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機が熟した中澤のヨーロッパ移籍

2004/07/22(木)

 新たな日本人選手がヨーロッパでプレーする日も、そう遠くはなさそうだ。
 これまでヨーロッパに渡った選手は、ミッドフィルダーかフォワードに限られていた。
 おそらく次にヨーロッパでプレーする選手はディフェンダーで、中澤佑二が有力だろう。
 そのプレーを見れば見るほど、中澤にはヨーロッパのクラブがふさわしいと感じるし、すでにドイツのクラブが興味を示しているようだ。

 ディフェンダーにとってもっとも重要な仕事は、もちろん、守ることである。
 中澤は、空中戦でも、地上戦でも、この仕事を見事にこなしている。ディフェンダーとしては完ぺきな体型で、背が高く、バランスもとれている。
 ボールを持っている時は、いつもリラックスしていて、余裕があり、守備の時は体の使い方が巧い。これは、フィリップ・トルシエが選手たちに言いつづけ、そして成功したプレー方法で、あらゆる局面で相手に体を寄せ、自由にプレーをさせないというものである。
 また、ジーコの3バックのディフェンスの左サイドから前線に攻め上がって行く姿も印象的である。
 中澤は攻め上がる時と、自重すべき時を知っているので、彼に限っていえば、自分のポジションをがら空きにして攻め上がり、相手チームに右サイドを突破されて慌てて駆け戻るといったことは全くない。

 2002年ワールドカップのチーム作りを進めていた時、トルシエは、日本のディフェンダーは他の国のディフェンダーにも身長や体重では引けをとっていないのだから、体が小さくて、華奢な日本人はヨーロッパでは通用しないという理屈はもはや通用しない、とよく話していたものだ。
 さらに、プレーが素晴らしいだけでなく、中澤は外向的な性格をしている。マリノスの岡田武史監督は昨シーズン、自身のMVPとして中澤を選び、両ステージ完全制覇の過程で、中澤は自然にリーダー的な存在になっていったと語った。
 もし中澤が中国のアジアカップで好調を維持すれば、移籍への道が開かれ、日本人ディフェンダーとして初めてヨーロッパでプレーする選手となるかもしれない。

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