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新たなDFを必要とするブッフバルト監督

2004/05/20(木)

 最近の浦和レッズの監督は、外国人選手にあまり恵まれていないようだ。
 最高の状態のネド・ゼリッチをレッズ・ファンが見ることはなかったし、今では「ロシアのロールスロイス」ことユーリ・ニキフォロフのキャリアも終焉を迎えようとしているように思える。
 監督のギド・ブッフバルトが怖れる最悪の状況は、ニキフォロフのプレーが絶望—つまり、シーズン前に受けたヒザの手術のリハビリのためにオランダに帰ってしまうことである。
 そのため、8月中旬のセカンドステージ開幕までに、チームを率いる新たなセンターバックを獲得するというのが、ブッフバルトの最優先事項となっている。

 土曜日、駒場でレッズ対ジェフの試合を観戦したファンには、ブッフバルトが経験豊富なディフェンダーの獲得にこだわる理由がわかったかもしれない。
 試合は、前半を2−0で折り返した時点で、ジェフが勝利をものにしたように思えた。
 まず、阿部の左サイドからのコーナーキックにマルキーニョスがヘディングを見事に合わせて、ジェフが先制。
 その直後にはマルキーニョスがまたも才能を発揮し、闘莉王を振りきって右側にパス。サンドロが完全にノーマークのままボールを受け、繊細なタッチのシュートを決め、前半のうちにジェフが2−0とリードした。
 浦和に追い撃ちをかけるように、前半終了4分前には長谷部が足を傷めて交代。さらに、後半4分にはエメルソンもピッチを去った。

 ジェフの監督のイビチャ・オシムは、この時点で選手たちがプレーをやめてしまった、と語った。ジェフの選手たちは、もう大丈夫だ、と安心してしまったのである。
 ビジター・チームは、その代償を払わなければならなかった。
 永井がゴール前でボールを押し込んで、レッズが1点を挽回。さらに、茶野がアレックスを倒した後のPKを闘莉王が決めて同点。なぜ茶野があえて無理をする必要があったのか、私には理解できない。アレックスが茶野の外側に逃げようとしたとき、ボールはアレックスの右足にあったからだ。
 あのポジションでアレックスがボールを巧妙に処理できるとは思えないのに、茶野は捨て身のタックルを敢行し、PKを献上。アレックスは、まるで自分が決勝のゴールを決めたかのような喜びかたをした。

 私の感想は、フェアプレーを重んじる無邪気な英国人の感想に過ぎないのかもしれないが、PKをもらったプレーヤーが大喜びする姿は見ていて気持ちの良いものではない。まるで、実際にゴールを奪うより、ペナルティを奪うのが目的だったみたいではないか!
 その後、完全に混乱してしまったジェフはディフェンダーの中途半端なプレーによって、「野人」にレッズ復帰後のリーグ戦初ゴールを決められてしまった。

 今度は浦和が3−2で勝利を手中にしたように見えたが、鈴木が山岸を倒した。鈴木本人はペナルティーエリア外の出来事だと思ったようだが、レフェリーはペナルティーエリア内での反則という判断を下し、阿部が冷静にPKを決めて、ゲームは3−3となった。
 レッズが優勝に値するだけの攻撃力を擁しているのは確かだが、新しいディフェンダーを獲得して、失点を抑えることも必要であるとブッフバルトは感じているのだろう。

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