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2004年9月

最高の選手、中田英寿の日本代表でのポジションは?

2004/09/30(木)

読者の皆さんのほとんどは、中田英寿がいまでも日本で最高の選手であるという意見に同意するのではないだろうか。
小野伸二こそが最高だと言う人もいるかもしれない。その意見ももっともで、中田と小野の二人はヨーロッパでもその実力を認められ、際立った存在となっている。
しかし、多彩な才能を持つ中田の不在は日本代表チームに影響を及ぼすのだろうか?
今回はとても興味深い状況となっており、明らかにジーコは、10月13日にマスカットで行なわれるオマーンとの大事なワールドカップ予選に中田を急いで再招集する必要はない、と判断したのである。

ジーコの就任当初、私は、この新任の、経験不足の代表監督はあまりにも中田に依存しすぎると感じていた。
中田はキャプテンとプレイメーカーと実質的な副監督の役割を一度にすべてこなしていた。実際、中田のほうがジーコよりたくさん指示を出している代表練習もあったほどだ。
主力選手に頼るというジーコの方法は、前任のフィリップ・トルシエがなんとしても避けたいと考えていたシナリオであり、日本はチームとして機能しない状態であった。
トルシエにとっては中田も1選手に過ぎず、チームでの価値は松田や森岡、中田浩二と同じ、つまりは戸田と明神の関係のようなものであった。

中田がいない時のほうが、ジーコ・ジャパンはチームとしてまとまっているように見えるが、それは負担がより均等に分散されるからである。
また、フォーメーションも4−4−2から3−5−2に変更された。日本選手はこのスタイルのほうがはるかにプレーしやすいように見える。
中田の存在を少し脅威に感じる選手もいるかもしれない、という考えもあるだろう。ピッチでの中田は強烈な個性を発揮するからだ。
もちろん、これは中田が悪いのではない。選手は自信をもってプレーし、必要な時にコミュニケーションをとり、チームを鼓舞しなければならないのである。

日本が引き分けでアジア最終予選に進出できるオマーンでの試合は、中村が復帰し、3−5−2のフォーメーションのプレイメーカーを務める。
中田が脚の付け根のケガから完全復調すれば、ジーコはチーム最高の選手であり、キャプテンである彼をどのように遇するのだろう?
以前にも言ったことだが、もしジーコが3−5−2のフォーメーションを維持することを望み、さらに俊輔をプレイメーカーに、小野と稲本を守備的ミッドフィルダーに、アレックスを左ウィングに起用し続けたいのであれば、中田に残されたポジションは1つしかない。加持の代わりの右ウィングである。
パルマでの中田の2シーズン目は、本人は中央に近い位置でのプレーを望んでいたものの、悪くはなかったので、私は日本代表の右ウィングでも中田は立派な仕事ができると思う。
しかし、それは先の話。
オマーンでは、日本は最終予選進出に必要な引き分けを得るだろう。私の予想は、0−0だ。

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“99年ワールドユース組”から脱皮する播戸

2004/09/27(月)

1999年、ナイジェリアで開催されたワールドユースに出場した日本ユース代表を振り返ってみるのはいつも興味深く、時には驚きさえある。
日本ユース代表は決勝へ進出し、スペインに敗れた。そのメンバーのうち何人かはその後、日本代表としてプレーしている。
加地亮、中田浩二、遠藤保仁、小笠原満男、本山雅史、高原直泰、そして永井雄一郎がそうである(小野伸二は1998年フランスワールドカップ、対ジャマイカ戦ですでにA代表の試合に出場していた)。
フィリップ・トルシエ監督指揮下のU−20チームのもう1人が、今季ヴィッセル神戸で活躍している播戸竜ニである。

現在25歳の播戸は今シーズン19試合に出場して12ゴールを挙げている。これはガンバの大黒将志に次いで、日本人選手得点ランキングの2位である。
彼の直近のゴールは木曜日、国立霞ヶ丘競技場で行なわれ、2−2の引き分けに終わった対横浜F・マリノス戦で挙げたヘッドでのゴールである。
彼には2点目を決めるチャンスもあったのだが、彼のPKは左へ飛んだ榎本達也に阻まれてしまった。
後半に入り2枚のレッドカードで栗原と久保を退場で失い、9人となったマリノス相手の引き分けだったが、ヴィッセルは勝点を獲得できたことにまずは満足したようだ。

試合後、ヴィッセルのイワン・ハシェック監督は「シーズン当初、彼は交代要員だった。しかし今や彼は日本でも屈指のプレーヤーだ」と播戸を褒めちぎった。
「彼は勝利への執念を持っており、ゴールを狙うことに対する自信は毎試合、毎トレーニングのたびに大きくなってきている。」
ジーコ監督に代表メンバーとして選出されても良いのでは?との質問には、次のように答えた。
「私は日本代表監督ではない。もちろん彼にはヴィッセルに残ってもらいたいと思っている。」
そしてハシェック監督は、播戸は日本でもトップクラスのスコアラーであり、この調子でいけばもっと成長できると付け加えた。
「最近では多くの人が彼のプレーをほめている。しかし過大評価は日本人選手に間違いを犯させることもある。彼は今の姿勢を変えるべきではない。常にシンプルでいなければね。」
このまま得点を重ねていけば、播戸は次に日本代表メンバーとなる99年ワールドユースチームメンバーになるだろう。

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浦和にとっても痛い山瀬の負傷

2004/09/23(木)

今日(9月22日)は山瀬功治の23回目の誕生日である。
ただし、浦和レッズのプレーメーカーが誕生日を祝う気分かどうかは分からない。シーズンを台無しにしてしまうようなケガをヒザに負ってしまったからだ。
左ヒザを負傷したのは4−1で勝利した土曜日のアルビレックス新潟戦で、復帰まで5〜6ヶ月の時間が必要なようだ。

この才能ある若手選手が残酷な運命に見舞われたのはこれが2度目で、コンサドーレ札幌在籍時の2002年にも、右ヒザの故障によりシーズン途中での離脱を余儀なくされている。
当時、山瀬を高く評価していた浦和は2003年のシーズン前に彼を獲得。山瀬はリーグ戦24試合に出場した。
エレガントなボール扱いを見せるミッドフィルダーはレッズの今季セカンドステージ開幕5連勝に貢献し、チームは勝点2差で首位に立った。
しかし突然、山瀬のシーズンは終わりを告げ、チームはこれからリーグ戦、ナビスコカップ、そして天皇杯の3冠を目指して戦わなければならない状況にある。

レッズの次の試合は木曜日、味の素スタジアムで行なわれるアウェーのFC東京戦だ。
祝日の夜に飛田給のスタジアムで行なわれる試合には、満員の観衆が詰めかけることが予想される。
FC東京は勝点7で5位に位置し、浦和とは8ポイント差。またこの試合は、11月3日のナビスコカップ決勝の前哨戦であるとも考えられる。
レッズは名古屋と、FC東京はヴェルディと準決勝で対戦することになっているが、この両チームが決勝に勝ち上がる可能性が高そうなので、木曜日のリーグ戦はナビスコカップ決勝でどちらが心理的優位に立てるかを決める試合でもあるのだ。

もっとも、今の山瀬にできるのは来シーズンを目指すことだけである。
最初の大ケガのとき、山瀬は驚異的な回復力を発揮し、あともう少しでアテネ・オリンピックの日本代表の座を獲得するところまできた。つまり、山瀬には、このような状況に対応してきた経験があるのだ。
とはいえ、山瀬本人にとってもチームにとっても、これはとても大きな痛手だろう。明らかに、山瀬はJリーグで最も天賦の才に恵まれた選手の1人だからだ。
かなり前のことだが、かつてエスパルスとレイソルで監督を務めたスティーブ・ペリマンが、札幌でプレーしていた山瀬と堀井をベタ褒めしていたのを思い出す。トットナムの元キャプテンは、一目見ただけで良い選手が分かるのである。

すべてのレッズファンが、つらい状況にある山瀬の誕生日が素晴らしい日となるように祈っていることだろう。

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監督の信頼に応える大黒

2004/09/20(月)

普通のファンならメディアサービスというものにはあまり興味をもたない。しかし、Jリーグは特にこの分野に優れているといわれている。
1年のハイライトの1つ、メディアカンファレンスは新シーズンがスタートする数日前に開催される。
ここにはJ1、J2の全監督が出席し、メディアのインタビューを受ける。
これはJリーグによる素晴らしいアイデアである。TV、新聞、雑誌、そしてラジオと、全てのメディアに新任の監督と会う機会を与え、そして旧知の監督とは再び親交を温める良い機会になる。
私が今回この話を引き合いに出したのは、ガンバ大阪の大黒将志のことがあったからである。

2003年のシーズン(今シーズンではない)が始まる前、私はガンバの西野監督にメディアカンファレンスでインタビューした。
私は2003年のJリーグではガンバ大阪が優勝するだろうと思っていた。そして監督のコメントが欲しかった。
私たちは彼の予想ラインナップについて話をした。そしてフォワードの話になった時、私は、吉原か中山にマグロンとコンビを組ませてはどうかと提案した。

吉原は1999年のオリンピック予選の時の代表メンバーで、当時のフィリップ・トルシエ監督から“日本のロマーリオ”と評されていた。一方、“ガンバのゴン”こと中山も、韓国・釜山で行なわれた2002年アジアカップで素晴らしいゴールを決めていた。
しかし西野監督が推したのは、正直よく知らない選手だった。
その選手こそ、大黒将志であった。
それ以来、私は常に彼に目をつけていた。彼は左のフォワードとして勤勉に、そして集中してプレーしていた。
先シーズン、ガンバはリーグ優勝を果たすことはできなかった。ただ、大黒は10得点を挙げた。

今シーズン、ガンバはセカンドステージ4連勝。浦和レッズと勝点わずか1差の2位につけており(第4節終了時点)、大黒は14得点をマークしている。
彼は日本人最多のゴールを挙げており、15試合で18得点をマークしているゴールマシーン、エメルソンに次いで得点ランキング2位である。
大阪出身の24歳、大黒はガンバのジュニアユース、ユース、そしてトップチームと進み、1999年3月にJリーグデビューを果たした。

Jリーグの公式ホームページによると、大黒は73試合に出場して通算26ゴール。これは3試合に1ゴール以上、すなわちゴールゲッターとして成功といえるかどうかの境目の数字である。
先週土曜日の彼の柏レイソル戦での2ゴールはどちらも近い距離からのものだったが、彼のコンシスタントなゴール率は、西野監督が長い間彼を信頼していた証である。
ガンバはこのままガンバっていけるであろうか?
関西のためにも私はそう願いたいところだ。

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進化しつづける大久保嘉人

2004/09/16(木)

セレッソ大阪は、あとどれくらいの期間、チーム最高のストライカーである大久保嘉人を保有できるのだろう?
22歳のアテネ五輪代表選手は土曜日にも見事なゴールを2つ決めたが、チームは後半の途中まで3−1とリードしていたにもかかわらず、鹿島アントラーズに3−4で敗れた。
大久保がその魅力的な潜在能力を全開させるためには、遅かれ早かれ、というより早い時期に居心地の良いJリーグを抜け出すべきで、年末に移籍市場が開かれた時にはヨーロッパへ移籍して当然だろうと感じざるを得ない。

アントラーズ戦での大久保の1点目は見事であった。1998年のワールドカップ、イングランドのポール・スコールズがマルセイユでのチュニジア戦で見せた右足の素晴らしいシュートをほうふつさせた。
大久保はアントラーズのペナルティ・エリアの隅にスペースを見つけた。前途有望な新人である古橋がボールを供給すると、大久保が放ったシュートは曽ヶ端の伸ばした腕のはるか先を進み、ファーサイドのゴール隅に突き刺さった。
私の見間違いではないと思うのだが、ゴール裏のアントラーズファンの数人が拍手を贈っている姿も見えた。アントラーズファンが相手チームをもてなすのはあまりないことなので、これはまさに驚きであろう。

後半の2点目はきわめて困難な状況下で決められたものであったが、やはり上質のフィニッシュだった。
この時は、抜け目ないベテランの森島が絶妙のパスでチャンスを演出した。
大久保は完ぺきなタイミングでスタートを切り、2人の相手ディフェンダーの間を切り裂くように直進し、まるで勝負を誘いかけているようであった。もしディフェンダーが勝負をしていたら、少し触れただけで大久保は芝生の上に倒れ込むことになり、ディフェンダーはレッドカードを避けられなかっただろう。
2人のディフェンダーもこのような危険を察知したのかもしれない。大久保は2人もろとも振りきり、ゴールに突進。またも曽ヶ端を翻弄し、冷静にゴールを決めた。ゴール裏の熱心なセレッソファンは、わざわざ遠くまで遠征してきて良かったと思ったことだろう。

しかしこの日はアントラーズも素晴らしいゴールをいくつか決めた。特に、ドリブル突破からキーパーの脇を破ってニアサイドの下隅に決めた野沢の同点ゴールは注目に値するものであったし、そのあとには、右サイドから切れ込んで、左足でファーサイドの隅に決めた深井の勝ち越しゴールがあった。
アントラーズファンにとっては至福のゴールだったが、セレッソにとっても、大久保個人にとっても、これは辛いゴールであった。
しかし、これらの素晴らしいゴールは今後も人々の記憶に残ることだろう。

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最大の試練に立ち向かうジーコ監督

2004/09/13(月)

ここまでは順調だ。
ジーコ監督と日本代表は、ここまでの2006年ワールドカップの予選についてそう感じていることだろう。
グループ3の4試合で最高の勝点12を挙げ、すでに8チームによる最終予選へ片足を突っ込んでいると考えがちである。
しかしそれはまったく見当違いなのかもしれない。
勝点わずか3差でオマーンが控えており、10月13日に行なわれるグループ3の第5節ではマスカットでオマーンが日本を迎え撃つ。
2002年7月にジーコ監督が日本代表監督に就任して以来、最も重要な試合であることは疑うべくもない。

水曜の夜、シンガポールでの2−0の勝利の後、オマーンはすでにこの重要な一戦のことを考えていた。
オマーンがマスカットの母国サポーターの前で勝つ事ができたとしたら、日本代表のこれまでの成果は無駄になってしまうかもしれない。
オマーンはスター選手が勢ぞろいした日本代表チームを、たとえ彼らがアジアチャンピオンであるとしても恐れたりはしない。
彼らは埼玉でのワールドカップ予選、そして、中国でのアジアカップでのグループリーグで敗れた(両方とも日本の1−0)のはアンラッキーだったからだと考えている。
この湾岸の小さな国は、日本を破って最終予選へ進んだ場合(8ヶ国中4.5ヶ国がドイツへ行く。ここでいう4.5ヶ国とは4つの出場枠と、北中米・カリブ地区とのプレーオフ出場の1ヶ国のことである)、選手たちに高額の報酬を約束しているに違いない。

ロスタイムの久保のゴールで敗れた埼玉での試合の後、オマーンは日本と総得点で並ぶだけのゴールを決めてきた。
4試合を終え日本は14得点、失点はシンガポールでの1点のみ。一方のオマーンは14得点、2失点である。
しかし日本代表の中国での経験、そして水曜日のコルカタでの経験は、マスカットでの彼らの戦いで大きな糧となるだろう。彼らがもしこの試合に勝てないとするならそれは大きな驚きである。
日本代表にとって、1次予選を勝ち抜くには仮に引き分けでも充分ではあるが、日本代表は僅差で勝ち、グループ首位になってくれるだろうと期待している。
そして2005年、各グループ勝者の8ヶ国が4ヶ国ずつ2つのグループに分けられ、ホーム&アウェー形式での対戦が始まった時、本当の戦いが始まるのだ。

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俊輔なしでも、大丈夫

2004/09/09(木)

日本は中村俊輔がいなくても、水曜日にコルカタで行なわれるワールドカップ予選のインド戦は問題なく勝利できるだろう。
アジアカップのMVPは腰の故障で代表から外れたが、日本代表にはまだそれを補うのに充分なタレントが揃っている。
中国で開催されたアジアカップでは、中村の正確なフリーキックとコーナーキック、そして相手ディフェンスを切り裂く鋭いパスが日本優勝の原動力となったのは確かだ。
(ただし、私が選ぶのなら、大会のMVPはやはり中澤だろう。ディフェンダーの価値も認められるべきだからね。)

鋭くカーブするコーナーキックやフリーキックを持つ俊輔がいなくても、左利きの巧いキッカーなら、ジーコにはアレックスもいる。
調子の良い時には、アレックスもとても危険な選手となる。しかし何度も気になっているのだが、今シーズンは右サイドからのコーナーキックはしっかりとボールにミートせず、ニアポストのディフェンダーの頭を越せないことが多い。
ニアポストを狙うのがレッズの作戦なのかどうかは分からないが、ジーコなら必ず、高いボールを上げて、ファーポストの中澤に合わせるようにアレックスに指示するだろう。

他の代表候補では、柳沢も代表を辞退した。
ただし、柳沢を非難することはできない。
柳沢は自分が先発でプレーしないことを分かっているし、イタリアのシーズン開幕に合わせて、新しいクラブのメッシーナで練習を重ねるほうがはるかに重要だと感じていることだろう。
私はいつも柳沢を高く評価しているし、不遇の時期にもずっと注目してきたが、柳沢の欠場もやはり日本代表の痛手とはならないだろう。
つまりは、Jリーグは非常に多くの優秀な選手を輩出しており、日本代表で起用しても直ちに良い仕事をして見せる実力を持った選手があらゆるポジションで揃うようになった、ということだろう。最近の玉田がその一例だ。

インドは、最高の選手であるバイチュン・ブティアがケガで欠場する見込みだ。イングランド人のスティーブン・コンスタンチン代表監督はブティアについて、入れ墨はしていないが、「インドのデイビッド・ベッカム」と表現していた。
ブティアはインド代表のリーダー的存在で、中村や柳沢が欠けても日本にはさほど痛手にはならないのに対して、インド代表にとってはブティアの欠場は大きな痛手になるだろう。
今回はジーコ・ジャパンの楽勝が予想されるが、来月に控えたマスカットでのオマーン戦の参考にはならないだろう。

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稲本に与えられた新たな希望

2004/09/06(月)

稲本潤一の将来が不確実なものに見えていたまさにその時、ウェストブロムウィッチ・アルビオンが彼にプレミアリーグでもう一度プレーするチャンスを与えた。
対イングランド戦での負傷、そして2年のレンタル契約終了に伴うフルハムからの放出と、イナは彼の将来についてとても不安だったことだろう。
しかし、彼のフルハムでの頑張りはウェストブロムを感心させるに充分であり、移籍申請期間(8月31日)の終了直前での契約となった。
彼が出場を果たすまで移籍金20万ポンドは支払われず、さらには2005年1月1日までに出場が果たせなかった場合は一銭も支払われないのだが、イナには楽観できる理由がいくつもある。
今回の移籍はレンタルではなく完全移籍で、期間は2年半。1年間の契約延長オプションがついている。
これこそイナが最も必要としていたものであろうと私は思う。

アーセナル、次いでフルハムへレンタル移籍したイナ。彼は自身の将来のため、何とか雇い主を感心させようと毎試合戦っているように見えた。
しかしウェストブロムに合流し、契約が進んでいくにつれて、彼はようやく“チームの一員”になれたと感じるだろう。またこのことは彼に自信を与え、ここまで毎試合彼が背負ってきたプレッシャーを取り払ってくれることだろう。

ウェストブロムの今シーズンの出だしは良いと言えない。しかし現役時代稲本とよく似たタイプのMFだったガリー・メグソン監督は今夏何人かの良い戦力を補強した。
ミドルスブラからMFジョナサン・グリーニング、アーセナルからはナイジェリア代表FWのカヌ、カーディフからはウェールズのストライカー、ロビー・アーンショウをクラブ史上最高額の300万ポンドで獲得。そしてさらにアトレティコ・マドリードからレンタル移籍でルーマニア代表の右サイドバック、コスミン・コントラを獲得した。

ウェストブロムはノーリッジ、クリスタルパレスと並んで昇格したが、ワールドサッカーマガジンの記事によれば、この3チームの中でウィストブロムはコカコーラ・チャンピオンシップと改名された1部リーグへの再降格をまぬがれ、プレミアリーグに残留を果たすだろうという。イナは故障回復への意欲も高まるだろうし、イングランドでの存在感も感じることだろう。
3シーズンのレンタル期間を経て、彼のこれまでの頑張りが報われる時が来たのだ。

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インド人記者、日本の楽勝を予想

2004/09/02(木)

私は、日曜日の午後に予定されているオリンピック閉会式のメディア用チケットを求める列にいた。背後には、2人のインド人記者。
私たちはおしゃべりを始めた。
オリンピックの話だろうって?
まさか!
それよりはるかに重要なこと。ワールドカップの話である。
もっと詳しく言えば、9月8日にコルカタで行なわれる日本対インド戦の話題だ。

「日本は、スター選手を全員招集するの?」と聞かれた。
私は「わからない」と答えた。「しばらく代表チームを見ていないから。でも、ワールドカップの予選だから、ジーコは最高の選手を揃えたいと思っているだろうね。」

2人のインド人記者によれば、ジーコが誰を連れてこようが関係ないそうだ。どっちにしろ、日本代表が勝つのだから。
「2−0か3−0の負けなら、インドにとっては悪くない結果じゃないかな」と、インド人記者の1人が言う。「日本では7−0だったよね?」
私が「波乱の可能性はないのかな?」訊ねると、「ないね」という答えが返ってきた。「日本が5点差以上で勝てなかったら、波乱ということになるのかもね。」

でも、敵意をむきだしにした、地元の大観衆が影響を与えやしないかな?
「クリケットの試合じゃないからね。」もう1人のインド人記者が言った。
「観客は、5千人か、まあせいぜい1万人くらいじゃないかな。インドが勝てないって分かっているのに、自分たちのチームがやり込められるのをわざわざ見に行ったりはしないだろ?」

私は、ソルトレイク・スタジアムで試合が行なわれるのではないかと思っている。そのスタジアムなら、たぶん10年くらい前に、アジアクラブ選手権のイーストベンガルとサウスチャイナの試合を観戦に行ったことがある。当時、私は香港で仕事をしていて、香港のチャンピオンチームに帯同して取材をしていた。
ソルトレイク・スタジアムは、コンクリート製で、だだっ広くて、飾り気のない、中国でよく見るようなスタジアムだ。
その試合では観客は2、3千人しか入っていなく、サウスチャイナが1−0で勝ったが、身の危険を感じた記憶が今も残っている。

怖かったのは、インドのフーリガンではなく、一般のインドの人々がスタンドの上部から投げつけてきた爆竹だった。
爆竹があちこちで爆発しており、サッカーを観戦するのに好ましい環境ではなかった。
爆竹が顔の真ん前で破裂するときの怖さは、経験した者でないと分からない。
だから、カルカッタまで出掛ける日本人のファンの皆さん、気をつけて下さい。インド人は試合前の君が代演奏中にブーイングはしないだろうが、あたり構わず爆竹を投げてくるかもしれない。
もちろん、爆竹そのものには他意はなく、とても楽しいものなのだが、誰かがやけどをしたり、失明したりする危険を考えると、そうも言っていられない。

インド人記者によると、ピッチは、音楽のコンサートや他のイベントで受けたダメージを修復するために、2ヶ月間使用されていないそうだ。
「ピッチがひどい状態で、暴風雨で、日本人選手が走ることもパスすることもできなければ、インドにも勝つチャンスがあるだろうね」インド人記者の1人が笑いながら言った。
コルカタ(カルカッタ)まで遠征する日本のファンの皆さん、爆竹が破裂し始めたら危険を避けよう。
そして、日本の勝利に賭けましょう。まあ、4−0くらいが妥当なところかなあ。

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