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レッドカード事例のテレビ討論を求む

2005/04/21(木)

土曜日(16日)のジェフユナイテッドと鹿島アントラーズの試合で、私には理解できないことがいくつかあった。
まず第一に、レフェリーの上川氏はなぜ、ジェフのブルガリア人DFストヤノフをあんなに唐突に退場にしたのだろう?
アントラーズのレフトバックの新井場がジャンプしたとき、私は北島康介(アテネ五輪・水泳の金メダリスト)が背番号7のユニフォームを着ているのかと思った。それはあまりにも鮮やかな飛び込みだったからだ。

上川氏は間髪入れずにポケットへ手を伸ばした。
混乱の極地のなかで、彼は何を探していたのだろう? レッドカードだろうか、イエローカードだろうか? ひょっとすると、クレジットカードだったのかもしれない。
おそらくそれは、ダイビングをした新井場へのイエローカードだろう。
上川氏は試合開始直後、アントラーズのストライカー、アレックス・ミネイロに最初のイエローカードを突きつけていた。アレックス・ミネイロはジェフのゴール前で櫛野と接触した際にダイビングをし、PKをもらおうとしたのである。

新井場へのイエローでなければ、接触したストヤノフへのものなのだろう。しかし、残っていたディフェンダーはストヤノフだけだっただろうか? 新井場を止めなければ決定的な得点チャンスとなっていたのだろうか? どちらの疑問に対しても、私の答えは「ノー」であった。

しかし、レフェリーはレッドカードをかざした。カードは春の陽射しのなかでキラキラと輝いていた。
信じられなかった。面白くなりそうだと期待していた試合がおかげで台無しになったのである。
それに、ボールがストヤノフの後ろに流れると、新井場は立ち上がろうとしていた。それは誰の目にも明らかだった。

本来、私はレフェリーを批判することが好きではない。レフェリーというのは厄介な仕事だし、最近ではほとんど不可能な仕事だからだ。しかし、今回のように性急な、不必要な判断で、レフェリーが自ら救いようのない行為に走る場合もある。
しかし、もうどうしようもない。ストヤノフは退場となってピッチから去り、結果、アントラーズが4−2で快勝した。
これはきわめて重要なポイントであり、私は、土曜夜のスポーツニュースでストヤノフの事例が時間をかけて分析され、可能な限りさまざまなアングルの画像が何度も映されるのを楽しみにしていた。
イングランドではそうして、このような議論の的となる、ゲームを左右した判断についてパネリストやコメンテーターが果てしなく喋り続けるのである。
しかしNHKの『サタデースポーツ』はこの事例を完全に無視していた。ただ、この試合のワンダフル・ゴール――小笠原の堂々たる2得点や勇人の見事なゴール(この若き佐藤は、なんて素晴らしいんだろう!)、ハースの絶品のシュートなど――は放映した。

その夜はさらに2つのテレビ局にチャンネルを合わせたが、レッドカードの場面はちょっと映っただけで、私の知り限るでは分析はまったくなかった。
2人の選手が接触したのは確かだが、新井場もストヤノフの肩に当たりに行っており、五分五分に見えた。
レッドカードだって? それはないだろう。
繰り返すが、本来、私はレフェリーを批判するのが好きではない。簡単で、安っぽいからだ。しかし、上川氏のこのときの判断は誤りで、不必要な性急さで楽しみを台無しにしてしまったと思う。

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