中田浩二、代表復帰!
ジーコは、代表監督に就任して以来、面白い人選を何度かしてきた。
バック陣に坪井を加えたのは、成功だったようだ。
中盤の右サイドでは、加地が立派な新戦力となっている。
また、前線では柔らかいボールタッチと優美な左足の技術を誇る玉田が観る者を魅了する。
最近のジーコの絶妙な人選といえば、私のもっとも好きな日本人選手の1人である中田浩二を、故障による長期離脱から復帰したばかりであるにもかかわらず招集したことである。
水曜日のインド戦は、浩二が先発メンバーに名を連ねるには1ヶ月早過ぎるように思われるので、稲本のポジションを埋めるのは福西になるだろう。福西は、コーナーキックやフリーキックの時にニアポストの空中戦で抜群の強さを発揮する選手だ。
とはいえ、ジーコがさっそく浩二を代表に再招集したのは評価したい。浩二には前途洋々な未来があるからだ。
2002年のワールドカップ後にジーコが代表監督に就任したとき、私は、浩二の起用が少なすぎる、と感じていた。新監督がいわゆる「黄金の4人」を中盤に起用しようとしていたからだ。
浩二は、チームにバランス、まとまり、方向性をもたらす選手であり、金曜日の夜の11時に渋谷駅に集まった日本の「オールスター」の中盤に欠けていた才能なのである(あの時は、あらゆる方向から人々が殺到してきたなあ)。
浩二が先発メンバーに復帰してからの鹿島のゲームは観戦していなかったので—鹿島ファンには申し訳ないのだが、最近の私はジェフやヴェルディのような「ビッグ・チーム」ばかり観ているのである—、渋谷駅で浩二のいわば「実物」を見たときには心底驚いた。
浩二は体が大きく、たくましくなったように見えた。おそらく膝の回復期間に行なっていた水泳とウエイトトレーニングの成果なのだろう。
私が最初に感じたのは、ほんの少しパワーと筋肉が増した、新しい外見の中田をトルシエが見たら、きっとディフェンスの左サイドに起用したがるだろうということだった。
浩二の体重が増えたかどうかは確認できていないのだが、おそらく体重は変わっていないのだろう。JFA(日本サッカー協会)には74キロで登録されていて、シーズン当初のJリーグハンドブックにも同じ体重が記載されていたからだ。
しかし、見た目ははっきりと大きくなっているし、これはモダン・サッカーでは悪いことではない。
月曜日の高校チームとの練習試合で控えチームの一員としてプレーした浩二の調子は良さそうだった。特に、小笠原や本山が横に並び、アントラーズの同僚であった柳沢や鈴木が前線にいるときは、良く見えた。
中田浩二が代表のレギュラーに復帰するのはさほど先ではないだろう。ジーコのチームに何より必要なのは、彼の経験と静かな威厳なのである。
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