Jリーグにうってつけの米国選手
フース・ヒディンクは、この地域では名の通った監督だ。
実際には、世界のほとんどでよく知られているだろう。
だから、彼が指揮するクラブ、PSVが欧州チャンピンズリーグの準々決勝に進出しても、それは驚くほどのことではない。
2002年のワールドカップ(W杯)で韓国代表を準決勝に導いた後、オランダに戻ったヒディンクは、李栄杓(イ・ヨンピョ)と朴智星(パク・チソン)の2人を呼び寄せた。
パクはもちろん京都パープルサンガで素晴らしい成功を収めていたが、今シーズンはPSVでも、京都で見られたような最高の調子を維持している。
PSVにはもう1人、とても興味深い選手がいる。俊足の米国人、ダマーカス・ビーズリーだ。
私は2002年W杯で米国の試合を2試合観戦したのだが、そのサッカーの質の高さとともに、個々の選手の成熟度、そして能力にとても感心させられた。
米国はセカンドラウンドの初戦「CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)ダービー」のメキシコ戦は2−0で制したものの、準決勝では残念ながらドイツに0−1で敗れた。
三流のブラジル人選手やJリーグのスタイルになじまない、あるいはなじもうともしない選手に相変わらず大金を投じているJリーグのクラブは、米国を新しい青田買いの地と考えたてみてはどうだろう。
先日、マリノスの練習グラウンドで、この件についてキーパーコーチのディドとおしゃべりをした。
この大柄のオランダ人は米国で指導をした経験があり、そこで出会った若い選手たちの技術レベルやサッカーの知識に驚かされたそうだ。
ディドは、ボスである岡田武史に、米国で才能のある選手を見てくるように勧めたそうで、たぶん岡チャンは多忙をきわめるスケジュールの合間に足を運ぶだろう、ということだった。
私は、米国の選手は日本で大成功すると思っている。
何よりも、彼らは自分の国を代表しているという意気込みを持ってプレーし、米国をサッカー(かの地ではフットボールではなく、サッカー)の国として認識させようとするだろう。その姿勢は第一級だ。
また、米国の選手は体調管理がしっかりしており、良い指導も受けているので、Jリーグのレベルでは魅力的な戦力となるだろう。それに、フィジカルが強いので、日本人選手にとっては難敵となるはずだ。
金銭的にも、ほとんどのブラジル人選手よりはるかに安く済むだろうし、支払った金額以上の価値を見せてくれると思う。
日本と米国は強く結びついているのに、Jリーグのクラブがメジャーリーグ・サッカーというマーケットに目を向けないのが不思議でならない。
まあ、そのうちどこかのクラブがあっと驚くような移籍劇を見せてくれるのではないかという期待は持っていたい。
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