川崎でのカンフー:J2の奇妙な一夜
昨年の今頃、柳下正明監督はジュビロ磐田の監督として優勝争いの真っ只中にいた。
水曜日、彼は等々力スタジアムのベンチで、彼が指揮するコンサドーレ札幌が絶好調の川崎フロンターレに0−6でこてんぱにやられるのを見ていた。
私は常々、札幌のサポーターには感心させられていた。そしてこの水曜日にも約400人のサポーターがチームカラーの赤と黒に身を包んでいた。
6点もの大量ゴールが札幌のネットに突き刺さっても、それでもサポーター達は悪戦苦闘しているチームの応援を続けていた。
試合終了のホイッスルが鳴り、両チームの選手たちが各サポーターへの試合後の挨拶に向かった。しかしこの後、ビジターサイドに何が起こるのか誰も予想だにしていなかった。
何人かの札幌サポーターは選手に向かって後半の彼らの不甲斐なさに対する怒りをあらわにしていた。
そしてペットボトルがスタンドから投げ入れられた。
札幌の選手たちはこれらのサポーターの反応に気を悪くすることもなく、ピッチとスタンドを隔てるフェンスに向かって歩き始めた。
突然一人のサポーターがフェンスを越えて、エリック・カントナのように一人の選手に向かって空手の蹴りのポーズをした。
5〜6人のサポーター達がそれにつづいてフェンスを越え、警備員達は小競り合いを止めようと間に割って入った。柳下監督も続いて何とかいざこざを収めようとした。
多くの人々が大きなショックを受けたが、札幌の選手たちのショックはさらに強いものだった。
さて、事態はどう収拾されるのだろうか?
コンサドーレは自チームのサポーター達をコントロールできなかったとして処罰されるのだろうか?
ホームゲームを非公開で戦わなければならなくなる?
乱入したサポーターの身元が判明したなら、彼らは今後、チームの試合観戦を禁止されるのだろうか?
フロンターレはアウェーチームのサポーターへの警備を怠ったということで問題にされるのだろうか?
マッチコミッショナー、難波邦雄氏のレポートはJリーグの調査の重要な鍵を握ることになる。
Jリーグで北海道を代表するコンサドーレの重要な役割を考えると、厳重な警告を発するのが妥当であろうと私は思う。
チームはいつでもサポーターの行き過ぎた行動に対して禁止を言い渡す事ができる。
しかし何が起ころうとも、サポーターのメッセージは、わずか勝点9でJ2最下位に甘んじている選手たちに伝わらなくてはならない。
この事件がチームに転機をもたらすかもしれない。そして結果的にポジティブなものを生み出すことになるかもしれない。
この記事へのコメントは終了しました。
コメント