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「3人目の松井」にうってつけのルマン

2004/08/26(木)

どうやら松井大輔が海外移籍を目指す次の日本人選手になりそうだ。
ここアテネでインターネットから得た情報によると、フランス2部リーグのルマンが京都パープルサンガの松井獲得に熱心なようだ。

数ヶ月前、横浜F・マリノスの練習グラウンドで、私は松井のエージェントである田辺さんとおしゃべりをした。
田辺さんは、松井はオリンピック後に日本を離れる可能性があり、フランスが移籍先の有力候補になっている、と言っていた。
2年前にツーロンのU−21大会で目を見張るプレーを見せた松井は、今なおフランスで好意的に記憶されているのだろう。
私の記憶では、同じ大会で頭角を現し、やがて国際舞台で素晴らしい活躍をするようになった選手がもう1人いる。その選手の名前は、ポール・ガスコインといった。
紛れもなく、松井は巧くて、エレガントなプレイヤーである。
数シーズン前に京都パープルサンガでプレーする姿を見て以来、私はずっと彼のバランスとボール・タッチに感心している。

オリンピックの少し前に、私は、かつての京都パープルサンガ監督で現在は浦和でギド・ブッフバルトのアシスタント・コーチをしている、ゲルト・エンゲルスとゆっくり話をする機会を持てた。
エンゲルスは、自分ならオリンピックの代表に真っ先に松井を指名する、と語った。松井はオリンピックのような大会では価値のある選手なのだそうだ。
エンゲルスは、松井にはスタミナと体力、それから持って生まれた才能があることを指摘し、このような資質がタイトなスケジュールを戦うチームに不可欠だ、と語った。
(ここで言っておきたいのは、エンゲルスの発言は、自分のチームの山瀬より松井を選ぶということではなく、自分が良く知るプレイヤーに関する個人的な評価にすぎない。)

田辺さんとのおしゃべりに話しを戻そう。彼は、Jリーグからヨーロッパへ移籍する日本人選手はいきなり高いレベルに挑戦しないほうが良いのだと話していた。ヨーロッパの試合はフィジカル面での負担がさらに大きくなるし、心理面でもより迅速な切り替えが要求されるからだ。
したがって、ルマンは松井にとって相応しい出発点となるし、ルマンなら、いちばん大切なことである、毎週プレーする機会も得られるだろう。

ルマンでの1シーズンでしっかりとした地歩を築いたあとは、どうすればいいのだろう?
マルセイユ? パリ・サンジェルマン? それとも、リヨン、モナコ?
フランスのクラブは、ヨーロッパのビッグで魅力的なリーグ、つまりスペインやイングランド、イタリアのリーグに移籍するための格好の土台となっているが、松井には我慢することも求められるだろう。
何事も一夜では成し遂げられないのである。
ルマンはヨーロッパでのキャリアの出発点であり、ゴールではない。ルマンは、松井がヨーロッパの地で選手および人間として適応し、成長するチャンスを与えてくれるであろう。
松井には才能があり、本人も自信をもっていることは疑うべくもない。ただ今後の松井は、安定したプレーを続けられるようになり、さらに派手なプレーをする時と確率を重視して堅実にプレーすべき時を、慎重に見極められるようにならければならないだろう。

この移籍が実現すれば、面白いことになる。
海外で3人の松井がプレーすることになるのだ。ゴジラ松井とリトル松井、そしてパープル松井である。

*このコラム(原文)は8月24日に書かれたものです

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