ブラジルの達人、ジャーン
間違いなく、FC東京は若くて優秀なディフェンダーを多数輩出しつつある。
これら若手ディフェンダーがするべきことはただ1つ。一緒にプレーしているブラジルの達人、ジャーン・カルロ・ウィッテを観察し、模倣すれば良いのだ。
練習では、原監督が自分の持つあらゆる知識を伝授できるが、実戦の場では、ジャーンが戦士兼指導者となる。
2002年にジャーンがこのクラブに入団して以来、私は彼がひどいプレーをしたのを見たことがない。
しかし、ジャーンは堅実なディフェンダーであって、クリエイティブなミッドフィルダーや得点能力の高いフォワードではないので、注目に値するプレーぶりであっても、さほど注目は受けてはいない。
ただし、彼が日本でプレーしている外国人選手のなかでも最良で、最も安定した実力を誇っている選手の1人であることは間違いない。
土曜日、私は柏の葉公園総合競技場まで遠征し、ナビスコカップのレイソル対FC東京戦を観た。
FC東京はキーパーの土肥とライトバックの加地が日本代表に招集され不在だったが、同じ理由で攻撃陣に玉田を欠いている不調のレイソルが相手では、さほど痛手ではなかった。
そのうえ、FC東京にはライトバックに徳永がいたし、ディフェンスの中央にはジャーンと並んで茂庭もいた。また、左サイドでは金沢がバランスをとっていた。いつも私はジュビロのミッドフィルダーだった頃の金沢を思いだすのだが、彼はFC東京では守備の仕事を立派にこなしている。
おそらく、これもジャーンの影響力なのだろう。
私にとってディフェンダーの最大の仕事は、守ることであり、攻撃することではない(ここで、三都主が脳裏に浮かぶ)。
そしてもちろん、ジャーンは素晴らしいディフェンスをする!
馬場のフリーキックから狙いすましたようなヘディング・シュートを決めて先制点を叩きだしたのを見てもわかるように、ジャーンは空中戦に強く、しかもタックルすることを怖れず、ボールを持った時には常に正しい選択をする。
時間とスペースが充分にあれば、ジャーンはディフェンスからボールを回し、そうでない時には確実にクリアするという方法を選ぶ。
あまり格好良くは見えないかもしれないが、彼は絶対にリスクを負わず、絶対に余分なことをしないタイプの選手なのだ。
日本人選手が0−0の時に危険な地域でひょいと無造作にバックヒール・パスをしようとするのを本当によく見かけるが、ジャーンは常に規律を重んじ、確率を考えてプレーしているのである。
ジャーンは敏捷なセンターバックというわけではないが、常に試合をしっかり読み、自分の役割を全うしようとする。土曜日に何回か気づいたのだが、ジャーンは1度なら抜けるが、2度は抜けない。
土曜日は土肥が不在のため、ジャーンがキャプテンを務めた。そして同時に、ジャーンは選手であり、コーチであり、得点者であり、教授でもあったのだ!
この記事へのコメントは終了しました。

コメント