する絶好の機会なのだ。ツネの場合、英語が堪能ということはきっと大きな助けとなるだろう。
一方、石川はどうだろう。
彼の場合はトレビソに移籍したとしても充分納得できただろうと思っている。FC東京は足踏み状態(どちらかというとやや後退していると言うべきか…)。石川がW杯の日本代表に選ばれるチャンスは限りなく低いだろう。
私個人としては、彼が代表に選ばれるのを見たい。彼はペースメーカーにもなれるし、攻撃でもチームに力を与えられるからだ。
しかしジーコ監督の目に留まるチャンスがある限り、そこでプレーし、選出されるよう願いつづけなくてはならない。トレビソに移籍すれば、チャンスは全く消えてしまうかもしれなかった。
日本だって、そう悪くはない。隣の芝がいつも青いとは限らないのだ。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント