アテネ五輪世代は日本の「失われた世代」なのか?
オリンピック日本代表候補の選手達は、来週のアラブ首長国連邦(UAE)での最終予選こそ彼らの実力を立証するポイントだと感じている。
しかしそれは、バーレーン、レバノン、そしてUAEといったグループBのライバル達に対してではない。
そうだ、それは日本にいる人たちに対してなのだ。
FC東京のウィング石川直宏も認めるように、選手達は自身が強烈な先輩と後輩にはさまれた日本の「失われた世代」と呼ばれている事を知っている。
「僕は注目されない世代の選手だということには慣れています」と、小平の練習グランドでのインタビューで石川はそう答えた。
「でも、それが僕たちを強くしている部分もある。僕たちは必ず結果を出せると信じているし、その自信もある」
「他の人たちが何を言うか気にするよりも、それを僕たちはバネにして証明してみせることができる」
これらは常にポジティブで正直な石川らしいコメントである。石川が3大会連続のオリンピック出場に挑む日本代表の要になることは間違いないであろう。
山本昌邦監督率いる若い選手達にとってやりにくいのは、彼らの先輩たちが凄すぎたということであろう。
4年前にシドニーへ行った中田英寿、中田浩二、稲本、中村、高原、柳沢、中澤、松田、宮本・・・スペースの都合上ここで書ききれない選手達には申し訳ないが、この顔ぶれを見ると良い。
2月のオリンピック代表チームの3試合を経て、二人の選手に注目が集まっている。国見高校の18歳のストライカー平山相太とブラジルから帰化したDF田中 マルクス 闘莉王である。
そのことからも、山本監督のチームに2000年のトルシエ監督のチームのようなスター性がないということが容易にわかる。
ただし、トルシエ監督自身も常に指摘していたように、良いチームを作るには単に才能ある個人を集めるよりも他に、たくさんの方法がある。
組織力があり、気迫があり、モチベーションも高く、戦術を理解し、そしてあらゆるポジションにおいて層が厚い、これが山本監督のチームを強く見せている。
彼らに不信を抱く人たちにこれらを証明してみせる事によって、アテネへの切符を手にし、そして彼らが敬意と評価を得るに値するという事を示せるのだ。
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