ベンゲル的洞察
日本代表チームについて、“外部”からのコメントを聞くのはいつも面白い。
サッカー全般に対する広い知識を持ち、さらに内部情報を知っている“外部”のコメントは特に興味深いものだ。
コンフェデレーションカップ、メキシコ対日本戦のハーフタイムのアーセン・ベンゲル氏(アーセナル監督)の解説は、この試合のハイライトだったといっても良い。
ベンゲル氏は3人の日本選手、特に柳沢の前線での動き、右サイドでの加地のパワー、そして中田英寿のチームをまとめるオールラウンドな能力に感心したと言った。
前半の日本は非常に出来が良かったが、後半に入りメキシコが支配力を増していくとともにリズムとバランスを失っていった。
ニアポストから繊細なタッチでファー側の隅に決めた柳沢のゴールは、小笠原と加地の優れたボールコントロール、視野、そして技術から繰り出されたランとクロスによる産物だ。
一方、メキシコの2つのゴールは、日本の守備のまずさを象徴していた。
ロングレンジからうまく決められたとはいえ、1本目のゴールではディフェンスの前にスペースを空けすぎたし、2本目については空中戦の当たりが弱かった。こういう状況で、日本代表にとって中澤がいかに重要だろうか!
ジーコ監督の3−4−2−1システムは、非常に面白いフォーメーションだと思う。ただ、ポジションの人選について微調整がまだ必要だろう。
私なら中田浩二と福西を守備的MFに置いてディフェンスを強化し、中田英寿を小笠原と並べて前方に配置。俊輔はベンチに下げる。メキシコ戦の俊輔は疲れて動きも遅く、弱かったようだ。柳沢の下に中田と小笠原のペアを置く方が、よりダイナミックで効果的だと思う。
予選を突破するため、日本はギリシャに勝ち、そしてブラジル戦を引き分けに持ち込まなくてはならないという厳しい状況にある(*)。ただ仮に日本が準決勝へ進出できなかったとしても、私はそれほど心配することはないと思う。3年かけて、ジーコ監督は日本の長所を活かしたシステムを考え出した。
あとは、各ポジションにどの選手を使うか、それだけだ。
*編集注
このコラムは6月18日(ギリシャ対日本戦前)に書かれたものです
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