ジーコはイラン戦に新顔を残すべき
韓国で行なわれている東アジア選手権の結果の良し悪しに関わらず、ジーコは今回の日本代表の戦いぶりから多くのことを確実に学んだはずである。
まず、これほど多くの新しい選手がブルーのユニフォームに身を包んだのを見るのは、新鮮なことだ。
これはジーコがずっとできていなかった部分。これまで、明らかにチーム改革が必要な時でもジーコは同じ選手を使い続けてきた。
田中達也、今野、村井といった選手たちは少なくとも日本代表のプレーに活気を与えた。
彼らに代表チームに慣れる時間が残されているかどうかは別として、仮に1年前に選出されていたとしたら、今頃どんな選手になっていただろうか。
しかし、これまでの控え選手にこだわってきたことについては、ジーコなりの理由がある。その彼らにも今ではポジションを守るというプレッシャーがようやく生まれた。
ある日本のフットボール・ウォッチャーが、ジーコは“ジーコファミリー”――と言ってもそれは別に兄弟のことではない――を作り上げたのだと私に言ったことがある。
選手たちはジーコと共にワールドカップ(W杯)予選を戦い、アジアカップを勝ち抜いてきた。ジーコの考え方で彼らより優れた選手がいないとしたら、なぜ変えなければならないのだろう?
結局のところ、なぜジーコがチームの将来を考えなければならないのかということだ。
彼にとって大事なのは“今”なのだ。日本代表が勝ってさえいれば、自身が去った後のチームのことを考える必要があるのだろうか。
彼の評価は来年の夏、ドイツで出る。そしてそのためには経験豊かな選手が欲しいのだ。
ただ、ここでの大きな疑問は「ジーコの判断は正しいのか」ということ。
名選手は必ずしも名監督にあらず。コーチングの才能を持って生まれた人間にとっては、ハイレベルなプレーができることは必ずしも必要ではない。
ジーコがこのまま新しい選手の何人かを使ってくれることを願おう。特にイランとの“デッドラバー”で…。
ちなみに“デッドラバー”というのはテニス用語で、団体戦で勝っても負けても何の意味も持たない試合という意味である。
日本とイランはすでにドイツW杯の出場権を獲得している。しかしジーコにとって、この試合は東アジア選手権のために選んだ選手たち――特に今野、村井、茂庭(彼は初選出ではないが)そして田中達也――にチャンスを与える良い機会だ。
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