ジュビロ磐田:その表と裏
ジュビロ磐田に敬意を表する事はさして難しいことではない。
しかし好きになれるかというと、また別だ。
水曜の夜、我々は柏でジュビロのベストとワーストを見せられた。
前半、彼らは力強くかつ攻撃的なサッカーで早々に2得点をあげ、そのまま5・6点差をつけて勝つように見えた。
しかし後半、様相は一転した。
後半は反則すれすれのプレー、そして時間稼ぎなどのアンフェアなプレーが随所に見られ、58分にドゥドゥの退場でレイソルが10人になった後もそれが続いた。
私にはジュビロがなぜそんな不愉快な戦術をとるのか理解できなかった。彼らはそんな汚いやり方でなくてもスマートに勝てる力を持っているのだ。
いわゆる“ドゥンガ流プロ意識”というものなのであろう。
ジュビロの最初のゴールは素晴らしかった。
藤田は右ウィングの西にボールを出し、そのままニアポストへ走った。
しかし、西は彼を使わず、ファーポスト深くへクロスをあげ、グラウがヘッドで“デンジャーゾーン”へ落とした。
ベテラン中山はゴールポストのペンキの匂いが嗅げるくらいゴール近くにおり、ボールへ向かって飛び込み、ダイビングヘッドで得点を挙げた。
このゴールはジュビロ磐田のチームワークと相互理解、そして非情なまでの精度の表れである。
福西がやすやすとヘッドで2点目をあげた時点では、ジュビロは得点を挙げようと思えばいつでも挙げられるように見えた。
しかし、このチームは若いチームではない。きっと疲れたのであろう。そしてこれが戦術の変更につながった。次の試合へ向けて体力の温存をはかることにした。
理由はどうあれ、ジュビロ磐田の裏の一面を見せられるのは心底嫌だ。
選手達は怪我を装い、主審に対戦相手へのイエローカードを要求する。またゴールキック、フリーキック、コーナーキックでは時間稼ぎをする。ジュビロの選手達はこうした細かなトリックを知り尽くしている。そして主審に代わって試合をコントロールしようとするのだ。
だからこそ、中立の人々にとってジュビロは、彼らの成績には感心できても好きにはなれないのだ。
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