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小笠原と玉田のアピールは功を奏する?

2005/02/03(木)

カザフスタン戦はあまりにも一方的な内容で、日本代表の選手たちにとって良い調整となった以外は、あまり価値のないものだった。
しかし後半15分、私にとって特別な瞬間があった。
小笠原が玉田にスルーパスを送り、そこへ走り込んできた玉田が左足で強烈なシュートを放ってこの夜の自身2点目、チームとしてはスコアを4−0にするゴールを決めたときのことだ。
(それにしても、玉田の1点目が右足のシュートだったとは信じられない。でも、ビデオを見ると確かにそうなんだ!)

このときの2人の連係は本当に見事だった。
小笠原は一級品であり、ここ数年間ずっとそうだ。
視野が広く、技術がある。両足で自在にプレーできるし、厳しいタックルもできる。そして1対1にも強い。フィリップ・トルシエはユースチームの頃から小笠原の大ファンだったが、それも頷ける話だ。
実際、トルシエが中田浩二と小笠原のマルセイユ同時移籍を目指さなかったのが、私には意外でならない。

玉田については…。そう、初めて見たときから強い印象を受けていた。
玉田は左足のプレーが魅力的で、ファースト・タッチも素晴らしく、ディフェンスの背後のスペースを突く見事なスピードもある。
ここに小笠原の素早いパスが備われば、2人のコンビが対戦相手にとって大きな脅威となるのは間違いない。

ただし、来週の北朝鮮戦に2人のいずれかが出場するかどうかは分からない。
3−5−2のシステムを採用する場合、ジーコが俊輔をプレーメーカーに起用するのは確実で、小笠原が先発出場する可能性はごくわずかである。
前線では、ジーコの構想においては鈴木がフォワード陣の中心で、実際、鈴木は代表チームで素晴らしい働きを見せている。鈴木は攻撃の最前線に立ち、チームにまとまりを与える存在となっている。チームメートのためにボールをキープすることもできるし、ゴールを狙う嗅覚も鋭い。
とはいえ、ヨーロッパから大久保と高原を呼び戻した場合には、鈴木と高原がワールドカップ予選用のコンビとなり、俊輔が中盤でパス供給の役目を果たすことになるだろう。

先週書いたように、ジーコにとっては厳しい選択を迫られる場面が続く。
このブラジル人監督が、海外でプレーしている選手が最高だと感じているのは確かで、良い選手でなければそもそも海外でプレーできないわけだから、その意見も理解できる。
しかし、2月9日のスタメンに向けての小笠原と玉田のアピール――実際、2人ともシーズン始めにもかかわらず良く仕上がっていたし、相互理解もできていた――もとても強力だった。
そのアピールが功を奏さないのだとしたら、テストマッチに意味はあるのだろうか?

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