高原に固執しすぎた日本サッカー協会
不運にも高原直泰がアテネ五輪の代表から外れたことは、そう驚くことでもなかった。
それよりも私が驚いたのは、金曜日に代表メンバーを発表するまで日本サッカー協会が長い間待ちつづけたということである。
結果として、日本は18人の代表メンバーのうちオーバーエイジ枠としては、GK曽ヶ端と、MF小野伸二の二人のみを選んだ。
私にはなぜ日本サッカー協会が高原のメンバー入りをめぐってそこまで迷ったのか理解できない。
彼が健康上深刻な問題を抱えているのは明らかであり、彼が2度目の肺動脈血栓塞栓(そくせん)症の診断を受けた時点で、協会は彼を代表候補から外すのが妥当であったと思う。
これは5月末の事だった。そして私は常々、高温乾燥気候で呼吸も楽でないアテネで彼をプレーさせるのは非常なリスクを伴うと考えていた。
もし高原が健康だったなら、予選を通して攻撃の核を欠いていた日本代表の山本監督にとって彼はパーフェクトなチョイスであったろうと思う。
代わりに高松が選ばれたが、彼はあくまで交代要員であり、平山についても然りであると私は思う。
もし高原が健康だったなら、山本監督のフォワード残り3人のチョイスは、平山を除く田中、大久保、そして高松だったであろう。
現状、山本監督は高松・田中のコンビもしくは、高松・大久保のコンビで先発させることになり、平山は空中戦要員として途中出場となるであろう。
正直言って、この攻撃陣では強さにかけるのではと思う。
高原が病気であると診断された時、私は山本監督がもう一人のフォワードを選ぶものと思っていた。このコラムでも前に述べたが、鈴木隆行でもオリンピック代表チームに経験あるターゲットマンとして貢献できただろうと思う。
ただし、協会が彼にオリンピックスピリットを見せるよう、またダイビングを止めるように要請してくれれば、だが。
フォーメーションは中盤にプレーメーカーを置かず、田中、高松、大久保のFWラインを置く3−4−3システムが良いのではないかと思う。
ディフェンスとミッドフィールドには質の高い選手が多いが、それでもこのチームには新しいセンターフォワードが必要であろう。
日本サッカー協会は高原にあまりに固執しすぎた。数週間前に代案を用意しておくべきだったと私は思うのだ。
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