岡田監督がこだわる日本人の得点能力
先日のことだが、アジアチャンピオンズリーグで横浜F・マリノスがベトナムのビンディンを6−0で破った後の、岡田武史監督のコメントを読んで驚いた。
岡ちゃんは、マリノスの選手は非情さに欠けると語っていた。また、少なくとも10点差で勝つべき試合だった、とも言っていた。
この発言は私には意外だったし、少し厳しすぎるような気もした。ホームで6−0の勝利なら悪くない結果だからだ。
数日後、岡ちゃんの発言の真意がわかった。
火曜日(5月11日)の夜、アジアチャンピオンズリーグでマリノスと同じグループに入り、マリノスの最大のライバルとなっている城南一和が、インドネシアのペルシク・ケディリを15−0で破ったのである!
そう、15点。6分に1点の割合だ!
これで、マリノスが4チームからなるグループGで最終的に1位になり、準々決勝に進出できる可能性はかすかなものとなった。残り1試合の時点で、韓国のチームが得失点差で圧倒的に有利であるからだ。
では、日本人選手の得点力不足の原因はどこにあるのだろう?
一般的な意見は、日本人選手はシュートを打つ回数がともかく少ない、というものだ。
私が観戦してきたほとんどの試合でも、シュートのチャンスがある選手がシュートを打たず、クロスを上げたり、チームメートにショートパスを送ったりして、ゴールに迫らずチャンスを無駄にしてしまうことがしばしばあった。
日本人選手は、シュートを打つのを怖れてはいけない。言い換えれば、シュートを外すことを怖れてはいけない。
世界のトップクラスのストライカーをテレビで観てみると良い。シュートを外した時—完璧な選手などいないのだから、もちろん誰でもシュートを外すことはある—、彼らは次の機会でシュートを打つのをためらうだろうか?
ためらいなどしない。彼らはミスなど気にしていないのだ。ミスはすぐに忘れて、次のチャンスにひたすら集中するのである。
J1の得点ランキングを見ても、このことがよく分かるかもしれない。
現在のところエンルソンが得点ランキングのトップで、11ゴール(40シュート)。ロドリゴ・グラウが8ゴール(29シュート)、ウェズレイが5ゴール(46シュート)でこれに続く。
さらに、6人の選手が4ゴールを挙げている。小笠原、サンドロ、アラウージョ、マルケス、マグロン、大久保である。
つまり、ランキングのトップ9のうちの7人までもがブラジル人選手で、日本人はミッドフィルダーの小笠原と、下位を低迷するチームでプレーしている大久保の2人だけなのだ。
他の日本人選手たちも上記の2人を見習い、ゴール前でもっと責任を負ってもらいたいものだ。
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