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大久保なら、大丈夫!

2004/11/11(木)

大久保嘉人がヨーロッパでのプレーを目指す日本人選手のリストに加わることになったのは、当然の帰結と言える。
現時点(※編集注:8日時点)では、どうやらスペインが大久保の移住地になりそうである。もっと正確に言えば、スペインの保養地であるマジョルカ島である。
福岡県出身でセレッソ大阪に所属する22歳の火の玉小僧にとって、これは大きな飛躍のチャンスだろう。スペインの1部リーグはおそらくヨーロッパで、そして世界で最高のリーグだからだ。
若き大久保が6か月間のレンタル契約でマジョルカに移籍するとして。さて、大久保には成功できるだけの資質が備わっているのだろうか?

少し前から、私はこの質問をJリーグの選手や監督たちに幾度となく投げかけているのだが、みな一様に、こう答えた。
「大丈夫。大久保にはヨーロッパで成功できるだけの資質が備わっているよ。」

うまく契約がまとまって欲しいなと思っている。スペインの大舞台で大久保が実力を発揮し、成長してゆく姿を見るのが楽しみでならないからだ。
大久保がみんなから好かれる理由は、そのひたむきさにある。
ゴールを決めることをひたすら愛し、自信と信念を持って相手ディフェンダーをかわし、シュートを放つ。
どんなストライカーでも、たとえロナウドでもミスすることはあるのだが、大久保はそれをいつまでも悔やみ続けたりはせず、ひたすら挽回を目指すのだ。
日本では、明らかにシュートのチャンスという時に、ボールを思い切り蹴らずにワンタッチしようとして、ディフェンダーのタックルを受けたり、自分で責任を負わずにチームメートにパスやクロスを送ろうとするシーンがあまりに多い。

でも、大久保はそうじゃない。
大久保は自分が何をしたいのかを知っていて、ゴールがどこにあるのかも知っている。スペインでも、大久保はこの冷酷な、殺し屋のようなプレーを続けなければならない。
君のことをどん欲だとか、自分勝手だとか言う人たちに耳を貸す必要なんかないんだよ、嘉人!
君はストライカーであり略奪者だ。仕事はゴールを奪うこと――しかもできるだけ多く奪うことなんだ。

もちろん、大久保にはもう1つ別の一面がある。過去に何度もトラブルに首を突っ込んでしまったということだ。
問題は彼の気性、怒り、不満であり、1人の選手が一人前のサッカー選手、そして一人前の男になるための成長途上にあるということなのである。
いま大久保がしなければならないことは、エネルギーを正しい方向に向け、日頃から感情を爆発させないように努め、自分の仕事に集中することなのだ。

スペインでプレーすることは、こうした部分でも助けになるだろう。第一に、レフェリーやアシスタント・レフェリーには日本語の暴言を理解できない。第二に、大久保もJリーグのときのように井の中の蛙ではいられないからだ。
大久保の攻撃性やパワーに驚くスペインのディフェンダーも、少しはいるかもしれない。だから、彼が移籍後すぐにいくつかゴールを決め、チーム内で確固たる地位を築けるように願おうじゃないか。

散々な立ち上がりであったマジョルカも、今後は新監督のエクトル・クーペルのもとで順位を上げてゆくことだろう。
そのとき大久保がチームに貢献できているようなら、夏には完全移籍が実現するかもしれない。

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