« オマーンでの鈴木通訳の退席処分について | トップページ | ナビスコカップ決勝戦を前にして »

ジーコの役に立たないアイデア

2004/11/01(月)

以前、あるドイツ人ジャーナリストが、「FIFAのゼップ・ブラッター会長は毎日50のアイデアを思いつくが、そのうちの51は役に立たない」と書いていた。
ワールドカップ・アジア1次予選グループ3での日本の最終戦、11月17日のシンガポール戦でジーコが「黄金のベテランたち」を起用するプランを立てていると知った時、このフレーズを思い出した。

J1の16チームの多くはこのアイデアに反対のようで、その意思をJFA(日本サッカー協会)技術委員会の田嶋幸三委員長にはっきりと伝えた。

そりゃあそうだよね。
クラブの意向が考慮されてしかるべきだし、ジーコが代表選手の発表を行なう前に、プランそのものが取り下げられて欲しいと思っている。
報道によれば、ジーコが母国で今も続けている、おなじみの休暇から帰ってきたら、田嶋委員長がこの件について伝えるそうだ(来年に向けて自分のチームをさらに強化したいのなら、ジーコはJリーグの若き才能をチェックしたほうが良いのに、と私は思った)。

そんなわけで、過去ではなく、未来に向けての取り組みを進めている日本サッカー界の人々の希望がまったく潰えたわけでもないのである。
私は、当初からこのプランに反対である。とても多くの疑問点が浮かび上がってくるからだ。
たとえば、もしゴン中山がシンガポール戦で3ゴールを上げたらどうするのだろう? どのような理由をつけて、ジーコは彼を次戦のメンバーから外すのだろう?
もしキング・カズが、国立で6−3で勝利した1997年のウズベキスタン戦のように、4ゴールを決めでもしたらどうするのだろう? これまたどのような理由をつけて、ジーコは次戦でのカズの招集を見送るのだろう?

私は、こんな馬鹿げたプランはないと思っているが、嬉しいことに、他のJ1チームの多くも同じように考えている。JFAはこのプランを阻止すべきである。
シンガポール戦は、ジーコにとって、何人かの新顔にワールドカップ予選を経験させる、願ってもないチャンスなのである。
日本はすでに楽々と最終予選進出を決めているから、“次のラウンドへの予選”という意義はなくなってしまったが、それでもこの試合がワールドカップの予選であることには変わりはない。つまり、プレッシャーや期待を背負って戦う試合なのである。
何人かの新しい選手を試すのに、これ以上のチャンスが今後ジーコに訪れるだろうか? ジーコはいつも、ワールドカップまでに選手を見る時間が少なすぎるとこぼしていたのに、いざチャンスが来たら、功労者を感謝する試合に変えようとしているのである。

それから、ヨーロッパにいるスター選手を呼び戻す必要もない。
最後に、私が選んだシンガポール戦の日本代表を記して終わりにしよう。

固定リンク | | コメント (0)

コメント

この記事へのコメントは終了しました。