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理解に苦しむ久保のキリンカップ代表選出

2004/07/05(月)

代表監督を務めるという事は色々な理由で難しいものである。
一つは、高給の選手たちを代表チームに出してくれるクラブチームとの信頼関係を築かなければならない事である。
今週の久保竜彦の場合を例にとってみよう。

彼が故障している事は周知の事実だが、それでもジーコ監督は彼をキリンカップ代表チームに選出した。
横浜F・マリノスが、故障中の右膝を休ませるためにも彼を代表から外してもらいたいと日本サッカー協会に要請した後だというのに、だ。私にはジーコ監督が何故彼を選んだのか理解できない。
木曜日の朝、久保の選出を知らされたマリノス側は驚き不快感をあらわにした。
膝の調子によっては、キリンカップでは先発メンバーとして使わないとジーコ監督は語ったが、それでも2週間くらいは休ませるべきだったのではないだろうか。

6月9日のワールドカップ予選でインドを7−0で破った後、マリノスの岡田武史監督は、久保には2〜3週間、ファーストステージ終了までの休養が必要だと言い続けてきた。
さらに岡田監督は、彼が100%の状態に戻らないのであれば、中国で行なわれるアジアカップでもプレーさせないとさえ言っていた。

ジーコ監督のやるべき事は、マリノスの要望を受け入れ、久保にしばしの休養を与える事だった。
キリンカップはしょせん、7月9日にスロバキア(タイと並んで世界ランキング61位)と、13日にセルビア(同44位、ただし侮れる相手ではない)と対戦する親善試合なのだ。
それにフォワードは他にも、2002年ワールドカップのFWコンビ、鈴木と柳沢、巧みで華麗なレフティー玉田圭司、そしていつも元気一杯の本山雅志の4人がいる。すなわちジーコ監督には、選手やコンビネーションについてまだ色々な選択肢があるということである。

マリノスの発表では、久保はどちらにしても代表を辞退するということである。選手たちは日曜日に広島に集合し、月曜日の朝からトレーニングを開始する。
恐らく久保は広島へ行き、プレーできる状態ではないというメディカルチェックの結果を提出する事になる。しかしそれよりも、7月7日に二人目の子どもを出産する予定の奥さんのいる故郷、福岡に彼を行かせてやる方が理にかなっていると思う。

ジーコ監督は、これまでの試合でいくつもの重要なゴールを決めてきたこの元サンフレッチェのフォワード、久保のゴールに頼れる事がわかっている。
ただ、今回のこの彼の選択は一体誰のためなのだろう。ジーコ監督自身?久保?それともマリノス?

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