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2度目のトルシエ・ジャパンはありえない!

2005/06/02(木)

先日のフィリップ・トルシエのコメントを、皆さんはお読みになったでしょうか。
どうやらトルシエは日本代表監督への復帰を希望しているようで、選手をピッチ上で自由にプレーさせていない、とジーコを批判した。
これは本当にトルシエの発言なのだろうか?
もしそうなら、ずいぶんご立派なご意見である。トルシエは、フォーメーションや戦略における融通の利かなさでは定評があるからだ。もっとも、才能のある若手選手には惜しまずチャンスを与えたし、タフな選手に育て上げようとはしていた。

では、近い将来、トルシエが元の仕事に戻る可能性はあるのだろうか?
私には、答えは分かりきっている。ありえない、だ。
バーレーンでの試合、それからバンコクでの北朝鮮戦で日本代表が芳しい結果を残せず、ジーコの更迭が不可避になった場合でも、JFA(日本サッカー協会)の川淵キャプテンが次の代表監督候補にトルシエを挙げる可能性は全くないと思える。
なにかと話題を呼んだ日本代表監督就任当初、トルシエはJリーグの日程を延期し、親善試合のための準備時間をもっと与えて欲しいというような趣旨の発言をした。その試合は、実際に彼の代表監督第1戦となった、大阪・長居でのエジプト戦だったと思う。
それから数日後、当時Jリーグのチェアマンを務めていた川淵氏はトルシエの発言に対してコメントを求められ、代表監督を辛辣に批判した。

「彼は10年間アフリカで仕事をしていた。日本にやって来て早々、Jリーグそのものを変えようなんておこがましいにもほどがある」というのが川淵氏の発言の主旨だった。
だから、ありえない話なのだ。
日本を出てからのトルシエは、順風満帆というわけではない。最初は(右ひざの)手術を受け、長いリハビリ期間を過ごさなければならなかった。それから、カタール代表監督の仕事も短期間で終わり、マルセイユでの数か月は苦労続きだった。

私は、トルシエが中国代表監督に就任する可能性ならあると思う。混乱状態にあるプロリーグではあるが、信念を持って選手を選びだして新チームを作り上げ、2007年のアジアカップ、それから、もちろん、より大きな意味を持つ2008年の北京オリンピックを目指すのである。
トルシエにはこの仕事がぴったりだ。若い選手を抜擢し、少しばかり厳しく当たることで、よく走り、よく組織され、高い規律を持ったチームを作り上げる。
トルシエ中国代表監督。
私には、日本代表監督よりこちらのほうがふさわしいと思える。

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